

emole株式会社
Alliance Div. Manager / Solution Div.
新間優佳

2017年にロッキング・オングループ入社し、CUT/H/SIGHT/SIGHT ART編集部に所属。その後、株式会社カカオ・ピッコマにて国内版元とのアライアンス業務、ミラーフィット株式会社にてCS/CXおよびUI/UXチームのマネージャー業務を経て、2025年にemole株式会社へ入社した。
ショートドラマ配信アプリBUMP
アライアンスの仕事
「BUMP」というショートドラマ配信プラットフォームで、配信する作品の“調達”を担当しています。
BUMPで配信している作品は、弊社が制作したオリジナル作品を配信するケースと、他社が制作したショートドラマを調達して配信するケースの大きく2パターンに分かれています。そのなかで、私が担当しているのは後者の“調達”の仕事。取引先の皆さんとやりとりを行い、クリエイターの方々が作られた作品をより良い形でユーザーに届けるための交渉や調整をする役割を担っています。
ユーザーの期待を裏切らない
作品調達
以前はプラットフォーム全体の方針として、作品数の担保を優先している時期もありました。
ただ、ショートドラマというコンテンツは近年急速に拡大しているものの、まだ世の中に十分に浸透しきっているとは言えません。だからこそ今は、「初めてショートドラマに触れるユーザーの期待を裏切らない作品を届けたい」という想いで作品を選んでいます。

調達する作品の見極め方は…?
ショートドラマは1話ごとの尺が短い一方で、話数が多いという特徴があります。そのため、視聴者が最終話に辿り着くまでに離脱してしまうポイントがいくつもあるんです。1話目の冒頭数十秒でも多くの離脱が発生しますし、1話目を見終えたとしても2話目に移行してもらえるとは限りません。こうした離脱の可能性は2話目以降もずっと続いていくことになるため、ユーザーにとって次の話を観たいという感情が継続する作品、すなわち最終話まで完走したいと思ってもらえる作品を調達することが多いですね。
また、宣伝素材として活用できる“切り抜きポイント”があるかどうかも大切な判断基準です。最後まで楽しめる作品であっても、視聴者の興味を引く場面がなければ、新たな流入を生み出すことが難しくなります。
こうして言語化してみると明確な基準があるように思えるかもしれませんが、実際には経験から培われた感覚に頼る部分も大きいです。とにかくたくさんの作品を実際に観て、調達する作品を見極めています。社内でドラマを観ている時間が一番長いのは私かもしれません(笑)。
制作会社の皆さんからせっかくお預かりする作品なので、視聴数や売上といった形で作品へ還元したい。そのため、より多くの視聴者に届けられると確信できるものを選定して調達しています。おかげさまで「BUMPにある作品は面白い」と言っていただけることもあり、嬉しく思っています。
ショートドラマの
ノウハウを共有し、
業界全体の成長へ
外部の会社が制作した作品を調達するだけでなく、“アドバイザリー”として他社のコンテンツ制作をサポートする取り組みにも携わっています。ある作品では、私のチームメンバーの一人が企画のフィードバックやブラッシュアップ、編集の立ち合いなど、あらゆる工程をご一緒させていただきました。
こうした取り組みを通じて、「どんなシーンが切り抜きとして拡散されやすいか」「どうすれば最後まで観てもらえるか」といったショートドラマならではのノウハウを積極的に共有しています。私たちが培ってきた知見を他社にもお伝えするのは、「ショートドラマ業界全体を盛り上げていきたい」という想いがあるからこそ。まだショートドラマに触れたことのない方も多いなかで、私たちBUMPだけが成長するのではなく、業界全体が成長していくことで、より多くの人にショートドラマを届けられると考えています。

