【栁俊太郎】ドラマ『ギヴン』初めて尽くしの青春物語は繊細な感情がギュッと詰まった〈宝箱〉

栁俊太郎

ドラマ『ギヴン』
初めて尽くしの青春物語は
繊細な感情がギュッと詰まった〈宝箱〉

ひとりで紡ぐ音には独りぼっちの魅力があるように、仲間と紡ぐ音にはいい意味で乱雑な魅力がある。それは、そこに集いし各々が歩んできた人生が濃く、深く絡み合っているからだと耳が感じる。生まれた年も、育った環境も、追ってきた背中も違う4人の〈音〉が強く惹き合った日。彼らの〈音〉は、その複雑な〈響き〉は、私たちの心をどうかき鳴らしてゆくのか。幾つもの才能と愛が響き渡るステージの一章を見逃すな。

ドラマ『ギヴン』

-あらすじ-

プロ顔負けのギターの腕前を持つ高校生の上ノ山立夏(鈴木仁)は、大学生の梶秋彦(井之脇海)と大学院生の中山春樹(栁俊太郎)の3人でインストバンドを組んでいる。以前はあんなに音楽にのめりこんでいたのに、何もかもがくすんで見え始めていたある日、立夏が校内で誰にも邪魔されないいつもの場所へ向かうと、壊れたギターを抱えた佐藤真冬(さなり)に出会う。仕方なく弦を直してやると、真冬からギターの弾き方を教えてほしいと頼まれる。はじめは渋っていた立夏だが、真冬の透き通るような歌声を聞いて衝撃を受け、バンドに入らないか?と誘うが、真冬から断られてしまう。いつしか立夏は、真冬の存在が気になり始め・・・

-中山春樹-

大学院生。ベース担当・バンドメンバーの中では最年長。面倒見が良い兄的な存在。すこぶるお人好し。秋彦に恋愛感情を抱いている。

栁俊太郎

中山春樹 × 栁俊太郎

春樹はバンドのリーダーでありベース担当、そしてメンバー最年長のお茶目な人です。みんなに気を遣おうとしているものの不器用な性格のせいか、なかなかうまくいかないタイプ(笑)。ドラマーの秋彦のことが好きで、彼を前にすると乙女な部分が出てくる可愛らしい一面も持っています。

栁さんはドラマ『トーキョー製麺所』などでも
お茶目な一面を持った役を
こなされているイメージがあります。

そうですね。『ギヴン』、『トーキョー製麺所』と続いてそういった役でした。シビアな役とお茶目な役、特に「こっちの方がやりやすい」ということはないんですけど、『トーキョー製麺所』は僕にとって初のコメディー作品だったこともあり難しかったのを覚えています。一方で『ギヴン』は原作のある作品だったので、原作のキャラと照らし合わせながら演じなければならないという難しさがありました。

原作がある作品の方が役を作るのが難しい?

やっぱり原作を意識してしまう部分はありますね。本当は意識しなくてもいいのかもしれないんですけど、どうしても画が浮かんでしまうので、『栁俊太郎』と原作キャラとのバランスをとるのが難しいです。原作に寄り添いすぎてモノマネにはならないように意識しています。

栁俊太郎

栁俊太郎

『弱虫ペダル』など多くの作品でご一緒されている
三木(三木康一郎)監督との今作。
作風の幅広さに圧倒される三木監督ですが、
一緒の現場はいかがですか?

三木さんはいろんな作品でご一緒する中で、僕の芝居の癖を見抜いてくださっているのか、僕にはあまり「こうして欲しい」と言わないんです。役者が泣いてしまうくらいに意見する時もある監督なんですけど、どちらかというと僕は自由にやらせていただいている気がします。それはやっぱり、三木さんが僕のことを分かってくださっていることが大きいと思いますね。僕自身も「こういうのが求められているんだろうな」という三木さんのイメージを感じて演じるようにしていますし、三木さんとの現場は僕にとって安心してお芝居できる場所です。

『ギヴン』といえば“ライブシーン”も
見どころの一つ。

ステージ上での撮影はいかがでしたか?

