【中島瑠菜】劇場版『鬼平犯科帳 血闘』素直に受け取り、素直に伝える時代を超えてリンクしたひとりの女優とひとりの少女

中島瑠菜

劇場版『鬼平犯科帳 血闘』
素直に受け取り、素直に伝える
時代を超えてリンクした
ひとりの女優とひとりの少女

誰もその目で見たことのない〝時代を描く〟。想像と分析と調査の賜物によって成立するエンターテインメントこそが「時代劇」。初めての時代劇に挑戦した中島さんが踏み入れたのは、時代作画のプロフェッショナルたちが丹精込めてつくりあげた、長谷川平蔵が生きる世界。話し言葉も、服装も、文化も常識も、すべてが現在と異なる場所で、たったひとつ共鳴できたこと――それは「どんなに時代が進もうと〝人情〟だけは、きっと変わらない」という真実。

劇場版
『鬼平犯科帳 血闘』

劇場版『鬼平犯科帳 血闘』
©「鬼平犯科帳 血闘」時代劇パートナーズ

-あらすじ-

長谷川平蔵(松本幸四郎)が若かりし頃に世話になった居酒屋の娘・おまさ(中村ゆり)が密偵になりたいと申し出て来る。平蔵はその願いを退けるが、おまさは平蔵が芋酒や『加賀や』の主人と盗賊の二つの顔を持つ鷺原の九平(柄本明)を探していることを知り、独断で探索に乗り出す。九平を探すうちに兇賊・網切の甚五郎(北村有起哉)の企みを知ったおまさは首尾よく網 切一味の中へ入り込む。しかし、おまさは絶体絶命の危機に陥る。

-少女時代のおまさ-

劇場版『鬼平犯科帳 血闘』
©「鬼平犯科帳 血闘」時代劇パートナーズ

若き日の長谷川平蔵こと長谷川銕三郎が
通っていた居酒屋の娘。
のちに引き込み女・密偵となる。

『鬼平犯科帳 血闘』
作品のお話を聞いて――

時代劇ということに加え、今作は人気シリーズの『鬼平犯科帳』。正直「自分に務まるかな」と、不安な気持ちが大きかったです。ただそれと同時に、歴史ある作品に関われる嬉しさもあり「頑張ろう!」と、気合いを入れて撮影に臨むことができました。

時代劇のプロフェッショナルが集結した
時代劇の現場はいかがでしたか?

撮影は京都で行われたのですが、セットに入った瞬間、作品の時代ならではの空気に全身がつつまれて『鬼平犯科帳』の世界にあっという間に入り込むことができました。劇中で使用する小物の一つひとつも、これまで見たことも触れたこともない時代の色を表している物ばかりで、スタッフさんが使い方を丁寧に指導してくださりとても勉強になりました。着物に関しても、自分で着るときにかかる時間に比べて、スタッフさんの着付けのスピードが本当に早くて!「プロの方はやっぱりすごい…!」と、感動していました。

中島瑠菜

中島瑠菜

現代劇にはない特殊さを
多く感じられた現場だったかと思いますが、
撮影手法などで驚かれたことは何かありますか?

作品の時代設定のこともあり、現場では蛍光灯のような電気や照明があまり点いておらず、通常の撮影よりも暗い環境でお芝居をしていた印象なのですが、完成した映像を観ると、思っていたより明るさもありびっくりしました。照明がとても素敵で、映り方までしっかりと考慮して、光の調節などが行われていたんだな、と。

完成した作品は、
中島さんの瞳にどう映りましたか?

台本を読んだ段階では、現代であまり馴染みのない言葉が多かったこともあり、最初から最後まで完全に理解しきれてはいなかったんです。本編を観て「そういうことか!」と、納得できるポイントが多々ありました。また、これまでは何となく時代劇に対して難解なイメージを抱いていたのですが、殺陣のシーンは純粋に「カッコいい!」と思いましたし、想像していたよりずっと観やすく、気づいたときには自然と物語に引き込まれていて。当時の世界を知ることができるのも、今作の面白さのひとつだと改めて思えました。

中島瑠菜

中島瑠菜

撮影に入る前、
演技プランは何か練られていましたか?

