【窪塚愛流×蒔田彩珠】映画『ハピネス』眩しいほどに愛おしくこの瞬間を生きる貴方を心に焼きつけた〝永遠の7日間〟の物語

窪塚愛流×蒔田彩珠

映画『ハピネス』
眩しいほどに愛おしく
この瞬間を生きる貴方を心に焼きつけた
〝永遠の7日間〟の物語

遅かれ早かれ、私たちの物語には終わりがくる。誰もが同じ結末を迎えることが分かっている、世界で唯一の『私』という絶対的な物語。その物語の一節、ハプニングが起きた時に「大丈夫」と信じられる強さ、哀しいことが降りかかった時に「何をしようか」と前を向ける強さ、独りじゃ書けなかった〈強さ〉を記す勇気をくれた大切な人、そして、その勇気を読む決意をしてくれた人。これは、勇気と決意のペンを取り、7日間の〝永遠のハピネス〟を書き記したふたりの書き手の物語。

映画『ハピネス』

―introduction―

映画『ハピネス』
©嶽本野ばら/小学館/「ハピネス」製作委員会

「私ね、あと1週間で死んじゃうの」
恋人の突然の告白からはじまった“ふたりの7日間”は、
悲しいけれど、幸福と愛に満ちあふれた、かけがえのない奇跡だった──。

残り少ない日々を命の限り輝かせようとする少女と、そんな彼女の夢を全力で支えようと奔走する少年とが繰り広げる、純度100%のラブストーリーがここに誕生した。物語の主人公は、心臓の病気のため、医者から余命1週間と告げられた高校2年生の由茉と、突然の告白に戸惑いながらも、彼女との幸せな日々を一緒につくりあげることに協力する恋人・雪夫。逃れられない運命に対する絶望や動揺、怒り、悲しみなど、すべての感情を抱え込んだ上で、慎重に生きることよりも、残りの人生を笑顔で、幸せに過ごすことを選んだ2人。「下妻物語」の作者・嶽本野ばらによる同名小説を人間ドラマの名手・篠原哲雄監督が映画化。自分らしく生きるということがどれほど尊くて、ハッピーなことなのか。奇跡のような7日間の物語に、きっと誰もが“ハピネス”に包まれる──。

-あらすじ-

高校の美術室で出会った、由茉(蒔田彩珠)と、雪夫(窪塚愛流)。好きな作家の画集を見て、好きな本の話をする…。そんな二人の平凡な日々は、「私ね、あと1週間で死んじゃうの」という由茉の突然の告白によって一変する。その言葉に雪夫の心は乱れ、気持ちが追いつかずにいたが、彼女はすでに自分の運命を受け止め、残りの人生を精いっぱい生きると決めているようだった。そんな思いを受け止めた雪夫は、彼女との残り少ない日々に寄り添う決意をする。

国木田雪夫役
窪塚愛流
×
山岸由茉役
蒔田彩珠

『ハピネス』
×
窪塚愛流 蒔田彩珠

LANDOER:まず、蒔田さんから見た雪夫、窪塚さんから見た由茉は、どんな人物だったか教えてください。

蒔田彩珠(以下、蒔田):由茉と雪夫は、由茉にないものを雪夫が持っていて、雪夫にないものを由茉が持っている、とてもバランスの良いカップルだったと思います。由茉には余命を受け入れる〈強さ〉があったけれど、最初、雪夫にはそれが足りなくて。最後の7日間をふたりで過ごし補い合っていくうちに、どんどん成長して強くなっていったのが雪夫だったな、と。

窪塚愛流(以下、窪塚):蒔田さんのおっしゃったとおり、由茉は本当に強い女の子でした。それは、自分の余命を受け入れる強さだけでなく、恋人に“伝える強さ”も持っているという意味で。もし雪夫が由茉の立場だったら、きっと病気のことは打ち明けずにいたと思うんです。でも由茉は、色々な思いを抱えながらも恋人の前では顔色を変えず、堂々と病気のことを伝えてくれた。そんな、“自分の気持ちを伝える強さ”にとても長けた女の子だと思います。

映画『ハピネス』
©嶽本野ばら/小学館/「ハピネス」製作委員会

役とともに
学び合い、高め合う2人の俳優が作り上げた、
感動のワンシーン

LANDOER:一緒に作品を作り上げていく中で、お互いに「ここが素敵だったな」「ここのシーンの撮影が印象的だったな」と、感じたことはありますか?

蒔田:窪塚さんはとてもまっすぐな方で、作品はもちろん、役にも、監督やキャストの皆さん一人ひとりに対しても、本当にまっすぐ向き合われていて素敵だな、と思いました。

LANDOER:雪夫のやさしさにも通ずる部分ですね。窪塚さんはいかがでしょうか?

