日本テレビ『真犯人フラグ』
緻密に組み立てられたフラグたち
各所で巻き起こる〈心理戦〉の嵐、上陸
悪口、噂話、スキャンダル、言葉の端々にごく自然に織り込まれる〈悪意〉。言葉は、文字は、気づかぬうちに誰かの心に見えない傷を残すことがある。そしてそんな傷を優しく癒してくれるのも、何気ない言葉の絆創膏だったりする。佐野さんの口からこぼれる言葉には、いつもきらりと光る優しい〈好意〉がある。立ち止まることのできない日常の中で、思わず「ふふ」と笑ってしまうような不思議な力がある。そんな俳優・佐野勇斗が出会った、とある家族の物語。勝手に創造される数々の〈悪意〉の真相とは？真犯人の紡ぐ物語は、まだ動き出したばかり――
日本テレビ『真犯人フラグ』
－あらすじ－
現在、平和なはずの日本では、毎年、８万５千人以上もの行方不明者が出ている。その中で、緊急性・事件性があると判断され、警察が捜索に乗り出すケースは、ごくわずかだ。警察の判断を覆すのに必要なこと―――それは、世間に注目されることかもしれない。しかし。ひとたび世の注目を集めると、別の“不幸”が生まれる。不可解な事件が起こった時、世の中の人々はこぞって、手に入る限られた情報をもとに、名探偵のごとく“推理”し、その背景の“物語”を想像する。国民の多くが発信するツールを手にした2021年。まさに、一億総“推理作家”時代。数多の人々の口と指とペンによってあらゆる“物語”が生まれ、その“物語”はまた別の“物語”を食らい増殖し肥大化していく…。一体、何が本当で何が嘘なのか…？この物語の主人公は、図らずも、そんな無数の“物語”の“主人公”になってしまった男。ある日、忽然と消えた妻と子供たち―――。必死で行方を捜すが、手がかりすら見つからない。そして。集まった同情は、一夜にして方向転換される。あの旦那が殺したんじゃないの？真犯人フラグが立ったが最後、疑惑の目を向けられ、追い詰められていく主人公。愛する家族を無事取り戻すことはできるのか・・・！？果たして、真実はどこにあるのか！？半年間の壮絶な戦いが始まる―――！！
この事件、あなたなら、どんな“物語”を想像しますか？
－橘 一星（23）－
光莉（原 菜乃華）の彼氏。大学4年生。アメリカ留学後、2年前にITベンチャー『プロキシマ』を立ち上げた若手企業家。都心のシェアオフィスの一角で自社を経営している。凌介（西島秀俊）と共に失踪した家族を捜索することに。
橘 一星 × 佐野勇斗
一星は株式会社プロキシマというベンチャー企業の社長で、僕と同じ23歳の若手起業家。小さい頃に父親が逃げて、母一人子ひとりの母子家庭で育ったという複雑な家庭事情の持ち主でもあります。お母さんの「定食屋をやりたい」という夢を自分の稼ぎで叶えてあげている心優しい青年であり、西島さん演じる相良凌介の娘さん、光莉の彼氏という役どころです。Huluのスピンオフドラマでは、一星の生い立ちや光莉と付き合ったキッカケが描かれているので、そこも含めて楽しんで欲しいですね。
放送前から心優しいはずの一星が
真犯人フラグ1位でしたが…
なんかおかしいんですよ(笑)！放送前から1位って、そんなことあります(笑)？よく「どんな気持ちなの？」と聞かれるんですけど、光栄なのかなんなのかよく分からない気持ちで…(笑)。僕らキャスト陣も誰が犯人なのかまったく分かっていない状態なので、もしこれで僕が犯人だったらバレてしまっているわけだし…でも名前があがるのは嬉しいし…みたいな複雑な心境です(笑)。
今回のドラマは視聴者の考察にも注目ですが、
佐野さんご自身は放送後に考察を読まれましたか？
正直、気にはなっています。僕自身がちゃんと芝居できているのかも気になりますし、そこは視聴者の方の声で確認したいところではありますね。
キャスト陣も犯人が分かっていない状態の中で
意味深な視線や表情の芝居をするのは難しそうだな、
と思ったのですが…