僕、バンドもベースも初めての経験だったんです。もちろんライブも初めてで。いままでアーティストの方々がステージに立っている気持ちが分からなかったんですけど、いざバンドメンバーのみんなで円陣を組んで、幕が開くと同時にたくさんのお客さんを前にする、といった状況を実際に味わってみたらめちゃくちゃテンションが上がって(笑)。「あ、バンドでステージに立つってこんなに気持ちいいんだ!」と思いました。演奏中に感じた高揚感もすごく楽しかったです。

栁俊太郎

栁俊太郎

ステージに立った方々が
「ステージからは逃げられない」とおっしゃる意味を
体感されたんですね。

その意味が分かりましたね。アドレナリンが出まくって(笑)。もちろん演奏があるので緊張もしていたんですけど、お客さんを目の前にした瞬間から緊張よりも楽しい気持ちのほうが上がっていきました。あとライブシーンの話でいうと、僕、そのライブシーンまで真冬役のさなりの歌声を聴いたことがなかったんです。他の撮影の時に「ふふ~ん♪」と鼻歌を歌っているのは聞いたことがあったんですけど、本当にそのレベルの歌声しか耳にしていなくて。ライブシーンで初めてさなりの歌を聴いてめちゃくちゃ上手くて驚いたのを覚えています。監督が「素人のバンドにしては上手すぎるから、もっと素人レベルまで落として」と言うくらい。さなり自身は普通に歌っているのに、それを下手にしないといけないという部分で苦労していたと思いますね。

作中のバンド内で最年長役の栁さんですが、
実生活でも30歳になられて、
後輩たちも増えてきたり?

そうですね。ただ、30歳ってもっと大人だと思っていたんですけど、恥ずかしながら本当になにも変わっていなくて(笑)。僕、20代前半の役者の子たちからめちゃくちゃいじられるんです(笑)。撮影現場でいろいろな感情を出す分、普段はフラットでいるように意識しているので“大人の先輩”というよりは親戚の兄ちゃんみたいに感じるんだと思います(笑)。

栁俊太郎

Dear
LANDOER読者 about『ギヴン』

初めて同性に恋をする役を演じさせていただくことになり、最初は「どういった感情になるのだろう」という不安があったのですが、演じていくうちに「ひとりの人間として、その人のことをただただ好きになったんだ」という意識にどんどん変化していったんです。そうして役に向き合ってみたら、自分が不安に思っていた部分や概念のようなものって必要なかったんだな、と思うようになって。春樹のように真っ直ぐに恋愛感情を抱けるのって素敵なことだと思いましたし、春樹以外のみんなも自分の感情を大切に生きていることに素晴らしさを感じました。登場人物ひとり一人が自分の想いや過去を抱えて、互いに熱い想いをぶつけながらひとつの曲を作っていく、そんな青春ストーリーに僕自身感動したので、皆さんにもその感動が伝わればいいなと思います。狭い世界の中にある繊細な感情たちに注目していただけたら嬉しいです。

栁俊太郎

栁 俊太郎(30)

やなぎ しゅんたろう

1991年5月16日生まれ。
真っ直ぐな一本道も 歩きづらい雪道も
〈自然体〉のまま、変わらぬ息遣いで歩み抜く赤心のDOER

フジテレビ『ギヴン』

毎週月曜日24時25分~フジテレビにて放送
(※関東ローカル)

出演:鈴木仁 さなり 井之脇海 栁俊太郎
   八木アリサ 奥野壮 小野寺晃良 稲葉友
演出・脚本:三木康一郎

Staff Credit
カメラマン:YURIE PEPE
ヘアメイク:桑原 美恵
スタイリスト:RIKU OSHIMA
インタビュー・記事:満斗りょう
ページデザイン:吉田彩華