【浅香航大×杢代和人】
ドラマ『仮面教師~妻を亡くしたその日から』
孤独を寄せて絆を紡ぐリベンジサスペンス
予測不能な作品に挑む教師と生徒のスペシャル対談
かの有名な劇作家・ウィリアム・シェイクスピアは、戯曲『ハムレット』のなかで「芝居の目的は、自然に鏡を掲げることだ」と語らせた。芝居は人間の美しさも醜さも、ありのままに映し出すもの。観客は目の前で演じられる人生に自らを重ね、逃げも隠れもできない本質を鏡のなかに見つけることになる。しかし当然ながら、鏡を返せば芝居の仮面に己を隠し、目的を果たそうとする役者の姿も映りこむ。さらにシェイクスピアのことばを借りるならば、「この世はすべて舞台。男も女も、みな役者に過ぎない」。自分を偽り復讐に滾る人間も、鏡を向けられ罪と向き合う人間も、正義を過去に置いてきた人間も、すべて一役者に過ぎないのだ。とある学院を舞台にそれぞれの姿が鏡面に浮かび上がるとき、仮面の下ではどんな〈正義〉が脈打っているのか。そのこたえは、物語のなかに⸺。
中京テレビ・日本テレビ系全国ネット
水曜プラチナイト
『仮面教師~妻を亡くしたその日から』

かつて俳優として活動していた水戸祐介(浅香航大)は、名門私立男子校・萬海学院で教師をしていた最愛の妻を亡くして以来、その死の真相を追い続けていた。妻は、校内で起きたある出来事を調べる中で命を落とした。しかし、その死には数々の不審な点が残されていた。真実を暴くため、水戸は身分を隠して萬海学院に教師として潜入。そこで出会ったのは、転校生の遠山拓実(杢代和人)。学校に違和感を覚えながらも平穏な日常を望んでいた拓実は、水戸との出会いをきっかけに、学院に隠された秘密と向き合うことになる。
徐々に学校に隠された過去や生徒会、理事長一家を巡る不可解な出来事に巻き込まれていく水戸と拓実。演劇部の仲間たちの力も借りながら、演劇ならではの仕掛けを武器に、巧妙に隠された真実へ迫ってゆくが、その先に待っていたのは、警察や政界にも影響力を持つ巨大な権力だった。誰が嘘をついているのか?妻の死の真相はどこにあるのか?果たして水戸と拓実は学院に隠された闇を暴くことができるのか⸺。劇場型リベンジサスペンスが開幕する。
水戸祐介役 浅香航大
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遠山拓実役 杢代和人
LANDOER:本作は妻を亡くした夫が、その死の真相を暴くために教師として学院に潜入する物語。浅香さんは萬海学院の教師・水戸祐介、杢代さんは水戸が担任を務めるクラスの転入生・遠山拓実を演じられます。それぞれの役へのアプローチについて、お話を聞かせてください。
浅香航大(以下、浅香):水戸には、本当の自分・評判のいい先生・復讐に燃える夫といったいくつかの顔があったため、アプローチの仕方もひとつではありませんでした。物語の序盤は表裏の二面性を意識して演じていたこともあり、どんなキャラクターなのか掴みにくい人物になっていると思います。ただ、その裏には別の感情があると考えていたので、〈本心〉をわずかにのぞかせるニュアンスも加えながら演じました。復讐を遂げるため、元俳優という経歴を活かして一人芝居をしていた水戸が、遠山たちと関わるうちに人とのつながりや絆を実感し、少しずつ変わっていく。個人的にはその変化におもしろさを感じています。
LANDOER:あたたかくて良い教師かと思えば、次の瞬間には冷たい表情を見せるなど、水戸という人物がまったく掴めなくて不気味でした。そうした他面の切り替えについてはどうバランスを取られていましたか?
浅香:彼の人間味が出るところ⸺たとえば一人でいるときに見せる、亡くした妻を想う瞬間の表情などはわかりやすく演じ分けるように意識していました。

