

振付師・演出家・イラストレーター
林 真鳥
龍谷大学 卒業
株式会社STARTO ENTERTAINMENT(2002-2025)
振付師・演出家兼イラストレーター
として活躍する
林さんの働き方
現在は主に、振付師・演出家と、イラストレーターの二本柱で仕事をしています。いわゆる会社員とは違って毎日決まった働き方ではないので、日によって仕事内容もまったく違いますね。
たとえば、演出に携わっているメンズアイドルグループ・Lumi7’sのライブに向けてリハーサルする日は、お昼ごろに集合して、まずメンバーの子たちと話し合いながら本番に向けたリハメニューを組みます。13時から19時くらいまでその日に取り組む楽曲のリハーサルをして、最後に録画したものをスタッフに共有して終了、という流れです。アイドルグループには未成年の子もいるので、遅くても20時にはリハーサルを終えるようにしています。
帰宅してからは、子どもが二人いてまだ小さいので、食事や寝かしつけなど、家族との時間を過ごします。その後、夜中にイラストの仕事を開始。イラスト作業は一度始めると完成するまで止まらないので、遅いときは朝5時ごろまでかかることもありますね。あまり朝早くから仕事をすることはないので、「4時までには寝たいな」くらいの気持ちで作業しています(笑)。
振付師の仕事を始めたきっかけ
もともと僕自身がアイドルとしてステージに立っており、自分の所属するグループの振り付けを担当することも多くなってきたなかで、28、9歳のときに「振付師の道もありかな」と考え始めました。当時の事務所の先輩である屋良朝幸くんがタレントと振付師を両立されている姿をみていて、憧れがあったんです。
そんなタイミングで、プロデューサーから「関西で活動している事務所の子たちを振り付けで支えてほしい」と声をかけていただきました。最初は「このままタレントと両立するか、振付師一本に絞るのか」という葛藤もあったのですが、悩みながらもアメリカへ2〜3ヶ月のダンス留学に行って。ちょうど帰国する頃に松竹座でライブがあり、そこで初めてステージには出演せず「振り付けだけで参加」というカタチをとったことをきっかけに、タレント活動から振付師としての道を歩み始めました。

ステージに立つことと、
ステージを作ること
ステージに立つことが大好きだったので、見る側になったばかりの頃は「自分だったらこうするのに…」と思うこともありました。でもその想いを「こういう魅せ方もできるんじゃない?」というタレント側への提案に繋げていくことで、次第に自分なりにステージを作る楽しさを感じるようになりました。
作る側の楽しさをどんどん実感していくなかで、とくに印象に残っているのは、担当したグループのアリーナ公演。自分が振り付けた楽曲を会場のお客さん全員が踊っているのを見たときに、「楽しい!」「気持ちいい!」と感じたんです。ステージに立つのとはまた違う、裏側から支える喜びを覚えました。
やりがいを感じるのは、
自分を知らない人にも
仕事が届いたとき
僕がデザインしたグッズを街中で見かけたときはとても嬉しいですね。お仕事で関わらせていただくタレントの方々が大人気なので、街中でファンの方を見かけることも多いんです。「林真鳥」のことを知らなくても、グッズを身につけてくれたり、振り付けを踊ってくれたりする方がたくさんいらっしゃって。そうやって、自分の仕事が誰かに届いていると実感できる瞬間にやりがいを感じます。
タレントだった頃は、自分の仕事に触れてくれる方は、自分自身を知ってくださっている方がほとんどでした。だからこそ、自分のことを知らない人にも仕事を通して何かを届けられるのは、いまの働き方ならではの喜びだと思います。
仕事をしていて
大変さを感じる瞬間は?
スケジュールがパンパンなときには大変さを感じます。ときには「あと一週間で3曲振り付けをしなきゃ!」ということもあって。どの仕事も同じかもしれませんが、イラストも振り付けも納期があるので、複数の仕事を抱えているときのスケジュールの調整は難しいですね。
一方で、スケジュール以外で大変さを感じることはあまりないかもしれません。そもそも好きなことを仕事にしていて、振り付けもイラストも楽しみながらやっているので、仕事そのものを大変だと感じることはあまりないですね。