現在の仕事にたどり着いたきっかけ
実は、現在の仕事に就くまでに、自分の得意なことを探しながらさまざまな仕事を経験してきました。現在はアライアンスチームで外部作品の調達を担当していますが、入社前の業務委託時はプロダクションチームで、ショートドラマの原作となる漫画を選ぶ仕事を担 当していて。以前、電子漫画の会社で働いていたことから、「原作になりそうな漫画に詳しい人」として期待してもらっていたんです。
しかし、実際にやってみると、私は「漫画そのものが好き」というタイプではないので、そうした仕事が得意なわけがなく、どちらかというとドラマの方が好き。また、「何かを生み出す仕事」よりも、「誰かが作った素晴らしいものを世の中に広げる仕事」の方が向いていたんです。電子漫画の会社で働いていた時の業務も、後者でした。そのことを早い段階で現COOの水谷が見抜いてくれたことで、いまのチームへ正式に入社することになりました。
仕事内容と“得意”とのギャップ
振り返ってみると、その傾向はこの会社で働き始めるもっと前からあったのかもしれません。大学時代にはCDショップでアルバイトをしていて、好きな作品を紹介するPOPを書くことに没頭していました。その後、新卒で音楽・映画雑誌の出版社に入社し、編集やライターとして5年間働いていたのですが、そこで“自分の仕事”と“自分が得意なこと”とのギャップを感じて。
というのも、「人の作った素晴らしいものを伝えたい」という気持ちはあった一方で、「自分の言葉で表現しなければならないこと」が難しかったんです。先輩方の仕事ぶりを見ながら「どうしてこんな表現ができるのだろう」「どこからこんな言葉を生み出せるのだろう」と悩むことも多く、仕事は楽しかったものの、「自分には向いていないのではないか」という感覚がずっとありました。

仕事を通して見つけた、自分の強み
そこで、先ほどもお話に登場した電子漫画の配信プラットフォームで漫画を調達する仕事に転職しました。そこでは、自分の言葉で何かを表現するのではなく、現在の仕事内容とも近い、誰かが作った作品を調達し、多くの人に届ける仕事を担当できたんです。
私は施策を実施したり、先行配信をしたりする漫画を選ぶときに、作品の面白さなどの感覚よりも、「何人に読まれている」「どのくらい“お気に入り”されている」などの数字を重視するタイプでした。そのやり方では作品への愛情やセンスで選んでいる方々に敵わないと感じる一方で、数字から価値を見つけ出すことで、自分なりに成果も出すことができて。データを見ながら作品の可能性を見極めることは、私の性格にも合っていましたし、より良い形でたくさんの方に作品を広げられることにやりがいを感じていました。
誰かが作った素晴らしい作品を
調達し、
世の中に広げるやりがい
その電子漫画の会社を離れ、別の仕事も経験した時期もあったのですが、「人が作った素晴らしいものを調達して世の中に広げる仕事」の楽しさが忘れられませんでした。そして、現在、漫画よりも昔から自分に馴染みのあったドラマというジャンルで、この仕事に辿り着いたんです。
ゼロから作品を生み出したり、自分のセンスに自信をもってものづくりをできたりする方々は、本当にすごいと尊敬していて、羨ましくもあります。一方で、この世にはそうして生み出された素晴らしい作品が数えきれないほど存在している。その価値を見つけて、多くの人に届ける仕事もまた、胸を張って「作品に関わっている」と言える大切な役割なのだと気づきました。だからこそ、いまは自分に合ったチームで、自分だからこそ生み出せる価値を発揮していきたいと思っています。

1日の仕事の流れ
基本的には11時に仕事を始め、20時頃に終えています。まずはメールのチェックや返信からスタート。エンタメ業界では夜遅くに連絡をいただくことも少なくありませんが、勤務時間外の連絡は一旦“お気に入り”に入れておき、翌営業日に対応するようにしています。午前中はたいていメールの返信だけで終わってしまうので、そのままお昼休憩へ。午後は、契約書の確認や調整、作品の調達や配信日の設定、作品視聴など、その日によってさまざまな業務を進めています。
働き方が柔軟な業界だからこそ、
心掛けていること
働くうえで、基本的に決められた勤務時間のなかで仕事を終えることを大切にしています。制作に関わるクリエイティブな仕事の場合、不規則な働き方になってしまうことは仕方のないことかもしれません。ただ、だからといって長時間労働が当たり前になってはいけないとも考えていて。
この会社には若いメンバーも多く、社会人経験がこの会社だけという人も少なくありません。だからこそ、少しだけ社会人経験の長い立場である私のような人間が、適切な労働時間で働く姿を見せることが大切だと思っています。

