

吟遊詩人
吸血亭賛美
10歳まで猫に育てられた
(親猫が飼い猫だった為、屋外での生活は不慣れ)
「アイスコーヒーは可能な限り薄い方が美味い」
音楽クリエイター兼
クリエイティブディレクター
として活躍する
吸血亭賛美(ザビ)さんの働き方
現在の主な仕事は、音楽クリエイター兼クリエイティブディレクターです。
音楽クリエイターとしては10年以上前から音楽活動を続けていて、作詞・作曲をしたり、自らアーティストとしてステージに立ったりしています。また、作詞・作曲家としてアイドルやシンガーの方への楽曲提供も行っています。
クリエイティブディレクターとしては、アイドルグループの楽曲制作やライブのディレクションに携わっています。アイドルグループの場合、タレントさんだけでなくスタッフさんも「エンターテインメント業界で働くのは初めて」という方が多くいらっしゃるので、楽曲のディレクションに加えて、イベント制作に必要なディレクションやタレントさんの精神的な面でのサポートなど、アーティストが成長していくための手助けも行っています。
1日の仕事の流れ
クリエイターによっては夕方から仕事を始める方もいますが、僕の場合はできる限り一般的な時間感覚を維持するために、遅くとも朝9時には起きるようにしています。ほとんど自宅のソファでの仕事になるので、健康のことを考え大量のサプリメントを飲んで1日をスタート(笑)。それから、溜まっていたメールやLINEの返信をします。次に、同時に進行しているたくさんのタスクを、締め切りの近いものや緊急性の高いものから着手できるよう、優先度順に整理。それを終えたら、あとはひたすらタスクを上から片付けていきます。集中力が途切れるまで続くので、気づいたら夜になっている日も多いですね。
ディレクターの仕事が入る日は、夕方まで作詞などの作業をしたあと、ライブハウスなどの現場に移動してリハーサルやライブに同行。その後、アイドルのみんなにフィードバックをしてから帰宅します。もしもその日のタスクが残っていたら、帰宅してからタスクが終わるまで仕事をすることも。
自分の判断で1日にどれくらい仕事をするかを決められるのが、「個人事業主」の働き方の特徴。変な話、サボろうと思えばいくらでもサボれるし、仕事しようと思えばいくらでも仕事ができる環境なんです。ずっと仕事をしながらずっと休んでいるような感覚になることもあります。

必要に迫られて増やしてきた
「できること」が仕事へ
音楽活動を20年ほど続けて培ってきたものが、いま強みとなって仕事に活きている実感があります。
もともと僕は学があったり器用だったりするタイプではなかったのですが、バンドマンという環境が自分を変えてくれました。当然、自分の音楽は自分で作らなければならなかったですし、楽器も扱えるようにならなければいけなかった。その延長で、「ツアーに出るためには車を運転できるようにならなければならない」「フライヤーを作るためにデザインを学ばなければならない」と、必要に応じてできることを増やしていった結果、現在のお仕事に繋がりました。

目標を実現するために、
まずリスクをとって行動する
もしもいま「音楽クリエイターになりたい」「クリエイティブディレクターになりたい」という方がいたら、「まずリスクをとって行動してください」と伝えたいです。
何をするにしても──たとえば楽器や機材を購入するのにお金がかかるなど、リスクは生じるもの。でも、まずは目標を立てて、そのために必要なリスクを背負ったうえで、足りない部分を後から努力で帳尻を合わせることができれば、理想の自分に近づけると思うんです。
計画を立てて慎重に動くことも大切ですが、なかなか計画通りに進むような職業ではないからこそ、努力をするためにまずリスクを背負うことが推進力になるはず。そうすればきっと、実力も追いついてくるはずです。
人のつながりから広がる作詞の仕事
作詞のお仕事をいただく主な流れの一つは、コンペ形式の募集に作品を応募し、採用されるケースです。
もう一つは、人のつながりを通じて依頼をいただくケース。音楽クリエイターは作詞と作曲を一緒に手がける方が多数のなかで、僕は作詞のみを担当することが多いため、作曲家の友人から依頼をいただくことがあるんです。歌詞を書くのも比較的速いほうで、ワンコーラスなら30分、フルコーラスなら2時間ほどで書くことができます。
また、最近は「これから作曲家になりたいのですが、どうしたらいいですか?」という相談を受けることもあり、そのたびにお仕事や人を紹介していくうちに、次第に「紹介していただいたお礼に今度お仕事があったらお願いします」と言っていただくことも増えてきました。気づけば、女性アーティストや男性アーティストをはじめ、アニメ、テレビ番組など、さまざまなジャンルでお仕事させていただくようになりましたね。