おまさの人柄を考えたとき、銕三郎(市川染五郎)に対する彼女の想いや行動から、できるだけ〈純粋さ〉を感じていただけるようにしたいと思い、実はあまり役づくりをしなかったんです。あらかじめ準備をしておくというよりも、現場で「素直に受け取ること」と「素直に伝えること」を意識するようにして。お芝居を通して相手と対峙し、そのときの“ありのまま”の状態で終始臨んでいました。

成長したおまさ(中村ゆり)とリンクする
 純粋さを感じました。
作品を経験し、“時代劇ならではの難しさ”を
どんなところに感じられましたか?

苦戦したのは“漢字の読み方”です。読み方自体が分からないものもあれば、一応読むことはできるものの見慣れない漢字で、口に出そうとするとスラスラ言えないものもあったりして…。「本番では絶対に間違えないようにしよう」と、撮影に入る前に何度もセリフの練習をして準備をしました。リハーサルでは少しセリフが詰まってしまったのですが、おかげでどの箇所が苦手なのかを確認することができたので、本番では噛むことなく演じきることができて、ホッとしたのを覚えています。

中島瑠菜

名だたるキャストが揃った今作。
先輩方とのお芝居はいかがでしたか?

リハーサルの段階から良い緊張感が漂っていて、背筋が伸びるような思いでした。リハーサルは冬の寒い時期に京都で行っていたので、寒さも相まってピンとした空気感に包まれていて。撮影では、染五郎さんとご一緒させていただくことが多かったのですが、まっすぐに私の目を見て対峙してくださったおかげで、たくさんの言葉を交わさずとも自然とおまさに入りこむことができました。お芝居を通して、銕さんとの信頼関係を築くことができたんじゃないかな、と思います。

Dear LANDOER読者
From 中島瑠菜
劇場版『鬼平犯科帳 血闘』

華麗な殺陣のシーンのほか、ストーリーそのものにも見応えがたっぷり詰まっているので、ぜひ『鬼平犯科帳』の世界を劇場のスクリーンで堪能していただきたいです。私自身は初の時代劇映画への挑戦ということもあり、リハーサルの時点でかなり緊張して固くなってしまっていたのですが、あの時間があったからこそ、本番でおまさを演じきることができたと思っています。試練を乗り越えた私の姿を、ファンの方々に見届けていただけたら嬉しいです。

中島瑠菜

中島瑠菜

なかしま るな

10月10日生まれ。
Next Generation DOER’s Date
2021 年 松竹グループ合同大型女性オーディション
『松竹 JAPAN GP GIRLS CONTEST
Supported by BookLive』グランプリ受賞
本作に加え、映画「九十歳。何がめでたい」(前田哲監督)の公開が決まっている。
2025年大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(NHK)への出演も決定。

劇場版『鬼平犯科帳 血闘』
2024年5月10日(金)全国ロードショー

出演:松本幸四郎
   市川染五郎 仙道敦子 中村ゆり 火野正平
   本宮泰風 浅利陽介 山田純大
   久保田悠来 柄本時生/中島瑠菜
   志田未来 松本穂香 北村有起哉
   中井貴一 柄本明
原作:池波正太郎『鬼平犯科帳』(文春文庫刊)
監督:山下智彦 脚本:大森寿美男 音楽:吉俣良

劇場版『鬼平犯科帳 血闘』
©「鬼平犯科帳 血闘」時代劇パートナーズ

Staff Credit
カメラマン:野田 涼
ヘアメイク:川又由妃(HAPP’S.)
スタイリスト: 井田信之
インタビュー・記事:満斗りょう
ページデザイン:Mo.et

Item Credit
ドレス¥51,700、
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