【大倉空人】舞台『日本昔ばなし』「昔ばなし」との再会が教えてくれる〈成長〉と〈経験〉の経歴

大倉空人

舞台『日本昔ばなし』
「昔ばなし」との再会が教えてくれる
〈成長〉と〈経験〉の経歴

各地に昔から伝わる“昔ばなし”。それは、誰がどんな目的で残した話なのか、どんな形で継承されてきたのか、未知な部分がたくさん秘められている〈宝箱〉。物語の登場人物たちは、時に厳しく、時に軽快に、そしてユニークに、私たちに人生のイロハを教えてくれる。子供の頃に出会ったあの世界に、いま一度足を踏み入れたのなら、どんな景色が私たちを待っているのだろう。昔ばなしに触れたことのある貴方も、まったく知らない貴方も、〈宝箱〉の輝きに目を光らせて――どうかこの物語が未来へ繋がりますように。

舞台『日本昔ばなし』

舞台『日本昔ばなし』

-introduction-

1975年にテレビ放送され50年近くにわたり日本中の国民に愛され続けてきた「まんが日本昔ばなし」。今なお、子供から大人まで、幅広い年代にわたり愛され続けています。これらの作品のほとんどは、昔から日本に伝わる素敵なお話ばかりで、未来に伝承していかなくてはならないものばかりです。今回、これらの代表的な物語である「貧乏神と福の神」、「つるの恩返し」のエッセンスを題材とした物語を初めて舞台化することで、現代のコロナ禍に生き抜く人たちにエールと、未来に生きる子供たちへのメッセージとして、より身近に、より深く物語に寄り添っていただける作品を作り上げて参ります。

-Story-

むかし、むかし、ある村での出来事。夫を亡くし碧空村に住む“はる”が、息子を背負って町から帰る道すがら、夫婦鶴が幸せそうに愛の告白をするところに出くわします。その時、大きな銃声が響き、夫婦鶴に命中。鶴は、崖から落ちていきました。鶴の行方が気がかりになった“はる”は、崖を降り、鶴を探します。しかし、そこにいたのは、瀕死の状態となった鶴の精霊である“千羽鶴”とその赤子。“千羽鶴””は“はる”に、赤子を託すことを懇願し、崖から飛び立ち、命を落としてしまいます。そこへ、狩りをしていた、村の長“甚左衛門”らがやってきて、赤子の親を間違って撃って殺めてしまったと勘違い。赤子を引き取り、育てることになるのだが…。

-新之介-

町の豪商。白木屋。

大倉空人

『まんが日本昔ばなし』× 大倉空人

小さい頃『まんが日本昔ばなし』のビデオセットが祖父母の家にあったので、よく観ていたんです。「つるの恩返し」や「桃太郎」など、日本の代表的な昔ばなしは『まんが日本昔ばなし』で知りました。そして何より『日本昔ばなし』といえば懐かしのオープニング。ちっちゃい子供が竜に乗っているオープニングから番組がスタートするのも、僕の子供時代の記憶の一部になっています。そんな、世代を超えて愛されている作品の舞台化のお話が来た時は「舞台でやるんだ!」と驚きましたし、「自分は何を演じるんだろう」とワクワクしました。今も楽しみで仕方がないです。

大倉さんにとって
思い出の『日本昔ばなし』なんですね。

そうですね。僕にとっては、気づけば流れている当たり前のようにあった番組なんです。当時は内容をきちんと理解して観ていたわけではないけれど、ボーっと観ては心温まっていた気がします。その後、小学生か中学生の時に図書室で図鑑になっている『日本昔ばなし』を見つけて、そこからまた観たくなり「つるの恩返し」を観返しました。たくさんの物語の中でも一番記憶に残っているのが「つるの恩返し」と「桃太郎」だったので、舞台の物語がリンクしていて嬉しかったです。

