【池田匡志】映画『闇金ドッグスX』 アノふたりが、今度は闇金社会へ これまでにない『闇金ドッグス』の世界へようこそ

池田匡志

映画『闇金ドッグスX』
アノふたりが、今度は闇金社会へ
これまでにない
『闇金ドッグス』の世界へようこそ

人の夢は、人の〈欲〉。「こうなりたい」「これが欲しい」、その願いは、時として〝生きる力〟を与えてくれる。そうして、美しく彩られた〈欲〉は、夢へと昇華され、夢を叶えた人間は【成功者】としての地位を築く。地位の底で、夢へと昇華できなかった〈欲〉が、猛獣のエサになっていることなど知る由もなく――。努力も頑張りも〝やり方〟を間違えたら最後。彼らが、虎視眈々と近づいてくる。だからこそ、その目で〝闇〟を学び、見極めろ。大切な〈夢〉とともに、猛獣だらけのこの世界を生き抜くために。

映画『闇金ドッグスX』

死を恐れない、元傭兵。
史上最強の闇金が誕生!

元傭兵の真田一兵(佳久 創)、「ワンモアファイナンス」代表。異色の経歴を持つ彼は、今日も社員の恒彦(池田匡志)とともに債務者を追う。若手女優・望美(真洋)は返済に苦しんでいた。普段のアルバイトでは間に合わず、水商売を始めることになるのだが、それでも追いつかずに危険な仕事に手を染めてしまう。しかしその頑張りも虚しく、たった一つのズレから、全ての歯車が狂い、破滅への道を一直線に進んでいくのだった…。

—渡辺恒彦―

映画『闇金ドッグスX』

「ワンモアファイナンス」社員の闇金見習い。

『闇金ドッグスX』× 池田匡志

『闇金ドッグスX』は、これまでの『闇金ドッグス』シリーズよりもポップな描写が多く、いい意味でダーク度が軽くなっている気がします。もちろん、闇金ドッグスらしい怖いシーンもあるのですが、ところどころクスッと笑えるシーンが描かれているので、闇金業界の作品を観たことがない方でも、観やすいテイストになっているはず。ガラッと変わったキャストも含め、新しい空気感を楽しんでいただけたら嬉しいです。

池田匡志

バディ関係が魅力な『闇金ドッグス』。
今回はどんなバディを意識しましたか?

佳久創さん演じる真田一兵と、僕が演じる恒彦は、見た目もキャラクターもまったく違うふたりなので、常にその〈コントラスト〉を意識していました。一兵はドンと構えていて、無口、とにかく何を考えているのか分からない人。一方の恒彦は、一兵の周りを明るくウロチョロしている動きのある人物。そんな対照的なふたりが、“社長”と“社員”というバディ関係を組んだ時、一体どういった関係性になるのか。今作では一兵と恒彦の過去が描かれない分、「お芝居で見せていかないといけないな」と、考えていました。

一兵と恒彦について、西海謙一郎監督からは、
どういった演出を受けられましたか?

西海監督も、先ほど言った〈コントラスト〉をとても大切にされていて、「恒彦は明るいキャラクターでいてほしい」とのお話がありました。今までクールな登場人物が多かった『闇金ドッグス』シリーズのなかで、恒彦や真洋さん演じる望美のような、今までにないポップなキャラクターが登場するのも、今作ならではの魅力だと思います。個人的には、社員側がおもしろく描かれている印象です。

映画『闇金ドッグスX』

人間の〈欲〉がもつエネルギーと怖さを
赤裸々に描いている『闇金ドッグス』ですが、
恒彦の目を通して見た〈欲〉たちは、
池田さんにはどのように映りましたか?

僕は〈欲〉の在り方が、債権側と債務側で分かれていると感じました。債権側は「人の〈欲〉とは何なのか」を証明して、その〈欲〉を満たすために動いていく。一方、債務側は人間の底知れない〈欲〉の怖さを、身をもって体験していく。恒彦は債権側でありながら、元夢追人として、債務側の気持ちを理解できる人物でもあるので、恒彦の〈人間味〉というフィルター越しに作品を観ていただければ、きっと視聴者の方にも、人間が〈欲〉に堕ちてゆく臨場感を感じていただけると思います。

現場では債務側の方とのお芝居もあったと思います。
人間が〈欲〉に飲まれてゆく様を
目の当たりにするのは、
かなりエネルギーを使う
撮影だったのではないでしょうか?

そうですね。僕は真洋さんとのシーンが多かったので、真洋さん演じる望美が変わっていく様子を、最初から最後まで通して見ていたのですが、ほとんど順撮りだったこともあり、クライマックスに近づくにつれて、望美がどんどん可哀想になってきて…。最後のほうは、思わず撮影中に「大丈夫?」と、声をかけていました。望美に入りこまれている真洋さんのすごさはもちろん、〈欲〉に飲まれることの怖さをひしひしと感じる撮影現場でした。

順撮りだと、変化が顕著に見えてきますものね。
変化の大きい作品だからこそ、
同時に演じやすさもあったのではないでしょうか?

