〈過ち〉を抱えている貴方へ

映画『シャイロックの子供たち』

〈過ち〉を抱えている貴方へ


映画『シャイロックの子供たち』
©2023「シャイロックの子供たち」製作委員会

-Introduction-

池井戸潤×阿部サダヲ
異才のタッグで贈る 世紀の大暴露エンターテインメント!!

累計発行部数60万部を突破した池井戸潤による小説『シャイロックの子供たち』(文春文庫)。 池井戸が「ぼくの小説の書き方を決定づけた記念碑的な一冊」と明言し、原点にして最高峰とも言える原作が、満を持して初映画化。WOWOWでのドラマ化も話題になっているが、映画は小説ともドラマとも展開が異なり、独自のキャラクターが登場する完全オリジナルストーリー。池井戸潤が太鼓判を押した脚本である、この映画版「シャイロックの子供たち」に、2018年に大ヒットを記録した「空飛ぶタイヤ」の本木克英監督はじめメインスタッフが再集結!キャスト陣には、主演の阿部サダヲをはじめ、上戸彩、玉森裕太、柳葉敏郎、杉本哲太、佐藤隆太、柄本明、橋爪功、佐々木蔵之介と日本を代表する超豪華キャストが勢ぞろいした。

-Story-

舞台は大銀行!
裏の顔も、裏の金も全部暴け―!

東京第一銀行の小さな支店で起きた、現金紛失事件。お客様係の西木(阿部サダヲ)は、同じ支店の愛理(上戸彩)と田端(玉森裕太)とともに、事件の真相を探る。一見平和そうに見える支店だが、そこには曲者揃いの銀行員が勢ぞろい。出世コースから外れた支店長・九条(柳葉敏郎)、超パワハラ上司の滝野(佐藤隆太)、調査に訪れる嫌われ者の本部検査部・黒田(佐々木蔵之介)。そして一つの真相にたどり着く西木。それはメガバンクにはびこる、とてつもない不祥事の始まりに過ぎなかった——。

伊藤さとり’s voice
伊藤さとり’s voice
映画『シャイロックの子供たち』

スクリーンを隅々まで観ると美術などのこだわりを見つけてほくそ笑むことがある。 池井戸潤による原作の映画『シャイロックの子供たち』にはそんな場面にいくつか遭遇する。その中のひとつ、飾られた皿に書かれた「人生に消しゴムはない」という言葉。これこそこの映画のテーマであり、であれば過ちを犯した人はどうすればいいのかを捻りをきかせながらストレートに描いていた。

冒頭、タイトルの意味となる高利貸しシャイロックが登場する「ヴェニスの商人」の舞台が映し出される。主人公である商人アントーニオーは友人の為に自分の胸肉1ポンドを担保にして高利貸しシャイロックからお金を借りてしまうのだが、借金を返せなくなりアントーニオーの運命は裁判によって決定されるというお話を見つめるある夫婦。やがて映画の主人公である西木(阿部サダヲ)が務める小さな支店銀行へとシーンは変わり、あろうことか支店内で現金紛失事件が起こってしまう。消えた現金はどこに?果たして犯人は誰なのか?部下の北川(上戸彩)と田端(玉森裕太)と共に事件の真相を探ることにした西木。やがて彼らはメガバンクを揺るがすとんでもない不祥事を目にしてしまう…。

主要登場人物の誰もがクリーンというわけではない。そこがまた興味深く、悩ましい。けれどその中には本当は良い人もいれば、根っからの悪人もいる。誰かの為に罪を犯したとしたなら、それはもちろん良くない事だけど、死ぬまで責められる事なのか?もし後悔しているのならどうやって償えばいいのか?原作には登場しないキャラクターが出てくるのも映画版の面白さであり、クセのある俳優陣がずらりと顔を並べて“その人物の今までの人生”を体現するかのような演技合戦を見られるのも豪華な作品。なにより阿部サダヲが「遠山の金さん」さながら“基本は性善説、やられたら倍返し”と人のために一肌脱ぐ姿の格好良さときたら。そう、「人生は上塗りできる」のだ。

映画『シャイロックの子供たち』
2023年2月17日(金)全国公開

原作:池井戸潤『シャイロックの子供たち』(文春文庫)
出演:阿部サダヲ
   上戸彩 玉森裕太 柳葉敏郎
   杉本哲太 佐藤隆太 柄本明
   橋爪功 佐々木蔵之介 ほか
監督:本木克英  脚本:ツバキミチオ
主題歌:エレファントカシマシ「yes. I. do」(ユニバーサルシグマ)

映画『シャイロックの子供たち』
©2023「シャイロックの子供たち」製作委員会