刺激とユーモアあふれる〈言葉〉に心を奪われたい貴方へ

映画『K.G.F:CHAPTER 1』『K.G.F:CHAPTER 2』

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心を奪われたい貴方へ

映画『K.G.F:CHAPTER 1』『K.G.F:CHAPTER 2』
映画『K.G.F:CHAPTER 1』『K.G.F:CHAPTER 2』

-Introduction-

ヒンディー語の「ボリウッド」、テルグ語の「トリウッド」、タミル語の「コリウッド」などと称されるほど映画産業が盛んな国インド。そんなインド映画界から新たな傑作が上陸する!「サンダルウッド」と呼ばれるカンナダ語の映画だ。インド全域で大ヒットする作品がなかったが、2018年に『K.G.F:CHAPTER 1』が公開されると全国的に人気爆発!発禁処分となったある書物を巡る思わせぶりなイントロから始まる、「K.G.F」こと「コーラーラ金鉱地区」と主人公ロッキーの物語だ。サンダルウッドのスーパースター・ヤシュ扮する長髪で髭面のロッキーが、マフィアたちを凄まじい破壊力でせん滅し、観客を興奮の渦に巻き込んだ!更に2022年に公開された続編『K.G.F:CHAPTER 2』は、あの『RRR』を抜きインド国内で興収No.1、世界興収でも上回る快挙を成し遂げた。世界中で一大ムーブメントを引き起こした超話題作『K.G.F:CHAPTER 1 & CHAPTER 2』が日本で2作品一挙公開決定!!

-Story-

CHAPTER 1

1951年、スーリヤワルダンはコーラーラ近郊で金鉱(KGF)を発見。全てを一族で管理して巨万の富を築くいっぽうで、労働者は外部から遮断され奴隷のように働かされていた。同じ年にスラム街でひとりの少年が生まれる。少年は唯一の身内であった母を10歳のときに亡くし、生き残るためにマフィアの下で働き始める。ロッキーと名乗った少年は、マフィアの世界でのし上がっていく。やがて最強のマフィアとなったロッキーは、ボスからKGFの支配者であるスーリヤワルダンの息子を暗殺するよう指令を受けるのだが…。

CHAPTER 2

KGFを支配下に置いたロッキーは、新たな金鉱を発見し事業を拡大していく。しかし一方で、死んだと思われていたスーリヤワルダンの弟アディーラが現れ、KGF奪還を目指し勢力を束ねていた。そしてロッキーの唯一の弱点である恋人リナをさらい人質とする。リナ救出に向かったロッキーは、アディーラに撃たれ瀕死の重傷を負う。そしてアディーラは金輸出を妨害してKGFを孤立させ、ロッキーの同盟者をせん滅していく。最大の敵に窮地に追い込まれたロッキー…果たして彼はKGFを守り、生き残ることができるのか!?

伊藤さとり’s voice
伊藤さとり’s voice
「言葉で忘れられない存在になる」

近年の日本におけるインド映画ブームは『バーフバリ』(2015年&2017年)、『RRR』(2022年)で加速し、米アカデミー賞に『RRR』がノミネートされたことが証明するように、世界中にインド映画ブームが広がっている。まさに両作品の監督を務めるS・S・ラージャマウリのエンターテイメント映画を学び尽くした結果と言えるだろう。事実、本人はディズニーからマーベルまで見尽くしていて、『ベン・ハー』(1959年)、『インディ・ジョーンズ』(1981年〜)シリーズも好きだと語っていた。

そんなラージャマウリが太鼓判を押す俳優の一人が『RRR』のラーマこと、ラーム・チャランであり、ラージャマウリの前作『マガディーラ 勇者転生』(2009年)では若かりし頃の彼を拝むことも出来てしまう。日本でも長いまつ毛の流し目で多くの人のハートを射抜いたラーム・チャランが「最高の演技が出来た」とインタビューで答えた『ランガスタラム』(2018年)が7月14日から公開、『マガディーラ』や『RRR』とは違う、ちょっと滑稽な、でも一度火が着いたら止まらない主人公を演じている。

しかもラージャマウリ監督がもう一人太鼓判を押す、インド人監督プラシャーント・ニールの作品も同日公開だ。本作『K.G.F』は、『RRR』を超えて2022年インドで興行収入No.1に輝いた作品。しかも前後編としてCHAPTER1、2とあるのだが、冒頭にはSPECIAL THANKSとしてラージャマウリ監督の名前があるのは、ラージャマウリ監督が本作を応援してインドで全国公開になったからだそう。

現にこの映画、壮大なるエンターテイメント大作で、キャラが際立つギャング映画でもあり、映画好きならその画からフランク・ミラーのグラフィックノベルを映画化した『300 〈スリーハンドレッド〉 』(2007年)を思い出すかもしれない。ちなみに「K.G.F」とは「コーラーラ金鉱地区(Koral Gold Fields)のこと。数々の賞に輝くカンナダ映画界(カンナダ語の映画)のトップスターのヤシュ演じる主人公ロッキーは、スラム地区で生まれマフィアの世界で頭角を表し、ある時、奴隷を使って金儲けをするこの金鉱の支配者暗殺をボスから支持されるのだ。

本作の魅力の一つは、全シーンがクライマックスであり、インド映画特有の打楽器を多用するサウンドとスローモーションによるスター登場で、これでもかというほど主人公ロッキーをカリスマに見せていく点。もちろん歌もあるが、ダンスよりも派手な肉弾戦とガンアクション、カーアクション、バイクアクション、奴隷のような扱いを受ける多くの労働者達の姿とCGを駆使した巨大な金鉱に目が行ってしまう。しかも今までのインド映画以上にキメ台詞の連打なのも本作の特徴。ロッキーが口にする言葉がいちいち詩のようで、忘れられないほど記憶に残る。例えばロッキーが一目惚れし、用心棒を叩きのめしながら強気で迫っていきリナに向かって「頭の切れるやつらは何人も見てきた。だが心臓を奪う女は初めてだ」というのも前代未聞の告白だし、ここからの恋の行方まで描かれるのも飽きない証拠。確かにインドのエンタメ映画の多くは、セリフが独特で魅力的だ。これぞ大スクリーンで見るべきえらくカッコイイ映画だった。

『K.G.F:CHAPTER 1』 『K.G.F:CHAPTER 2』
2023年7月14日(金)新宿バルト9ほか、緊急公開中!
出演:ヤシュ シュリーニディ・シェッティ
   サンジャイ・ダット ラヴィーナー・タンダン
監督・脚本:プラシャーント・ニール

映画『K.G.F:CHAPTER 1』『K.G.F:CHAPTER 2』