お芝居をするうえで、変化はとてもつけやすかったです。債務側が変わっていく裏で、恒彦自身にも多少なり変化が起きているので、物語の進行、撮影と並行して、彼の消し切れない〈情〉の部分を、リアルに演じられたように思います。恒彦はしっかりと感情が動くタイプの役だったので、監督と「ここはこういったテイストでいこうか」「ここは強くいこうか」と、現場で緻密に話し合いを重ねながら、撮影に臨みました。

池田匡志

池田匡志

そんな恒彦が働く「ワンモアファイナンス」の
トップを演じる佳久創さんとは、
『王様戦隊キングオージャー』以来、
2度目の共演ですね。

そうなんですよ!『闇金ドッグスX』が決まってから、『王様戦隊キングオージャー』の現場でも、ずっとその話をしていて。またご一緒できることがとても嬉しかったですし、「良い作品にしよう」と、ふたりで話し合うこともできて、良い準備期間を過ごすことができました。

いざ、現場で佳久さんのお芝居を
ご覧になっていかがでしたか?

一兵としてのポテンシャルが高すぎて、めちゃくちゃ怖かったです。まず立っているだけでも怖いのに、あの目つきや声のトーンが加わると、もう…(笑)!恒彦と同じくらい、僕自身も一兵を怖がっていました(笑)。あそこまで一兵の迫力を出すことのできる佳久さんは、本当にすごいと思います。約一年間、共にヒーローとして地球を救っていたのに、次は闇社会に…(笑)。こんな風にいろいろな世界で生きられるのは、役者ならではのこと。思いっきり自由に、楽しんで恒彦を演じさせていただきました。

池田匡志

池田匡志

確かに(笑)。
ヒーローとは正反対の世界のお話ですね。
念願だった闇社会モノの作品はいかがでしたか?

ずっと演じてみたかった世界のお話だったので、作品に参加できてすごく嬉しかったです。撮影中、カットがかかって、たまにふっと素に戻ると、その瞬間「あ、今、お金を取り立てているのか!悪いことをしているのか…!」と、実感がわいてきて(笑)。『闇金ドッグスX 』の撮影期間中に『王様戦隊キングオージャー』のイベントに出ていることもあったので、「あれ?僕、昨日、ヒーローに変身してたよな?」と、不思議な感覚に陥ったりしていました(笑)。今回演じた恒彦は、まだ闇社会に染まりきっていないキャラクターでしたが、今度は染まりきったキャラクターも演じてみたいな、と思います。

100%ダークな池田さんのお芝居、気になります。
池田さんが思う、
お芝居の楽しさと難しさを教えてください。

表現が無限にあるなかで、どこを自由に表現して、自分が演じる役をどう生きていくのか、そのピースがピタッとハマって、役を生ききれた瞬間は本当に楽しいですし、感慨深い気持ちになります。ただ、楽しさと難しさは表裏一体で、役を生ききるために、その役について考えている時間、表現をし続けている時間は難しいことの連続です。「ひとりの人間を生きる」というのは本当に大変で、生半可な気持ちではできないこと。だからこそ、楽しさも大きいのだと感じています。

池田匡志

Dear LANDOER読者
映画『闇金ドッグスX』
From 池田匡志

まず『闇金ドッグス』シリーズのファンの皆さんには、これまでとは少しテイストの違う『闇金ドッグス』をお届けできると思います。ガラッと変わった新しいキャストが演じる、一兵と恒彦のバディ感を楽しんでいただけたら嬉しいです。そして、僕の初闇金業者役を待ってくださっている皆さん。闇金や、闇社会系の作品を観たことがない方でも、おもしろく観ていただけるシーンがたくさんあるので、怖がらずに気軽に観ていただきたいな、というのが僕の想いです。さらに、僕が演じる恒彦はまったく怖くない人物なので、闇社会で起こる物語を追いつつ、恒彦の成長や変化にも注目していただけたら、と思います。作品に描かれている、闇金の実態や、夢や欲望が生み出す〈怖さ〉を味わいながら、『闇金ドッグス』の世界観を楽しんでください。

池田匡志

池田匡志

いけだ まさし

12月13日生まれ。
熱を宿した〈志〉で「役」の生き様を照らし、
“表現”を通して何倍にも魅力を膨らませてゆくDOER

映画『闇金ドッグスX』

映画『闇金ドッグスX』
2024年8月10日(土)映画・チャンネルNECOにて放送

出演:佳久 創
   池田匡志 真洋
   永野宗典 カトウシンスケ 佐藤五郎/
   石田 隼 松永有紗
   伊藤幸司(ランジャタイ)/大島蓉子
監督:西海謙一郎 脚本:池谷雅生

Staff Credit
カメラマン:小川遼
ヘアメイク: 菅井彩佳(NICOLASHKA)
スタイリスト:MASAYA(PLY)
インタビュー・記事:満斗りょう
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