映画『ハピネス』
©嶽本野ばら/小学館/「ハピネス」製作委員会

窪塚:作中に由茉が長台詞を言うシーンがあるのですが、僕の目には、蒔田さんが長台詞を楽々とこなされているように見えて「さすがプロの女優さんだ!」と思いました。僕だったら、「ついに来たか…!」と身構えちゃうだろうな、と(笑)。蒔田さんはそんな姿勢を一切見せずに演じられていて、とてもかっこよかったです。

蒔田:あはは(笑)。ありがとうございます。

窪塚:本作の篠原(哲雄)監督はリハーサルをしっかりとされるタイプだったのですが、クライマックスシーンの撮影の時に、蒔田さんが監督に「次、本番でやらせてください」と相談していたのも印象的でした。蒔田さん、覚えてる?

蒔田:覚えてない(笑)。

窪塚:何度もリハーサルをすると、本番の時に気持ちが薄れてしまうことを誰よりも考えて、監督に直接伝えていたのだと思います。女優さんとしてかっこよかったです。とても勉強になりました。

蒔田:思い出しました。その撮影、すごく長いシーンだったんです。本番への気持ちの持っていき方を考えつつ、「何回もやったら台詞が飛んじゃう!」とも思い、すぐに本番で演じさせていただけるようお願いしました

窪塚愛流×蒔田彩珠

“生きる”と“息をする”は、似て非なるもの。
映画『ハピネス』で描かれた“生きる”ことと、
今日を生きる私たち

LANDOER:この作品を経て、改めて“生きる”ことについて、どのように考えられましたか?

蒔田:由茉と雪夫は、大切な自分、大切な人の死と向き合い「好きな人と好きなことをしたい」という一心が生まれたからこそ、最後の7日間を大切に生きることができたけれど、普段、私たちが生活をしている中で、ふたりのように「一日一日を大切に過ごそう」と改めて思うことはなかなか難しいと思うんです。私の場合は、この映画に関わらせていただくことで「今までより少しでも丁寧に毎日を生きたい」と、思うことができました。

窪塚:僕も同じ意見です。加えて、人に対して「いいな」と思った時には、照れや恥ずかしさを一旦忘れてその場できちんと伝えるようになりました。思ったその瞬間、人に伝えることがどれだけ素敵なことなのか、大切なことなのかを考えるようになりました。

LANDOER:その瞬間を逃してしまったら、伝えられなくなってしまうかもしれないですものね。

窪塚:はい。“当たり前なこと”は何もないと思うので、「また今度」と思わず、伝えられる時に気持ちを包み隠さず伝えるようにしています。

窪塚愛流×蒔田彩珠

Dear LANDOER読者
映画『ハピネス』

From 窪塚 愛流

この物語は高校生ふたりのラブストーリーですが、由茉のお父さんとお母さんからの視点など、老若男女どなたでも共感していただける作品になっていると思います。きっと、観た後に皆さんの心に留まる感情があるはず。人それぞれ感じることは違えど、留まったすべての感情に間違いはないと思うので、その想いを大切に一日一日を幸せに過ごしていただけたら嬉しいな、と思います。

From 蒔田 彩珠

私たちがこの作品を通して「一日一日を丁寧に生きよう」と思えたように、本作が、観てくださる皆さんにとって「自分の人生や周りにある人生がいかに当たり前ではないものか」を、考え直すキッカケになることができたら嬉しいです。

窪塚愛流

窪塚愛流

くぼづか あいる

10月3日生まれ。
ハピネスの予感に駆け寄り、
屈託のない〈愛〉をまっすぐ高鳴りに流し込むDOER

蒔田彩珠

蒔田彩珠

まきた あじゅ

8月7日生まれ。
嘘のない清々しい在り方、
〈凛〉と伸びるものさしで“自分だけのハピネス”を彩ってゆくDOER

映画『ハピネス』
5月17日(金)より全国公開

原作:嶽本野ばら『ハピネス』(小学館文庫刊)
監督:篠原哲雄
脚本:川﨑いづみ
出演:窪塚愛流 蒔田彩珠
   橋本愛 山崎まさよし 吉田羊
配給: バンダイナムコフィルムワークス

映画『ハピネス』
©嶽本野ばら/小学館/「ハピネス」製作委員会

Staff Credit
カメラマン:小川遼
ヘアメイク:中山八恵(窪塚愛流)
      山口恵理子(蒔田彩珠)
スタイリスト:上野健太郎(窪塚愛流)
       小蔵昌子(蒔田彩珠)
インタビュー:満斗りょう
記事:満斗りょう、鈴
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