『映画演劇 サクセス荘』
〈夢〉がひしめく、噂のアパート
203号室にお邪魔させていただきます!
夢を追いかけている人は眩しい。夢追人たちが集まると、キラキラもファンキーも2倍、3倍と増していく。とあるアパートにはそんな光源がひしめき合っているらしい…。そんな眩しくて、心躍ってしまう場所を聞いてしまったら気になってしょうがないじゃないか!ということで、謎だらけのアパートの203号室の住人の後をコッソリと追いかけてみたところ、どうやら事件が起きそうな匂いが…
映画『映画演劇 サクセス荘』
-イントロダクション-
都会の片隅にひっそりと佇む一軒のアパート「サクセス荘」。そこには、“ひと旗あげたい”と成功(サクセス)を夢みる若者たちが住んでいて、いつか必ず夢を叶えて巣立っていくという伝説があった…。新年早々、サクセス荘のリビングでは毎年恒例の餅つきが行われていた。その傍らではムーさんが今年の運勢を占っていて、何回やり直しても恐ろしい未来しか見えないと嘆いている。そして「サクセス荘に大きな亀裂が入り、隕石が落ちて、降り注ぐ雪が真っ白に染めるだろう」と予言。そんな不吉な予言を体現するかのように、この頃住人の間では揉め事が増え、ことある毎にギスギスしていた。そのトラブルのきっかけは、隣にグローリータワーレジデンスという大きなマンションが建ったことによる日当たりの悪さではないかと皆で話し合っていると、乱入者が…。それはグローリータワーレジデンスに住む巷で話題のセレブ集団・通称S4だった!突然乗り込んできたS4に住人たちは騒然とする中、彼らはサクセス荘からの立ち退きを命じる。こうしてS4の登場によりサクセス荘の平和な日常が一変し…。
-ミスター-
弁護士になるという夢を持つ「サクセス荘」203号室の住人
ミスター × 高橋健介
僕がミスターを演じていて思うのは、ハプニングやトラブルに巻き込まれた時に、一方の見方だけでなく二方向、三方向からも見ていちばん良い解決策を提案する人だということ。「サクセス荘」のメンバーは、みんな賑やかで直感的な人ばかりなので、何か起きた時に「じゃあこうしよう!」と突進してしまうことが多いんです(笑)。そうなった時に一度立ち止まって「待って、こういう方法もあるよ」と、提案できるのがミスターだと思いますね。この作品の登場人物たちは、半分がキャストのパーソナルな部分に合わせた当て書きのような面を持っているので、そこを意識しながら観ていただくのも面白いと思います。
1エピソード、すべて一発撮りで
生物(なまもの)とも言える“テレビ演劇”ですが、
難しいところは?
始まった当初は「普通のドラマとは違うこのドラマの新しいフォーマットが、視聴者の皆さんに受け入れてもらえるのかどうか」という課題を感じていました。さらにいうと出演者が舞台での活動をメインとする役者が多いこともあり、きっと僕らのことをテレビ上で知らない方も多かったのではないかと思っていて。知らない男たちが物語を作っていくことに興味を持ってもらえるのか、といった部分にも難しさを感じていたのを覚えています。
そんな難しさを越えて
2、3期と続き、ついに映画化。
新たなジャンルの開拓に成功した結果の
“映画演劇”ですね。
そうですね。本当に素直にありがたい気持ちです。1、2、3と続いて映画化ができたというのは、間違いなく視聴者の皆さんの反響のおかげだと思いますし、舞台で一緒にやって来た仲間たちと一緒に映画を作ることができたのはすごく嬉しかったです。結束力がすごいチームなので、ハプニングが起きた時の助け合いが素晴らしいんですよ(笑)。僕らがいままでやってきた関係性が功を奏したのかなと思いますね。
舞台上で〈生〉のお芝居を
こなされているからこその対応力ですね。
先ほども仰っていたように
新たなドラマの形である今作。
どのくらい台本の読み合わせをされるんですか?
ドラマ版でいうと、撮影前に合わせることはほとんどないです。本番当日に楽屋で少し読み合わせをすることはありますが、各々ヘアメイクや準備をするので全員が揃うことはなくて。映画に関しては『サクセス荘』に初めて出演するメンバーもいましたし、スタッフさんの数もドラマ版よりも増えたので一度リモートで読み合わせをしました。とはいえ、本当にサラッと頭から最後までの流れをつかんだくらいのもの。基本的には稽古などはせずに本番に挑みます。
信頼し合っているからこそ、ですね。
『サクセス荘』メンバーが集まった時のあるあるは?
あるあるか~…。あ、有澤樟太郎と僕がバチバチする、和田雅成くんが小西詠斗をちょっと怒って、小西詠斗が「はい、すみません」って言う、寺山武志と髙木俊がずっとガヤを言っている、ですかね(笑)。みんな年齢は違うんですけど、高校時代みたいな楽しい現場です(笑)。
仲の良さが伝わってきます(笑)。
今回の映画版、
どんなところに注目して欲しいですか?
ドラマ版同様、台本に書かれた内容を役者たちが噛み砕いてアドリブを入れながら演じていきます。そのアドリブがあまりにもナチュラルなので「もともと台本にあったのかな」と思う場面がたくさんあるんじゃないかな、と。実際はみんなでアドリブを入れて作品を作っているので、「ここは台本なのかな?」「これは突発的なのかな?」と考えながら観ていただけたら、さらに楽しんでいただけると思います。
初めて『サクセス荘』を観る方も
楽しめる観方ですね。
夢を追う若者たちが集う『サクセス荘』ですが、
高橋さんの小さい頃の夢はなんでしたか?
僕、“役者”という仕事を夢にした記憶があまりないんです。それよりも小学2年生の時に一年間だけ抱いていた“レスキュー隊”の夢のほうが覚えています(笑)。当時、朝早くにレスキュー隊の番組をやっていて、それを観て「レスキュー隊になりたい!」と思ったようで。幼いながら、誰かを助けるヒーローになりたかったんだと思います。それでいうと『ウルトラマン』のお仕事をやらせていただいているので、ある種、当時の夢を叶えているのかも(笑)。
Dear LANDOER読者
about
『映画演劇 サクセス荘~侵略者Sと西荻窪の奇跡~』
僕自身、26台というカメラの数で豪華に撮影していただいた作品をスクリーンで観られることがすごく楽しみで。一発撮りで撮影された各々の登場人物たちのアドリブや、他のキャストがアドリブをしている時の周りのキャストの表情などに注目して、自分なりの楽しみ方で観ていただければと思います。
『映画演劇 サクセス荘~侵略者Sと西荻窪の奇跡~』
2021年12月31日(金)公開
出演:和田雅成 高橋健介 高野洸 髙木俊
黒羽麻璃央 spi 立石俊樹
有澤樟太郎 荒牧慶彦 定本楓馬
玉城裕規 寺山武志 小西詠斗 唐橋充
(劇中部屋番号順)
/佐藤流司 北園涼 橋本祥平 北村諒
監督:川尻恵太
脚本:徳尾浩司 川尻恵太 ニシオカ・ト・ニール
Staff Credit
カメラマン:YURIE PEPE
スタイリスト:MASAYA
インタビュー・記事:満斗りょう
ページデザイン:吉田彩華
衣装協力
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