【小野塚勇人】ミュージカル『シデレウス』〈探求心〉が広がるシデレウスの下あなたの〈童心〉が、きっと無邪気に目を覚ます

小野塚勇人

ミュージカル『シデレウス』
〈探求心〉が広がるシデレウスの下
あなたの〈童心〉が、きっと無邪気に目を覚ます

子供の頃、目に映るもの一つひとつに「なんで?」「どうして?」を抱いていた。その答えが世界の“常識”であったとしても、納得のいかないことを「そうなんだ」と鵜呑みにするほど、聞き分けが良くなかったように思う。暗闇に包まれた夜の中、聞き分けが良すぎる大人の世界に純粋な好奇心を一投したケプラー青年。“常識”が充満する現在(いま)に一石が広げる波紋、その揺さぶりが私たちに到達した時、まばゆいシデレウスの降る夜がやって来る――

ミュージカル『シデレウス』

ミュージカル『シデレウス』

-Introduction-

韓国で生まれた大ヒットミュージカルが早くも日本人キャストにより幕を開けます。およそ2年間の準備期間を経て、2019年4⽉に韓国で初演を迎えた本作は、開幕後「舞台、照明、映像の恍惚な三位⼀体」 「実際に宇宙の中にいるような感覚」「皆が嘘を盲信する中、真実が⾔える⼈になれる勇気を与える作品」など、評論家や観客から好評を博しました。その後、2020年8⽉に再演。同年10⽉に2カ⽉の延⻑公演を⾏い、本年、2022年7⽉26⽇~10⽉16⽇に再び韓国で上演されることが決まりました。また、⽇本公演と同時期の6⽉には中国⼈キャストによる上海公演も決定しておりアジア全域で話題のミュージカルです。

-STORY-

修道⼥マリアは、⽗親のガリレオから⾃分の部屋に隠してある⼿紙を燃やしてほしいという、⼀通の⼿紙を受け取る。その⼿紙の差出⼈は全てケプラーという聞き慣れない名前であった。太陽が地球の周りを周回すると信じられていた1598年、数学者でイタリアの⼤学教授でもあるガリレオは、ドイツの数学者ケプラーから「宇宙の神秘」という⼀冊の本とともに宇宙への研究を提案される。ガリレオは⼀度は断ったものの、粘り強いケプラーの説得により、彼の仮説が間違っていることを証明するための研究を⾏う。そうした中、⾔及することさえもタブー視されていた「地動説」の論拠を⽰せば、とんでもないこの仮説が正しいかも知れない・・・という結論を下すことになる。

-ケプラー-

若きドイツの数学者

小野塚勇人

ケプラー × 小野塚勇人

ケプラーは歴史上実在した人物であり、いわゆる天才と呼ばれていた人。常識的なものを壊して、新たな常識を作り出していくことにすべてを懸けた青年です。天才であることに間違いないのですが、だからと言って彼は変わり者ではないんですよね。どちらかというと無邪気で好奇心旺盛な少年と言いますか。子供の頃に抱いては周りに聞いていた「なんで?なんで?」が大人になっても純粋に続いている人なんです。

大人になると「なんで?」を
封印することもありますもんね。

そうなんですよね。「なんで?」と思っても、ほとんど「ま、いっか」で終わらせてしまいがちじゃないですか。でもケプラーは「なんでみんな疑問を感じないんだろう?」と、自分が少しでも気になったことは知り尽くすまで止まることができないんです。作中でも一貫して自身の中の純粋な気持ちを行動に変えていくエネルギーがある人なので、そういった部分をキッカケとしてケプラーを作り上げていければ、自然と『シデレウス』の世界観に入っていくことができるのかな、と思ってます。

小野塚勇人
小野塚勇人

2度目のミュージカルですが、
いちど経験を経てのミュージカルへの意気込みを
教えてください。

一度経験したとは言え、やっぱり未知の世界ですね。前回の作品とはアプローチの仕方が変わってくるので、いま一度初心の気持ちで臨みたいと思います。ただ、一度本番を経験してみて会場の雰囲気は体感していますし、演出家の方も前回のミュージカルと同じ方なので、「こんな風に稽古を進めていくんだろうな」と想像できる部分が大きいのは安心ですね。

前回の『INTERVIEW』は緻密な会話劇でしたが
今回はどういった方法で
物語が紡がれていきそうですか?

今回は前回の会話劇と違って、ケプラーとガリレオの手紙のやりとりが多いんですよ。同じ舞台上に立ちながら、やりとり自体は別の空間で行っている設定の場面もあるので、『INTERVIEW』のようにずっと会話をしながら進んでいく形にはならないんじゃないかと思います。手紙のやりとりによってガリレオの星の研究が進んでいく…といった物語の中で、直接会話をする場面と手紙のやりとりをする場面の違いをどう見せていくのか、を意識しないといけないと思っていて。ただ単に同じ場所にいて違う空間でやりとりをしているだけでは面白くないと思うので、舞台装置や曲の雰囲気、世界観をしっかりと見せて、会話劇は会話劇でも一風違ったものにできればいいな、と思います。

小野塚勇人

そこに“歌”も入ってくるのが、さらに楽しみです!
歌の準備は進んでいますか?

いまはまだ全曲の日本語訳ができていない段階なので全体像は見えていないのですが、『INTERVIEW』の時と違って、聴いていて楽しくなるようなポップス的要素が強い気がしています。韓国版の音源を聴かせていただいた時に、聴きなじみのあるファンタジーな雰囲気の楽曲が多く、世界観が素敵だと感じたのを覚えています。『INTERVIEW』の物語は「押し込まれた閉鎖的な空間で生まれてしまった悲劇」といった世界観でしたが、今回は宇宙という壮大なテーマを軸にしている作品なので希望的なお話で楽しく観劇いただけるんじゃないかと思います。

Dear LANDOER読者
aboutミュージカル『シデレウス』

『シデレウス』は割と難しい話になるのかな、と思いつつも「常識を壊して、打ち込んでいく力を」といったメッセージが込められているので、実際に“常識”が変わってきている現代に合う作品だと思います。この作品がこれから何かにチャレンジしようとしている方たちの背中を少しでも押すことができるような作品になれたらいいな、と。僕の演じるケプラーもそういったチャレンジをしていく青年なので、僕自身もポジティブがゆえの行動と表現をしていきたいです。星たちとの演出も楽しみにしていてください。

小野塚勇人

小野塚勇人(28)

おのづか はやと

1993年6月29日生まれ。
自身の中に幾つもの〈柱〉を築き、
色その一つひとつを線密に研磨しながら勇み歩むDOER

ミュージカル『シデレウス』

ミュージカル『シデレウス』
2022年6月17日(金)~6月30日(木)16回公演予定

【会場】東京・自由劇場(東京都港区海岸1-10-53)
【出演】※3人芝居/クワトロキャスト編成
ガリレオ・ガリレイ:
石井一彰/鮎川太陽/井澤勇貴/財木琢磨
ケプラー:
小野塚勇人(劇団EXILE)/神永圭佑/吉田広大/少年T
マリア:
石川由依/七木奏音/礒部花凜/富田麻帆

詳細は公式HPをチェック

オリオン:石井一彰/小野塚勇人(劇団EXILE)/石川由依

ペガスス:鮎川太陽/神永圭佑/七木奏音

ペルセウス:井澤勇貴/吉田広大/礒部花凜

カシオペア:財木琢磨/少年T/富田麻帆

Staff Credit
カメラマン:田中丸善治
ヘアメイク:KOHEY 
スタイリスト:大川好一
インタビュー・記事:満斗りょう
ページデザイン:吉田彩華