最先端を追い求め続ける私たちへ

映画『オッペンハイマー』

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映画『オッペンハイマー』
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-Introduction-

第96回アカデミー賞®
作品賞・監督賞含む
最多7部門受賞

ピューリッツァー賞受賞作「オッペンハイマー」(ハヤカワ文庫刊)を原作とし、第二次世界大戦下、世界の運命を握った天才科学者オッペンハイマーの栄光と没落の生涯を実話に基づき描いた本作は2023年7月の全米公開を皮切りに、世界興収10億ドルに迫る世界的大ヒットを記録。実在の人物を描いた伝記映画としては歴代1位となっている。また、第81回ゴールデングローブ賞にて作品賞(ドラマ部門)含む最多5部門を受賞、第96回アカデミー賞®では、クリストファー・ノーラン初の作品賞、監督賞ほか、主演男優賞(キリアン・マーフィー)、助演男優賞(ロバート・ダウニー・Jr.)、撮影賞(ホイテ・ヴァン・ホイテマ)、編集賞(ジェニファー・レイム)、作曲賞(ルドウィグ・ゴランソン)の最多7部門受賞を果たした。オッペンハイマー役を演じるのは、これまでも『インセプション』(10)などでクリストファー・ノーラン監督作品に出演してきたキリアン・マーフィー。また、彼の妻“キティ”役にエミリー・ブラント、オッペンハイマーと対立する原子力委員会委員長のルイス・ストローズ役を演じるロバート・ダウニー・Jr.他、フローレンス・ピュー、ジョシュ・ハートネットらが、ノーラン作品に初参加。加えて、『インターステラー』(14)のマット・デイモンや、『ダンケルク』(17)のケネス・ブラナー、さらにラミ・マレック、ケイシー・アフレックなどのアカデミー賞®受賞俳優陣が脇を支えている。アカデミー賞®受賞&ノミネーションを果たした超一流のスタッフ陣も本作の魅力の一つ。本年度オスカー受賞を果たした作曲のルドウィグ・ゴランソンは『TENET テネット』に続く二度目のタッグ、撮影監督のホイテ・ヴァン・ホイテマも、ノーランとは『インターステラー』以降すべての作品で組んでいるという仲。今作ではIMAX®65ミリと65ミリ・ラージフォーマット・フィルムカメラとを組み合わせた、最高解像度の撮影を実践。また、本作のためだけに開発された65ミリカメラ用モノクロフィルムを用い、史上初となるIMAX®モノクロ・アナログ撮影を実現させた。IMAX®撮影による、この天才科学者の知られざる人生を<体感>してほしい。

-Story-

一人の天才科学者の創造物は、
世界の在り方を変えてしまった。
そしてその世界に、
私たちは今も生きている。

第二次世界大戦下、アメリカで立ち上げられた極秘プロジェクト「マンハッタン計画」。これに参加した J・ロバート・オッペンハイマーは優秀な科学者たちを率いて世界で初となる原子爆弾の開発に成功する。しかし原爆が実戦で投下されると、その惨状を聞いたオッペンハイマーは深く苦悩するようになる。冷戦、赤狩り―激動の時代の波に、オッペンハイマーはのまれてゆくのだった―。世界の運命を握ったオッペンハイマーの栄光と没落、その生涯とは。今を生きる私たちに、物語は問いかける。

伊藤さとり’s voice
伊藤さとり’s voice
研究してはいけない パンドラの箱がある ということ

第96回アカデミー賞で、最多13部門ノミネート、うち作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、編集賞、撮影賞、作曲賞を受賞した映画『オッペンハイマー』。昨年公開され世界興収約10億ドル(約1500億円)というメガヒットを記録したものの、原爆を作った天才科学者ロバート・オッペンハイマーの半生を描いた内容というので、被曝した日本での公開は危ぶまれていた作品だ。しかしながら昨年の12月に『ドライブ・マイ・カー』などを配給するビターズ・エンドが手を挙げ、日本公開が3/29日に決定。その全貌がIMAXでも観られることになったのだ。