大倉空人

小さい頃に観る昔ばなしと、
年齢を重ねて観る昔ばなしだと

違うものが見えて来そうです。

よく、昔ばなしに“いじわるなおじいさん”が出てくるじゃないですか。昔はそのおじいさんのことを何とも思っていなかったですし、そこにある意図も分かっていなかったのですが、大人になって観てみると「こういう意図があったのか」とか「こういう心情だったんだ」など、感じ方が変わってきている気がして。小さい頃と大人になった今とで、違うことを読み取ることができるのも『日本昔ばなし』の良さだな、と思います。

大人になるにつれて、
不思議と“いじわるなおじいさん”の気持ちが
「分かるかも」と思うんですよね(笑)。

そうなんですよ!ただいじわるをしているわけじゃなくて、「あ、嫉妬でこれをしているんだろうな」「僕もしちゃうかも」とか、不思議と分かってくるんですよね(笑)。その一方で、優しいおじいさんの真っ直ぐさに驚いたりもして(笑)。本当に幅広い世代の方が、それぞれの目線で観ることのできる作品だと思います。

子供たちはもちろん、大人になった私たちも
改めて昔ばなしに触れることができる
舞台だと感じます。

今回『日本昔ばなし』を題材とした作品を自分が演じることに、すごく意味を感じていて。役者の仕事やグループの仕事をしてきて、いろいろな世代の方に応援していただいているからこそ、僕を通して改めて皆さんに『日本昔ばなし』に触れるキッカケができればいいな、と思うんです。『まんが日本昔ばなし』を知っている方は「また観てみよう」と思っていただけると思いますし、知らない方はこの機会に知っていただけたら嬉しいな、と思います。映像と舞台、違うジャンルでの表現だからこその違いも楽しんでいただきたいです。

幅広い世代に届く舞台に立つ
意気込みを教えてください。

小出恵介さんをはじめとする、豪華なキャストの方々の中でお芝居をさせていただくことができる今作。しっかりと勉強して、より良い作品にしていきたいと思います。まだ舞台の経験が多いとは言えない僕が、実力のある役者の皆さんと稽古からご一緒できるというのは、今後の役者人生の良い刺激になると思うので、精一杯頑張ります!

大倉空人

Dear LANDOER読者
From 大倉空人
舞台『日本昔ばなし』

作品をお子様と観に来てくださる皆さんへ

個人的に、現代にはいろいろなコンテンツが溢れていることもあり、子供たちが日本の昔ばなしに触れる機会が少ない気がしていて。僕の子供時代、祖父母の家に当たり前のようにあったお話たちが触れられなくなってしまうことに寂しさを感じています。当時、いろいろなアニメや番組があった中で、僕が最初に観て心が温まったものって、やっぱり『日本昔ばなし』なんです。大人になった今でも、昔ばなしのあらすじを話すことができるのは『日本昔ばなし』のおかげだと思いますし。昔ばなしに描かれた想いを舞台でお届けできるよう一生懸命演じるので、是非、キャラクターたちの心情に触れて温かい気持ちになっていただきたいと思います。

大人になった今、観にきてくださる皆さんへ

『まんが日本昔ばなし』を知らない方たちでも、何かひとつは絶対に知っているお話があると思います。「この話ってこんなことが起きたっけ?」と思い出しながら、優しい温かさに触れてください。

大倉空人

大倉空人(20)

おおくら たかと

2002年4月12日生まれ。
そこにある〈幸せ〉を一つひとつ織出し、
大きな〈優しさ〉で人も空気も愛情深く包み込むDOER

舞台『日本昔ばなし』

舞台『日本昔ばなし』
2022年11月17日(木)~27日(日)
東京芸術劇場シアターウエスト(小ホール2)

出演:小出恵介 中村ゆりか
   丹羽貞仁 黒田こらん 大倉空人 中西良太 
   原 日出子 安寿ミラ 星田英利※ 片岡鶴太郎※ 生島ヒロシ※ ほか
※=日替わりでの出演
監修・原作協力:「まんが日本昔ばなし」(愛企画センター)
脚本・演出:モトイキシゲキ

Staff Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:増澤拓也(スタジオまむ)
スタイリスト:清水拓郎
インタビュー・記事:満斗りょう
ページデザイン:吉田彩華