振り付けを考える期間は
楽曲によってさまざま
企業の方から依頼をいただく場合は、通常3週間から1ヶ月ほど余裕があることが多いです。ただ、「ライブに向けて新曲を2〜3曲作らなければならない」といった場合は、振り付けを考える時間がかなりギリギリなことも多くて。 本番の日が決まっているということは、そこから逆算するとリハーサルができる日も限られている。それなのに、まだ楽曲が完成していない……!といったことも。直前になって歌詞やメロディが変更されたり、実際にタレントさんと合わせてみて違和感が見つかったりすることもあるので、その場で瞬発的に振り付けを考えなければならない場合もあります。 決して妥協している訳ではありませんが、時間をかけてじっくりと考える振り付けもあれば、1日で作ることもあるのが現実ですね。
振付師やイラストレーターに
向いているのは
「作ること」が好きな人
振り付けもイラストも、どちらも“作品作り”という点で共通しているので、何かを作ることが好きな方に向いていると思います。
また、昔は「振付師=厳しい人」というイメージがありましたが、最近は親しみやすい方が多いと感じます。SNSを見ていても振付師さんとタレントさんが一緒に踊っている動画をよく見かけますよね。“裏に隠れる仕事”という時代でもなくなってきたので、人前に出ることが好きな方にも向いているかもしれません。

「アイドルが好き」も大きな強み
振り付けに関しては、女性アイドル・男性アイドルに関わらず「アイドル」という仕事が好きなことが大きな強みになると思います。僕自身も、国や性別問わずさまざまなアイドルの活動を見ていますね。 ただ、たくさんのアイドルを見るからこそ、振り付けを作っていて「あれ、無意識のうちに誰かの振り付けを真似していないかな?」と不安になることも(笑)。振り付けはどこからが“パクリ”とされるかも曖昧ですし、動きで検索することもできないので確かめようがないんです。もしも自分の振り付けが“パクリ”とされてしまったら、踊ってくれているタレントさんにも申し訳ないので、そういった意味ではこれも振付師の仕事の難しさの一つかもしれませんね。

過去を振り返って思う、
学ぶことの大切さ
昔はステージに立つ側だったので、自分が立っているステージの演出がお客さまからどう見えているのか、あまり客観的に見ることができていなかったと思っていて。全体を俯瞰するとどんな景色になっていたのか、どんな照明が当たっていたのかを、客観的に考えてもっと勉強しておけばよかったと思っています。
逆に振付師になってからは、なるべくいろいろなライブに足を運んでは、メモをとりながら勉強しています。せっかくステージに立つ立場だったのだから、その頃からもう少し意識しておけばよかったですね。
林さんから
働くことに向き合う読者へ
学べるうちに、やりたいことを学んでおくといいと思います。学生の頃は時間がないように感じますが、大人になって振り返ってみると、若い頃のほうが時間はたくさんあるんですよね。「時間がない!」と焦ってしまう前に、自分で時間を作ることができたらいいと思います。また、僕自身好きなことを仕事にできてよかったと思っているので、将来楽しく働くためにも、まずは自分の好きなことを見つけてみてほしいですね。
そして現在、アシスタントも募集しております!僕一人の頭だけではなくもう一人誰かがアイデアを出してくれたら有難いですし、振り付けや演出を学ぶ場にもなると思いますので、興味のある方がいたら、ぜひお声がけください!

林さんのとある1日
13:00
リハーサル開始
19:00
リハーサル終了
20:00
帰宅
24:00
イラスト作業開始
28:00
作業終了、就寝
Staff Credit
編集:満斗りょう
インタビュー・記事:Suzu
ページ運用:Mo.et