本作がここまで評価される理由はいくつかある。まずは主演男優賞のキリアン・マーフィー(『ダンケルク』)他、助演男優賞のロバート・ダウニーJr.(『アイアンマン』)、マット・デイモン(『オデッセイ』)、エミリー・ブラント(『クワイエット・プレイス』)、フローレンス・ピュー(『ミッドサマー』)、ジョシュ・ハートネット(『ブラック・ホーク・ダウン』)、ケイシー・アフレック(『マンチェスター・バイ・ザ・シー』)、ラミ・マレック(『ボヘミアン・ラプソディ』)、ケネス・ブラナー(『ベルファスト』)といった主演級の俳優がずらりと顔を揃えた演技力の祭典だ。それは間違いなくクリストファー・ノーラン監督の人気であり、『ダークナイト』『インセプション』『インターステラー』『ダンケルク』『TENET テネット』他、今までの作品への評価が成し得たキャスティングであり、圧巻の演出だった。だから今回、やっとアカデミー賞監督賞受賞となったのだ。

次に挙げられるのが最新技術を駆使した撮影による壮大なアメリカの景色だ。ブラックホールへの憧れから研究を重ねたオッペンハイマーが行き着く原爆作り。研究室以外のシーンで時折、映し出されるアメリカの広大な土地。その時に特に感じ得るだろう、ドドーンと目の前に広がる世界、これがIMAXで可能になる圧倒的な没入感。そしてモノクロでタバコの煙までくっきりと映し出される人物のシワ。それこそがこの映画の為に新開発されたIMAX65ミリと65ミリラージフォーマット・フィルムカメラを組み合わせた解像度の高い撮影によるもの。しかもIMAXモノクロ・アナログ撮影は史上初だそう。そこは初めてIMAXフィルムを『ダークナイト』で撮影した監督だからできたことだろう。

そして私たち日本人が懸念する原爆の映し方だ。ここはあくまでオッペンハイマーの視点で描かれるので、彼が原爆投下を実際に見ていないことからそのシーンは存在しない。しかし、私たち日本人はやはりその過程の会議シーンや、終戦を迎えたアメリカの民衆の姿に胸を痛めるのは間違いないのだ。けれど本作は、オッペンハイマーを賛辞する映画にはなっていない。あくまでも天才科学者が何故、原爆を作ってしまったのか。そして結果、殺人兵器を生み出してしまったことを後悔して、水爆製造反対を唱えたことでスパイ容疑に掛けられ国家機密に関与する資格を奪われるまでが描かれている。
映画『オッペンハイマー』で、伝えたいことは、“人には踏み込んではいけないパンドラの箱がある”というものだろう。最先端技術を研究すればするほど、地球を破滅に向かわせることだってある。原爆を作ったことで、更に破壊力の強い水爆実験が行われ、様々な国が所持してしまい、世界戦争が起これば地球も滅亡しうる時代になっている状況であることに、ノーランは気づいて欲しいのだろう。

映画『オッペンハイマー』
2024年3月29日(金)より全国ロードショー
IMAX®劇場全国50スクリーン、Dolby Cinema®全国10スクリーン、
35mmフィルム版109シネマズプレミアム新宿にて同時公開

監督・脚本・製作:クリストファー・ノーラン
製作:エマ・トーマス、チャールズ・ローヴェン
出演:キリアン・マーフィー、エミリー・ブラント、
   マット・デイモン、ロバート・ダウニー・Jr.、
   フローレンス・ピュー、ジョシュ・ハートネット、
   ケイシー・アフレック、ラミ・マレック、ケネス・ブラナー
原作:カイ・バード、マーティン・J・シャーウィン 「オッペンハイマー」(2006年ピュリッツァー賞受賞/ハヤカワ文庫)/アメリカ
配給:ビターズ・エンド ユニバーサル映画 R15

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