窮地でこそ目覚める「心の声」を信じたい貴方へ

映画『ブルーロック』

窮地でこそ目覚める
「心の声」を信じたい貴方へ

映画『ブルーロック』
©金城宗幸・ノ村優介/講談社 ©CK WORKS

-Introduction-

仲間のために、チームのために⸺。一流の組織力を誇る日本サッカーにNOをつきつける、挑発的で革新的なサッカー漫画『ブルーロック』に、いま、世界が熱狂している。世界一のエゴイストでなければ、世界一のストライカーにはなれない⸺、己を探求し、自我を覚醒させ、未来を切り拓く。真の“エゴイスト”へと成長していく高校生たちの物語。その強烈な自己実現のテーマは、もはやスポーツの枠を超え、大勢の胸を熱くする!『キングダム』『国宝』などの超大作で世界に挑み続ける、エゴ全開のCREDEUSが圧倒的なスケールで描く実写映画『ブルーロック』に刮目せよ!

-Story-

日本サッカーに足りないのは、エゴだ⸺」日本をサッカーワールドカップ優勝に導く革命的なストライカーを育成する施設〝青い監獄(ブルーロック)〟に、全国の高校生FWたち300人が招集された。勝ち上がれるのはたったひとり、敗者は日本代表入りの権利を生涯失うという熾烈なサバイバルマッチに、己のサッカー人生をかけて挑む主人公の潔世一(高橋文哉)たち。世界一“エゴイスト”なストライカーの座を掴み取れ⸺生き残れるのは、誰だ?

伊藤さとり’s voice
伊藤さとり’s voice

すでにアニメにもなっている人気原作の映画化だ。ここまで緻密にタイプ違いのキャラクター設定がなされたスポーツ脱落ゲームによる覚醒がテーマの作品を、あえて実写化する意味とはなんだろうと考えた。しかもエゴイストになる者こそNo. 1になれると唱えられる内容だ。

実際に映画を観てみると、原作のキャラクターを大事にした髪色や髪型をした俳優達がサッカーウェアで登場し心の声と共にプレイをするのだが、これが次第に目が離せなくなって不思議と先が気になり始める。

実は心の声が多い作品は個人的には好みではない。しかし何故、本作でそれがスパイスを効かせているのかを考えてみると面白い発見があった。本作の肝となる人間の潜在意識を炙り出すという意味で、一見、”こういう人だ”と思っていた人物が、試合という戦場で頭を使いながら窮地に追いやられ覚醒することを表現するには、心の声は重要な役割を果たしていたのだ。

俳優陣も原作のキャラクターを大切にしながら役を自分のものにしているのが演技で伺える。特にトリッキーなドリブルでパスを送る蜂楽役の櫻井海音は、彼以外には考えられないほど役になりきっていて目が離せない。またここ数年、出る作品すべてに爪痕を残す窪田正孝も楽しみながら演じていることが分かるので、観ていて面白くて仕方がないのだ。特にサッカーファンにはキングカズこと元サッカー日本代表の三浦知良の息子であり俳優の三浦獠太が、高橋文哉演じる主人公・潔と戦う双子の兄弟を一人二役で見事に演じ分けしているのには興奮した。

またFukaseが歌う挿入歌は心理ゲームを彷彿させるメロディラインで最初の「ブルーロック」での対戦に相応しい楽曲だ。更にAdoの歌声にマッチした熱量の高い挿入歌と主題歌がドラマティックなゲーム展開にピッタリとハマっていく。そんな楽曲も相乗効果となり最初から最後までエネルギッシュな映像で登場人物全員の内面の変化を堪能できる映画『ブルーロック』。

ちなみにエゴイストは好きではないという人も多いだろうが、原作が人気の理由にはもしかすると無我夢中でボールを追いかけ、勝つことだけを考える彼らの瞳に魅せられるからかもしれない。そしてエゴは恥ずべきことと思いがちな多くの日本人には、自分の本音と向き合うと秘めたる能力に気づく可能性もあると伝える作品に思えた。

映画『ブルーロック』
2026年8月7日(金)全国公開

出演:高橋文哉
   櫻井海音 高橋恭平
   綱 啓永 野村康太 / K(&TEAM)
   青木 柚 西垣 匠 富本惣昭
   倉 悠貴 東 啓介 / 畑 芽育
   窪田正孝
原作:金城宗幸・ノ村優介『ブルーロック』(講談社「週刊少年マガジン」連載)
監督:瀧悠輔
脚本:鎌田哲生
制作:CREDEUS
製作:CK WORKS
配給:東宝

映画『ブルーロック』
©金城宗幸・ノ村優介/講談社 ©CK WORKS