社外の方とのやりとりも、
大切な仕事
先ほど「メールの返信だけで午前中が終わってしまう」とお話しましたが、私の仕事は特に社外の方とのやりとりが大切です。作品の調達は、“条件”だけで成立する仕事ではありません。メールの返信ひとつで関係性が変わることもあるので、「この人と仕事をしたい」と思っていただけるよう、人とのコミュニケーションには一番気を遣っているかもしれませんね。社外の方にとっては、「BUMPといえば新間さん」と認識される立場にもなり得るからこそ、一つひとつに心を込めてやりとりをしています。
仕事をしていて、
喜びを感じる瞬間は?
以前の電子書籍で漫画を調達する仕事では一人で何十社、何万作品も担当していましたが、現在は毎月8作品ほどのショートドラマを配信していて、一つひとつの作品と深く向き合うことができています。そのため、作品を調達するだけでなく、その後どのように世の中へ広がっていくのかを見届けられることが、この仕事の楽しいところ。「このシーンを切り抜いた結果、多くの方に届いた!」といった反応まで追うことができ、自分の仕事が作品の広がりに繋がったと実感できる瞬間は嬉しいですね。
大変だと感じる瞬間は?
業務そのものが特別大変だと感じることはありません。ただ、心が痛むのは、自分が調達した作品が思うような結果に繋がらなかったときです。
作品には、当然ながら作り手の想いや手間が込められています。前職では扱う作品数が多く、また出版社を介して作品を調達していたため、クリエイターの方を直接知る機会はほとんどありませんでした。しかし、現在は誰がどんな想いで作品を作ったのかが見える環境だからこそ、結果が出なかったときの悔しさも、より強く感じます。
また、作品が売れなければ次の作品づくりに使える資金も生まれません。クリエイターの方にとっても、会社や業界にとっても、その作品を次に繋げられなかったという心苦しさを感じますね。

ショートドラマに関わる仕事に
向いている人
この会社には、決めたことは最後までやり通す強さをもった方が多いと思います。一方で、「違うな」と思ったときに素早く方向転換できる方もとても多いんです。
ショートドラマ業界はトレンドの移り変わりがとても早く、昨日まで当たり前だったことが今日には通用しなくなっていることもあります。そのため、これまでの常識を引っ張り続けるのではなく、状況に応じて自然と考え方をアップデートし続けられる方が向いているのではないでしょうか。
新間さんから、
この業界を目指す読者へ
学生時代を振り返ってみて「やっておいてよかったな」と思っているのは、エンタメに関わるアルバイトを4年間続けていたこと。新卒の就職活動でも、「CDショップで4年間働いていました」「年間これだけのライブにいっていました」と具体的なエピソードを話せることが、とても強みになりました。
この業界を目指すのであれば、エンタメに興味をもって触れておくことが大切だと思いますし、日常的にエンタメに触れることが「嫌ではない」ことが大事だと思います。実際、私は仕事でもショートドラマをたくさん観ているのにも関わらず、ついお昼休みにも月9などのドラマを観てしまうんです(笑)。「エンタメが好きでいられること」自体がとても大きな強みになりますし、「その作品観ました!」と会話ができることも、この業界では大きな武器になると思います。

新間さんの一日
11:00
出社 メールの返信など
12:00
お昼休憩
午後
契約の確認、作品の調達、ドラマ視聴など
20:00
勤務終了
取材協力:emole株式会社
Staff Credit
編集:Asaka.T
インタビュー:満斗りょう
記事:Suzu
ページ運用:Mo.et