吸血亭賛美(ザビ)さんが
やりがいを感じる瞬間
お仕事をしていてやりがいを感じる瞬間はたくさんあります。
作詞では、自分が納得できる作品を書くことができたときが一番気持ちの良い瞬間です。さらに、レコーディングエンジニアも僕が担当することが多いのですが、自分で作った楽曲に自分で仮歌を入れてお渡しし、自分でレコーディングにも携わる。そうやって楽曲がカタチになっていく姿を一番近くで見ることができるのも楽しみの一つですね。
それに加えて、アイドルやファンの皆さんが楽曲を楽しんでくれているところを見るのも、やりがいを感じる瞬間です。自分が制作したものが、楽曲に触れる皆さんの存在によって、もう一つ上の段階へいけるような感覚になるんですよね。あとは「どんな振り付けになるんだろう」と考えながら作詞していた楽曲に、林真鳥さんによって素敵な振り付けが加わったときにも、上手くバトンが渡せたようでうれしくなります。自分だけでなくほかの誰かが加わることで、想像していなかったクリエイティブに生まれ変わる瞬間がめちゃくちゃ楽しいんです。
自分で音楽活動もしているので、人前で歌っている瞬間も最高です!
タスクが常にある大変さ
大変さを感じるのは、とにかく時間がないこと。僕に限らずクリエイターの皆さんはたくさんのタスクを同時に進めていらっしゃると思うのですが、さまざまなタスクの締め切りが一日、二日のスパンで毎日のようにやってきます。一つの仕事が終わったらまた次の仕事へ…と常にタスクに追われている状態なので、本当の意味で頭を真っ白にして休む時間がないことが、大変なところだと思います。完全にプライベートな時間を作れないといいますか。友達とご飯を食べている最中にも仕事の連絡に気を取られてしまい、「今、5分くらい話聞いてなかったよ」と指摘されたこともあります(笑)。

音楽クリエイターに
向いているのは、「変な人」
言葉を選ばずにいうと、この仕事には「変な人」が向いていると思います。一つは働き方の面で、学生の頃から「起業したい」と思っていたり、「誰かの下で指示を受けて仕事するのは向いていない」と思っていたりする方は、個人事業主のような働き方が向いているんじゃないかな。そしてクリエイターという面では、普通の人とは少し違う感覚をもっている方が、その人だけのクリエイティブを生み出せると思いますね。僕も自分自身のことを変なやつだと思っています(笑)。
吸血亭賛美(ザビ)さんから、
働くことに向き合う読者へ
親戚のおじさんみたいなことを言うようですが、ぜひ、できるだけたくさん勉強しておいてください。
先ほど「リスクをとって行動する」という話をしましたが、リスクをとって行動した人が、全員うまくいくわけではありません。リスクをとった分、失敗したときには大きなダメージを負うこともあります。だからこそ、もし失敗したときに、そのダメージをどう取り戻すのかまで考えて動くことが大切だと思っています。
たとえば、学生のうちに社会人経験を積んでおくのもいいと思いますし、大学を出て、就職に役立つ知識や技術を身につけておくのも一つの方法です。本当にやりたいことがうまくいかなかったとしても、生活を守りながら、もう一度挑戦するための選択肢を持っておくんです。
きっと僕みたいに音楽クリエイターを目指す人のなかには、「勉強なんかしたくない」「勉強なんかできない」と思っている人もいると思います。でも、クリエイターやディレクターを目指すのであれば、それがダメだったときの補償を自分で考えて動いてほしい。後ろ盾があるからこそ、「これに100%賭けてみよう」と挑戦できることもあります。だから、たくさん勉強してください。きっといつか、自分のやりたいことを実現するためにも活きてくると思います。

吸血亭賛美(ザビ)さんのとある1日
09:00
起床 サプリメントを飲む
10:00
LINEやメールの返信
11:00
タスクを整理
11:00
作詞などの作業
19:00
現場へ
23:00
帰宅・猫を愛でる
Staff Credit
編集:満斗りょう
インタビュー・記事:Suzu
ページ運用:Mo.et