LANDOER: 杢代さんが演じる遠山は、そんな水戸のクラスに転入してくる生徒であり、強い正義感を秘めた人物でもあります。どのようなことを意識して、遠山という人物を築いていかれましたか?
杢代和人(以下、杢代):僕が演じる遠山拓実は、転校前の学校で正義感を理由にいじめられた過去をもつ人物だったので、暗く見せるというよりは、人に期待していないところを表現するようにしていました。彼は人と話すのが不得意だったり、人が苦手だったりするわけではなく、どちらかというと「またいじめられたくない」「自分のことをあまり知ってほしくない」という思いのほうが強い青年なんです。多感な時期ならではの“人への恐怖心”を視線で表現するために、物語の序盤では人と話すときに目を合わせることを避け、話が進み正義感が表に出てくる場面では相手の目を見ることを意識しました。

漂うことば、交わす視線、ふとした微笑み⸺
どれが本心かわからない、予測不能なおもしろさ
LANDOER:作品の情報解禁時にお二人とも「台本に引き込まれた」とおっしゃっていましたが、どんなところにこの作品のおもしろさと魅力を感じられましたか?
杢代:僕がおもしろいと思った点は“復讐の仕方”です。この作品は、毎話登場する問題の関係者から学院に隠された闇を握る人物まで、さまざまな相手に復讐を仕掛けていく物語なのですが、その方法が独特で。浅香さん演じる水戸先生が、元俳優という自身の経歴を活かして芝居を使った復讐をしていくんです。きっと視聴者の方々も「これは水戸先生の本心なの?」と、素なのか芝居なのかを探りながら観ていくことになると思います。本心を見せたかと思えば、いつの間にか人が変わったように芝居をしているので騙される方も多いはずです。僕は台本を読んでいて、観ている側まで巻き込んで騙してしまう物語に魅力を感じました。
LANDOER:視聴者も気が抜けないストーリーですよね。杢代さんが思う復讐シーンの見どころはどこですか?
杢代:物語自体は水戸先生と遠山の二人を中心に進んでいくのですが、復讐に関しては水戸先生が担っているので、その過程で生まれる臨場感などは、先生の魅力が伝わる見どころだと思います。
浅香:本作は「劇場型リベンジサスペンス」と銘打った少し突飛な設定の作品なので、台本を読んでいても「これはどう見せていくのか」「どう演じていくのか」と気になるところがとても多かったです。理事長役の観月(観月ありさ)さんをはじめ、北乃(北乃きい)さんやひょうろくさん、生徒の皆さんのセリフからも、それぞれがどんなふうに演じられてひとつの作品になっていくのかがあまり想像できなくて。ただ、水戸の二面性も含め、いろいろな化学反応が起きておもしろくなるのではないかと期待しています。監督の河原(河原瑶)さんとは、前回の作品でご一緒したばかりだったので信頼も置いていますし。編集も仕上がりも物語の展開も、なかなか予想がつかないところがこの作品ならではの魅力だと思います。

ことばを超えて芝居で手を取り合い、
信頼をつないだ撮影期間
LANDOER:今回は「教師と生徒のバディ」ともいえる珍しい設定でしたが、一緒にお芝居をされてみていかがでしたか?
浅香:…。
杢代:めちゃくちゃ考えるじゃないですか!いま、ライターさんより僕がソワソワしちゃいましたよ!なんか悪いことしちゃったのかなって。
浅香:あ、好きな飲み物が一緒でした!
杢代:そうじゃなくて。なんかこう、現場で僕のこういうところが素敵だったとか…。
浅香:いつもルイボスティーなんだよね、僕ら。
杢代:そうそう。僕らルイボスティーでね、ずっと一緒で…ってそういう話じゃないんですよ!
浅香:違うか(笑)。
LANDOER:お二人の仲の良さが伝わってきます(笑)。

