【杢代和人】「一人じゃない」と前を向く彼の背中に宿るのは 〝支えてくれる人の存在〟と〝芝居欲〟

杢代和人

「一人じゃない」と前を向く
彼の背中に宿るのは
〝支えてくれる人の存在〟と〝芝居欲〟

いろんな場所で生きていると、ふと“一人きり”を感じることがある。悲しいわけでも、苦しいわけでもなく「いま一人で立っている」と、ただ寂しくなることが。「あの道を選んでいたら」と、ただ“無い”ものに想いをはせることが。けれど後ろを振り返れば、あの日、考え抜いてこの道を選択をした自分の足跡が並んでいる。そして、その道に咲いているのは𠮟咤激励をしてくれる人たちの想い。〈働く〉大人の世界に必死に食らいつきながら〈学生生活〉を送る彼が、その狭間で見つけた“たくさんの人の想い”と“自分自身の在り方”。2つの作品を語る時間には、杢代さんの大人の思惟と子供の無邪気さが共存していました。

ドラマ特区『あせとせっけん』

ドラマ特区『あせとせっけん』

-イントロダクション-

化粧品&バス用品メーカー『リリアドロップ』で商品開発プランナーとして働く、名取香太郎(佐藤寛太)は、香りの嗅ぎ分けを得意とする、究極の“においフェチ”。ある日会社の廊下で、とっても気になる“におい”に出会ってしまう。そのにおいに導かれるように近づいていくと、そこにいたのは…経理部で働く、八重島麻子(大原優乃)だった!重度の汗っかきで小さい頃に「汗子」とからかわれた経験がある麻子は、汗やにおいにコンプレックスを感じていて、人目をはばかるように、こっそりトイレでデオドラント製品を使うことが日課。ある日、念入りににおいケアをし、廊下を歩いていると…突然、香太郎からにおいを嗅がれー!?「あなたのにおいにビビッときました」と言われた麻子は、不審に思い、その場を立ち去ってしまう。その後も、香太郎は幾度となく麻子の“におい”を追い求め続け、商品開発のプレゼンのために「1週間嗅がせてほしい」と言われた麻子はその勢いに負け、協力することに。そして香太郎は、本当に毎日麻子のにおいを嗅ぎにくるようになり…。一方麻子は香太郎の商品開発への真っ直ぐな思いと、健気な姿に次第に惹かれるようになり…。香太郎もまた“におい”だけでなく、麻子自身の魅力に気づきはじめ、ひょんな出来事から一夜を過ごしてしまい―!?“におい”で繋がる究極のフェチラブストーリーが始まるのだった。

-八重島桂太-

24歳。八重島麻子の弟。イタリアンレストランで働く料理人。まだ一人前ではないが、ディナーで出す料理を一品提案させてもらうなど信頼されている。口数は少ないが、なんに対しても感性が鋭い。幼い頃から汗っかきのことでいじめられていた姉を心配している。姉想いな性格。

杢代和人

『あせとせっけん』× 杢代和人

もう、とにかく楽しい現場でした(笑)。名取役の佐藤さん(佐藤寛太)も麻子役の優乃ちゃん(大原優乃)も、本当に優しく接してくださって。僕が出演するシーンはほとんどお2人と一緒だったんですけれど、休憩中なかなかコンビニに行くことができなかった僕に「一緒に(コンビニ)行く?」と佐藤さんが声をかけてくださったり、食べ物を買ってくださったり、本当に沢山お世話になりました。

まるで兄弟ですね!
佐藤さんとプライベートで遊ぶ約束をされたりも?

一緒に山に登ろうと誘っていただきました!僕、自然が見える場所と標高の高いところが好きなんですけど、そのことを佐藤さんにお話したら「もっくんが20歳になったら山を紹介するよ」と仰ってくださって。佐藤さんがかなりの山好きで、写真フォルダを見せていただいたら、別世界のような山の景色の写真がたくさんあったんです。プライベートであれだけの山に登ることもすごいと思いましたし、“20歳になって佐藤さんと山に登る”という楽しみな目標もできました。

杢代和人
杢代和人

お2人の山での写真を見る日を楽しみにしています。
お芝居のお話をされたりもしましたか?

しました。僕が佐藤さんに「お芝居で気をつけていることはありますか?」と質問したんです。そうしたら「気をつけていることを聞かれた時に言おうと決めていることはあるんだけど、もっくんはそれがすでに出来てるから言うことないわ~」と言ってくれて。そして「現場に行かないと分からないことがたくさんあるから、とにかく数多く現場に行った方がいいよ」と。そんな風に言ってもらえるなんて思ってもいませんでしたし、ほんの少しだけ認めてもらえた気がしてすごく嬉しかったです。

確かにそれはすごく嬉しい言葉ですね。
ちなみに杢代さんは台本を読んでから
現場に入るまでに

どんな準備をされていますか?

僕の場合、セリフはしっかり覚えるけれど、他の部分の台本はあまり覚えないようにしています。台本を通して未来に起こることを把握しすぎてしまうと、何が起こるかを知らないはずの役の演技が身構えたものになってしまう気がして。自分のセリフや役の土台はしっかりと準備をして撮影に臨みつつ、それ以外は現場の自分に任せるようにしています。

杢代和人

それは場数を踏んで見つけた方法?

そうです。以前は緊張して台本をたくさん読み込んで行っていた現場もあったんですけど、その時は「お芝居するぞ!」と肩に力が入ってしまって、芝居というよりも“相手のセリフが来たらセリフを返す”という流れを意識し過ぎてしまっていたんです。でも今回の作品で、自分の芝居のカタチを見つけることができて、グッとお芝居がしやすくなりました。

自分自身の芝居方法も含めて
素敵な出逢いがたくさんあった現場だったんですね。
今回は24歳の役ですが、
実年齢よりも上の役柄を演じる上で
意識していることはありますか?

言葉遣いと頷き方は意識しています。普段の僕の話し方でいたら17歳の杢代になってしまうので、いつもよりもハッキリと話すようにしています。あとは、あえて声を出して頷かない。自分と年齢が近い役を演じる時は相槌を打つ時に声を出すことが多いんですけど、歳が上の役を演じる時は黙って相槌だけをするようにしています。そっちの方が落ち着いて見える気がして。僕が思う大人像ですが…(笑)。

杢代和人

桂太は、姉である麻子さんを守る
しっかり者な弟でもありますもんね。
麻子役の大原さんとのエピソードは何かありますか?

僕、現場で優乃ちゃんに「私、もっくんとはまた共演すると思う」って言われたんです!その言葉がすごく嬉しくて、ずっと覚えています。優乃ちゃんにも佐藤さんにも可愛がっていただいて、監督もスタッフの皆さんもあたたかくて、本当に楽しくてありがたい現場でした。

Dear LANDOER読者
about『あせとせっけん』

僕の演じる八重島桂太は、観ている方がすぐ分かってしまうほどシスコ…(笑)な男の子です。その桂太の姿に可愛さを感じてもらえたら嬉しいのはもちろん、家族として一緒に過ごしてきたからこそ姉を大事に思う姿がこれから出てくるので、それも楽しみにしていてほしいです。真面目だからこそ、大切な人に対して本当に真っ直ぐな桂太。彼のそんな一面に、是非注目してください。