あの頃からずっと「自分のホントの思考」に興味をもつ貴女へ

映画『水深ゼロメートルから』

あの頃からずっと
「自分のホントの思考」に興味をもつ貴女へ

映画『水深ゼロメートルから』
©『水深ゼロメートルから』製作委員会

-Introduction-

水のないプールで揺らめく
少女たちの心の葛藤と解放の物語。
現役高校生が手がけた原作×山下淳弘監督
(『カラオケ行こ!』『リンダリンダリンダ』)
×主題歌スカート・澤部渡 feat.adieu
奇跡のコラボレーションが実現!

2019年当時・高校3年生の中田夢花が顧問の先生と相談しながら丁寧に紡ぎ、第44回四国地区高等学校演劇研究大会で文部科学大臣賞(最優秀賞)を受賞した繊細な戯曲は、大ヒット映画となった『アルプススタンドのはしの方』に続く高校演劇のリブート企画第2弾として2021年に下北沢小劇場「劇」にて上演され大きな反響を呼んだ。その後『カラオケ行こ!』『天然コケッコー』『リンダリンダリンダ』など、数々の青春映画の傑作を手掛けて来た山下淳弘監督による映画化が決定。水のないプールをミニマムな舞台装置として、大学生になった中田夢花の脚本、フレッシュなキャスト陣・精鋭スタッフ陣と共闘。それぞれに悩みを抱える少女たちの揺れる心とじっくりと向き合い、かけがえのない時間を掬い上げている。また、本作の劇伴も手がけたスカート・澤部渡による主題歌「波のない夏」にはゲストボーカルとしてadieuが参加。プールの底で揺らめく少女たちの心の葛藤から解放するような優しさと深い余韻を心に残すだろう。

-Story-

高校2年の夏休み。 ココロとミクは体育教師の山本から、特別補習としてプール掃除を指示される。 水の入っていないプールには、隣の野球部グラウンドから飛んできた砂が積もっている。 渋々砂を掃き始めるふたりだが、 同級生で水泳部のチヅル、水泳部を引退した3年の先輩ユイも掃除に合流。 学校生活、恋愛、メイク……。なんてことのない会話の中で時間は進んでいくが、 徐々に彼女たちの悩みが溢れだし、それぞれの思いが交差していく……。

伊藤さとり’s voice
伊藤さとり’s voice

本作は当時、徳島の高校3年生の中田夢花が顧問の先生と相談しながら作り上げた脚本で、四国地区高等学校演劇研究大会で文部科学大臣賞(最優秀賞)を受賞した演劇の映画化だ。
そこに描かれているのは、女子高生のリアルな思いであり、校則に関する不満や男子と女子にカテゴライズされることへの違和感、女の子らしさについての考えなど、女子高生たちの会話劇で見せていく。

これは高校演劇の作品を映像化する企画として『アルプススタンドのはしの方』(2020)からスタートした[高校演劇 リブートプロジェクト]の第二弾作品だ。監督は『リンダ リンダ リンダ』(2005)でブルーハーツのコピーバンドを結成する女子高生の姿をみずみずしく描いた山下敦弘というのも納得。そして『アルプススタンドのはしの方』と同じく、隣にあるグラウンドでの野球部の練習シーンは冒頭以外はほぼ出て来ず、効果音のようにその様子が音として聞こえる中で、女の子たちがプール掃除をしながら会話を繰り広げる。

ちなみに“水深ゼロ”とは水のないプールのこと。主にプールの中で繰り広げられる会話劇が映画としても面白いのは、登場人物である女の子たちそれぞれの個性が言葉の端々から際立っていくところだ。例えば“可愛くありたい”と化粧をするココロは、“女の子らしさは武器になる”というようなことを言ったり、阿波おどりで“男踊り”にこだわるミクは“男とか女とか関係ない”と男女平等を訴え、水泳で男子に負けたことをずっと気にしているチヅルが居たりする。

確かに“可愛いくありたい”という感情は悪いことではない。けれど「女性らしさ」というのは一体誰が言い出したのか。はっきりとした起源は分からないが、「いい人(男性)と結婚できる」という言葉は男性の元に嫁ぐ嫁入りという古くに生まれた制度から来ている。女性らしく=優しく、上品で、料理が出来る、といった考えは男性から見た結婚したい理想の女性なのだろう。だから女子高生たちの考えがぶつかり合う本作が面白い。どこか偏った考えの中から、自分はどの子の考えに近いのか探しながら観てしまうのだ。果たして“綺麗でありたい”という感情は、誰に向けられているのか。自分なのか他者なのか。その綺麗とはどんな見た目なのか。そこを探るだけでも自分がどう観られたいか、ルッキズムを自分が持っているのか否かまで分かってしまいそうだ。

映画『水深ゼロメートルから』
2024年5月3日(金)
新宿シネマカリテ・下北沢K2ほか
全国順次ロードショー

出演:濱尾咲綺 仲吉玲亜 清田みくり 花岡すみれ
   三浦理奈/さとうほなみ
監督:山下淳弘 脚本:中田夢花
原作:中田夢花 村端賢志 徳島市立高等学校演劇部
音楽:澤部渡
主題歌:スカート「波のない夏 feat. adieu」(ポニーキャニオン/IRORI Records)
制作:『水深ゼロメートルから』制作委員会
制作幹事:ポニーキャニオン
制作プロダクション:レオーネ
配給・宣伝:SPOTTED PRODUCTIONS

映画『水深ゼロメートルから』
©『水深ゼロメートルから』制作委員会