すごく難しいですね。ある程度先まで自分の役の展開を知ってはいるんですけど、なにせ全20話あるので、僕自身は後半の物語がどうなっていくのかが分からない状態で撮影をしているんです。監督やプロデューサーの方は構想が見えていらっしゃるので「ここをこうして」と指示してくださるんですけど、僕の思う「ここはこういう感情だよな」という芝居に対して違う指摘をされることもあって。他の作品と違って、現時点の一星の感情だけでは演じることができないのが難しいです。
佐野さんご自身で台本を読んで
「この人怪しいな」と考察したりしますか？
します！僕自身も展開が分かっていないので台本を隅々まで読むんですけど、同じシーンの撮影をしている人の中で「怪しい…」と思っているのは瑞穂ちゃん（芳根京子）。そもそも役の立ち位置がすでに怪しいじゃないですか(笑)。よく芳根さん自身にも「犯人やってるの？」と聞くんですけど、「本当に何も知らない」と答えられて…。もしかしたらそれすらも演じている可能性があるな、と探っています(笑)。僕だけでなく、現場にいる出演者同士でよく「犯人でしょ？」と考察し合っているので、ずっと人狼ゲームをしているような感覚なんですよ(笑)。それもすべて、みんなで和気あいあいと話せる空気を西島さんが作り出してくださっているおかげだと思っています。
現場でもそんな考察が(笑)。
一世を風靡した『あなたの番です』チームが
制作している『真犯人フラグ』、
佐野さんが感じる撮影の
こだわりポイントは何ですか？
一つひとつの言動が伏線や考察に繋がってしまう作品なので、撮影中は他現場に比べてかなり細かい指示を監督から受けています。それは僕に限らず出演者全員。例えると「赤色で」ではなく「朱色で」とオーダーされるような感覚です。出演者全員がめちゃくちゃ繊細な芝居をしているところが、この作品でこだわられている部分だと感じますね。僕らも現場に入るまで知らないことがあったりするので、その場でお願いされたことに瞬発的に答えを出していかないといけないんです。役者陣のみならず、スタッフさんたちのチームワークがないとできない作品だな、と思います。
では、同作品2クールでのドラマ出演への
意気込みをお願いします。
まずはとにかく放送期間が長いので、いろんなキャストさんがいらっしゃる中で一星が魅力的な人物になれたらいいな、と思っています。それは「飽きさせない」といった意味も込めて。観てくださる方たちに飽きられない芝居をしたいですし、考察隊員の方たちがどんどん盛り上がっていけるような作品をチーム一丸となって作っていきたいです。日本中を巻き込んでいけるよう頑張ります！
Dear
LANDOER読者 about『真犯人フラグ』
僕自身の見どころとしては、第3話で一星の大まかな自己紹介があって、きっと皆さん好青年な印象を持ってくださったと思うんですけど…いや持たれていなかったら怖いな…(笑)。でも、英語も話せて社長で誠実でお母さん想いの一星なので、彼氏にしたいナンバー１にはなれていると思います(笑)！で、そんな一星がどうなっていってしまうのか…どう事件に絡んでいくのかを楽しんで観ていってほしいです。作品としては、いまは誰が犯人かまったく分かっていないので、言ってしまえば30人ほどいる出演者全員が容疑者になっている状態じゃないですか。全員が怪しいからこそ、観てくださる方によって注目するポイントが違うと思いますし、「そんなところまで観るんだ」と思うほど細かいところまで考察している方もいらっしゃるので、視聴者の皆さん同士で考察し合って『真犯人フラグ』の輪を広げて楽しんで欲しいと思います。
日本テレビ『真犯人フラグ』
出演：西島秀俊 芳根京子 佐野勇斗
桜井ユキ 生駒里奈
柄本時生／田中哲司／宮沢りえ ほか
企画・原案：秋元康 脚本：高野水登
Staff Credit
カメラマン：YURIE PEPE
ヘアメイク： 望月光（プエンテ）
スタイリスト：伊藤省吾（sitor）
インタビュー・記事：満斗りょう
ページデザイン：吉田彩華
