ドラマティックな歌と人生に
心打たれたい貴方へ

-Introduction-
アメリカのミルウォーキーで、波乱万丈という言葉では、とても足りない人生を送った男の実話をもとにした映画が完成した。彼の名は“ライトニング”ことマイク・サルディーナ。何十年も歌まねミュージシャンとして陽の当たらない道を歩いてきた彼が、ニール・ダイアモンドのトリビュートバンド「ライトニング&サンダー」を結成して大成功を収めるまでの軌跡、その栄光を一瞬で砕いた衝撃的な出来事、さらなるどん底からの再起、そして伝説になった“あの日”──彼が成し遂げた奇跡の全貌が描かれ、観る者を驚愕から感動へと誘う。
-Story-
かつて夢を追いかけ、音楽にすべてを捧げた男マイク。しかし今や誰かの“歌まね”でしかステージに立てない、人生のどん底にいた。そんな彼の人生に再び光をもたらしたのは、同じ情熱を胸に秘めた女性クレアとの出会い。敬愛するニール・ダイアモンドのトリビュートバンドを結成し、小さなガレージから始まった彼らの歌声はやがて人々の心を掴み、熱狂的な人気を獲得していく。だが、そんななか、突然の悲劇が彼らを襲う──。
伊藤さとり’s voice

『グレイテスト・ショーマン』などのトップスター、ヒュー・ジャックマンと、『あの頃、ペニー・レインと』のケイト・ハドソンが夫婦役を務めた『ソング・サング・ブルー』は、実在のミュージシャンカップルの真実の物語。歌マネでステージに立つ男性が同じ情熱を持つ女性と出会って動き出すサクセスストーリーであり、夫婦の愛のハーモニーである本作。『レ・ミゼラブル』や『グレイテスト・ショーマン』での素晴らしい歌唱とパフォーマンスで、その実力は証明済みのヒュー・ジャックマンの演技はもちろんだが、彼と夢を叶えようと奮闘しながら波乱の人生を歩むことになる妻を演じたケイト・ハドソンは、本作でキーボード演奏と歌のパフォーマンスを見せるだけでなく、感情の起伏をリアルに表現した演技で、第98回アカデミー賞、第83回ゴールデングローブ賞ミュージカル・コメディ部門の主演女優賞にノミネートされた。
観ればとにかくこの二人の歌唱力に惚れ惚れする。
アメリカで1960年代後半から1980年代まで活躍した人気アーティスト、ニール・ダイアモンドの有名な歌の数々を俳優二人のパフォーマンスで堪能することになるのだが、日本でも大ヒットした「スウィート・キャロライン」ばかり求める客に悩み、歌マネ歌手というだけでなく、トリビュートバンド「ライトニング&サンダー」として知られようと奮闘するヒュー演じるマイクのパフォーマンスへの心酔ぶりがあまりに真っ直ぐで、気づくと応援しているのだ。ただ、クレアを演じたケイトが評価された理由は、二人の物語でありながら、ひとりの女性の波乱の人生を綴っていることが大きな要因ではないだろうか。お互い子持ちでの再婚。決して裕福ではない彼らが、思春期の子どもの親を務めながらステージだけで生活出来るように様々なアイデアで一歩ずつ夢に近づいていこうと奮闘する。時にはこだわりが強くて暴走する夫をなんとか嗜め、笑顔を振り撒く明るい妻。このまま行けば上手くいくはずだった…、なのに?なのに!?なのだ。そこで改めてニール・ダイアモンドの「ソング・サング・ブルー」という曲がタイトルになっていることを深く理解した。
人生山あり谷ありだけれど、ここまでドラマティックな夫婦が実在したとは。ちなみにニール・ダイアモンドを知らなくても、歌を聴けば耳心地良いので、鑑賞後には口ずさんでいるかもしれない。個人的は「スーレイモン」がお気に入り。それと実際のライトニング&サンダーは笑顔が眩しい夫妻なので、このキャスティングには納得しかなかった。