杢代:真面目な話をすると、この作品は水戸先生が物語を動かしていき、遠山はそれに影響を受ける役なので、セリフ量が浅香さん8:僕2くらいになることが多かったんです。最初のほうは緊張感が強かったのですが、だんだん現場の空気に慣れてきてからは、お互いに芝居の話をしなくても自然と掛け合いが噛み合うようになった実感がありました。撮影が中盤から後半へと進むにつれ、浅香さんのセリフの言い回しがカットごとに少しずつ変化していることにも気づけるようになって。先輩の姿を見て学ばせていただくことが多かったです。
浅香:いまの佇まいからもわかるように、本当にしっかりされているんです。最初にご挨拶をしたときに「生徒は僕が引っ張っていくので、任せてください」と力強いことばをいただいたのですが、実際にその通り、生徒みんなを引っ張ってくれました。バディといってもずっと一緒に撮影していたわけではないけれど、彼が現場にいてくれることに本当に安心感がありましたし、一緒に現場を引っ張っていくことができたと思います。とても心強かったです。
LANDOER:撮影を重ねるごとに絆が深まっていったんですね。
浅香:日を追うごとに“芝居のシンクロ率”が高まるのを感じていました。撮影の合間にもたくさんお話しさせてもらって、いろいろな意見を交換できたのも楽しかったです。最後の最後には心の底から笑い合える関係になったんじゃないかな、と。
杢代:そうですね。最初にご挨拶させていただいたのがポスタービジュアルの撮影だったのですが、そこで浅香さんから「趣味でカブトムシを捕っている」というお話を聞いたときは、ちょっとわかりあえないかもと思ったんですけど…。
浅香:なんでだよ(笑)。

杢代:僕は虫が苦手なのもあって、「夏は虫取りに行きます!」って聞いても理解ができなかったんです(笑)。でも、その回答ができるってすごくユーモアがあるじゃないですか。そこから気さくにお話しできるようになりましたし、話すたびに自分が知らないことをたくさん教えてもらえて楽しかったです。先輩でありながら、僕の目線に合わせて同じテンションで話してくださる姿に、お芝居はもちろん、人としても尊敬できる部分がたくさんあると感じました。
浅香:まったく目線合わせたりしてないよ。素のまんまだから(笑)。
杢代:僕にとっては、対等な目線で話してくれるというだけでもすごくありがたかったです。
LANDOER:浅香さんは、撮影期間を通じて杢代さんの印象は変わりましたか?
浅香:僕は最初からしっかりしている印象でしたね。
杢代:全然おもしろくないじゃないですか、僕。ユーモアもないし…。なんか、おもしろくない人みたいで嫌ですわ~。
浅香:この感じがね、おもしろいですよね(笑)。正直そこに甘えているところもあります。撮影期間中ライブが重なっていたみたいで、グループ活動が忙しいなかずっと現場に来ていたのですが、疲れた顔ひとつ見せずに一生懸命現場に立っている姿が本当に素晴らしくて、尊敬していました。

シリアスな物語にコミカルなエッセンスを⸺
個性的な登場人物たちも魅力のひとつ
杢代:現場ではかなりシリアスなシーンの撮影が続いていたので、よく「浅香さんの笑っている顔を忘れちゃいます」と話していました(笑)。もちろん笑顔を見せるシーンもあるのですが、水戸先生の笑顔って結構怖いんですよ。だから「浅香さんってどんな顔して笑いますっけ?忘れちゃいそうです」と、確認していたのを覚えています。
浅香:本当に笑顔のシーンが少ないんですよ。僕らのシーンでもほぼないよね?
杢代:ないですね。遠山は人と接することに恐怖心があるので、たまに見る水戸先生の笑顔もずっと疑っていましたし。
浅香:どちらかというと、周りが個性的なキャラクターばかりだったので、それを受けて僕らも明るくなるようなところがありました。
杢代:そうですね。僕の場合は部室のメンバーと笑うことのほうが多かったです。でも浅香さんが、毎日ゆでたまごをお気に入りのお塩で食べているところ、ちゃんと見ていましたよ。「あ、今日もたまご食べてるな」って。
浅香:あはは。お塩にこだわっていて、各地から取り寄せたお気に入りのものをかけて食べていたんです。僕は逆に、休憩中にごはんを食べに行っている姿を見て「いいな~」と思ってたよ。
杢代:ですよね。本当ごめんなさい!僕、その時間が気持ちの切り替えになっていて…(笑)。
浅香:いつも「何食べたの?」って聞いてね。
杢代:「今日はラーメンです」って。ラーメン、パスタ、ラーメン、ラーメン、カフェ、ラーメン、ラーメンがメインのラインナップでした(笑)。

