【中田青渚】BS時代劇『善人長屋』〈悪〉を持って〈悪〉を倒す和製ダークヒーローたちが“長屋”に集結!?

中田青渚

BS時代劇『善人長屋』
〈悪〉を持って〈悪〉を倒す
和製ダークヒーローたちが“長屋”に集結!?

いつの時代のどんなおとぎ話でも“ヴィランズ”の力は強大だ。私たちを魅了してやまない彼らには、賢く、ズルく、潔く〈悪〉を振りかざす気持ちよさと、そうならざるをえなかった少し悲しい背景があったりする。ただただ真っ直ぐに生きられるような現実じゃないから、優しさや思いやりだけで生き残れる世界じゃないから、私たちは今日も人間臭く生きていく。邪道だっていいじゃないか。ズル賢い日があってもいい。誰かの笑顔を願う貴方は、間違いなく“ヒーロー”だ。

BS時代劇『善人長屋』

BS時代劇『善人長屋』
©︎NHK

-Introduction-

直木賞作家・西條奈加作品、初の映像化!

表は善人、裏は悪人、2つの稼業を持つ“善人長屋”のメンバーたちが、ある時は困った庶民を助けるため、ある時は仲間のピンチを救うため、裏稼業の凄技を活かしながら、さらなる巨悪や人の悪意に向き合っていく!

-お縫-

主人公。長屋のリーダー・儀右衛門と、その妻・お俊の娘。幼い頃から勘が鋭く、出会った相手が善人か悪人かを一目で見分ける能力を持つ。他人の不幸に敏感で、思い付いたことをぽんぽん言ってしまうストレートな性格。人助けのために、色んな変装をして情報収集することも。

中田青渚

『善人長屋』× 中田青渚

『善人長屋』のお話をいただいた時、すごく嬉しかったのと同時に“主演”ということにとにかく驚きました。私にとって主演は「いつかはやりたいな」といった夢のようなポジションだったので、「私で合っていますか!?」といった気持ちが大きかったです(笑)。

お縫 × 中田青渚

お縫は、人に対する共感性がものすごく強くてお節介な女の子。困っている人の話を聞くと、自分が困っているかのような気持ちになって助けてあげたくなっちゃうんです。感受性と共感性の豊かさに行動力がプラスされているので、「こうしなきゃ!」と思ったら歯止めがきかずに周りの大人を巻き込んでしまうんです(笑)。私自身も思ったことは言葉にするタイプなので、そこはお縫と似ていると思いつつ、あんなに行動力はないな…と (笑)。

中田青渚
中田青渚

お縫のような友達がいたら
心強いだろうな、と思いました(笑)。

現場ではお縫をどのように作られていますか?

撮影に入る前から本読みやリハーサルをみっちりやってくださる現場だったこともあり、自分でプランを立てて考えるというよりは、監督と話し合いながら演じていることが多いです。「ここ、こう思っているんですけど、どう思われますか?」などといった相談も自分からするようにしています。

あたたかい現場なのが伝わってきます。
今まで様々な現場で多くの“主演”の方を
見て来られたと思いますが

中田さんにとって“主演”の存在は
どういったイメージでしたか?

以前、若葉竜也さん主演の『街の上で』(2021年/監督:今泉力哉)という映画に出演させていただいたことがあったのですが、その撮影がお芝居が初めての方が多い現場だったんです。そんな中、若葉さんが緊張している方に気さくに話しかけられていたり、スタッフさんにも気を遣われていたりしていて。ハードなスケジュールの現場でも広い視野を持たれていることに感動したのを覚えています。その姿を見て「主演は周りを見て動かないといけないんだな」と思いましたし、自分が大変な中でも周りに気を配ることができる若葉さんのお人柄が素敵だな、と感じました。

中田青渚

その現場とは反対に先輩の多い『善人長屋』。
撮影現場の雰囲気はいかがですか?

そうですね、「私が引っ張っていくぞ!」というよりは、「頼るところは頼らせていただいて、しっかりとお縫役を全うしよう!」といった気持ちで撮影に挑んでいます。自分一人の力で、ではなく、先輩方に任せられるところはお任せして…(笑)。

甘えられるところは甘えながら、
学びながら、ですね(笑)。

実際に共演者の皆さんから
学んだことなどはありますか?

今回、時代劇も初めてなので、新たに学ぶことだらけで…(笑)。例えばセットでの撮影中、裸足で撮影をしていたせいか、ふと足の裏を見たら真っ黒になってしまっていたことがあって。それを見た高島(高島礼子)さんが「時代劇の時は靴下を履くのよ」と、足袋の形の靴下をプレゼントしてくださったんです。他にも、着物の中に衣裳さんが見ても大丈夫な肌着を着るのですが、高島さんはご自分に合った物を準備されていて。私はまだ用意していただいているものを着ているのですが、高島さんの姿を見て「いずれは自分の形を見つけていきたいな」と思いました。そんな風に一つひとつ時代劇の基本を教えていただいている毎日です。

中田青渚

共演者の皆さんの演じられる
長屋に愛すべきキャラクターたちにも
注目ですね(笑)。

そうですね、長屋のみんなはやっていることや仕事としては悪いことをしている人ばかりなのですが、根はすごく良い人たちなんです。あまりに良い人すぎて、私自身も演じながら善人と悪人の境目が分からなくなっていたくらいで(笑)。でも、それと同時に「実は境目なんてないのかも?」と思ったりもして。いろいろな人が持ってくる小事件を解決するうちに、良い人に見えていた人が裏で悪いことをしていたり、悪人だと思っていた人が何かしらの事情を抱えていたり、そういった人たちを見ていて「人はみんな善と悪の両方を持っているものなんだな」と思ったんです。

Dear LANDOER読者
BS時代劇『善人長屋』
From 中田青渚

この作品には「なぜその人は悪いことをしてしまったのか」という裏側までが描かれています。悪いことをしていることには違いないし、悪いことをしていい理由はどこにもないけれど、表面的な部分だけでは分からないのが人間で。そんな一人ひとりのストーリーをこの作品を通して届けることができたらいいな、と思います。だからといって決して難しい内容のドラマではないので、楽しく観てください!

中田青渚

中田青渚(22)

なかた せいな

2000年1月6日生まれ。
静かな海のように温和な佇まい、
その根底に揺るぎのない情熱の渚を秘めているDOER

NHK BS時代劇『善人長屋』
NHK BSプレミアム/BS4Kにて、毎週金曜よる8時(全8回)

原作:西條奈加「善人長屋」シリーズ
脚本:森下直
出演:中田青渚 溝端淳平 高島礼子 吉田鋼太郎
   上地雄輔 溝口琢矢 蕨野友也 
   山崎樹範 山田純大
   美保純 徳井優 ・ 柳沢慎吾 ほか

BS時代劇『善人長屋』
©NHK

Staff Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:石田絵里子 
スタイリスト:有本祐輔(7回の裏)
インタビュー・記事:満斗りょう
ページデザイン:吉田彩華