復讐を誓う一人の人間として、
教師として、生徒として、
それぞれの〈正義〉がせめぎ合う『仮面教師』
LANDOER:では少しお芝居の話に戻って。先ほどお二人もおっしゃっていたように、物語が進むにつれて水戸も遠山も少しずつ変化していく本作ですが、お互いの役が変わっていく過程をどのようにご覧になっていましたか?
浅香:遠山に関しては、最初は水戸を含めた周囲の人たちに心開いていなかったものの、いろいろな確執を乗り越えるなかで、視線や表情のやりとりを通じてどんどんつながりが強くなっていくのを感じていました。ことばをたくさん交わしたわけではないけれど、視線だけでも彼の変化が伝わってくるお芝居でした。どう?
杢代:遠山は単にみんなと打ち解けていくというよりも、水戸先生からいろんな影響を受けて自ら復讐に協力するようになるんですよね。その変化をきちんと表現するために、台本を読むときには「このシーンの時点では、遠山と水戸先生のあいだに何が起きていて、それに対して彼はどう思い、そこからどのくらい成長しているのか」という段階まで考えて、撮影中も二人の空気感や成長の幅を記憶した状態で演じるようにしていました。

LANDOER:一方で、遠山の目に水戸先生はどのように映っていたのでしょうか?
杢代:遠山は水戸先生が復讐する場面に立ち会うことが多く、悪いことをした人たちに向けた「これはいま、先生として言っていないだろうな」と思うようなことばから、先生の本心を垣間見ていました。教師ではあるけれど、そもそも復讐のために教師になったという背景があるので、先生自身も大きな葛藤を抱えつつ変化の段階を踏んでいっているんだろうな、と思いながら。水戸先生の復讐の仕方をもう少し教えてくれれば、僕もわかりあえたかもしれないのに…!
浅香:違うのよ。やっぱり生徒をどこまで協力させるかっていう葛藤もあるんですよ。本来、復讐は自分だけでやり遂げるべきものだと思っているので、遠山を頼りながらも「巻き込んではいけない」という思いももっていて。あと、水戸としては復讐のために学校に入ってきてはいるものの、復讐を果たしてしまったらどうなるのかが怖いところもあるんです。大切な妻を亡くした哀しみから目を背けて、復讐で自分の心を支えている。終わってほしいけど、終わらせたくない⸺そんな葛藤を常に抱えていて。ただの復讐劇ではなく、水戸も遠山もそれぞれが自身の問題に向き合いながら、人間として成長していく物語になっていると思います。



中京テレビ・日本テレビ系全国ネット 水曜プラチナイト
『仮面教師~妻を亡くしたその日から』
毎週水曜 24時24分~
出演:浅香航大 杢代和人
北乃きい 川島海荷 ひょうろく
袴田吉彦 西尾まり
荒木飛羽 簡秀吉 井内悠陽
酒寄楓太 財木琢磨 藤井美菜
山崎竜太郎 冬野心央 松本仁
植野花道 藤林泰也
白鳥晴都 / 観月ありさ
主題歌:原因は自分にある。
「ドパミン・シンギュラリティ」
(SDR / Polydor Records)
監督:河原瑶 瀬野尾一 山下和徳
Staff Credit
カメラマン:髙橋耀太
ヘアメイク: 増澤拓也(浅香)、SUGA NAKATA(GLEAM)(杢代)
スタイリスト: 根岸豪(THE Six)(浅香)、ホカリキュウ(杢代)
インタビュー・記事:満斗りょう
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