【原因は自分にある。】ミュージカル『オープニングナイト』〜桜咲高校ミュージカル部~舞台上で咲き誇る3人の〈夢〉よ、貴方に届け

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ミュージカル『オープニングナイト』
~桜咲高校ミュージカル部~
舞台上で咲き誇る
3人の〈夢〉よ、貴方に届け

大人になるにつれ〈ガムシャラ〉という言葉と距離を置くようになった気がする。夢を追いかけるなんて、もしかしたら「カッコ悪いこと」なんじゃないか、と。でも、彼らの話を聞いて「そんなわけがない!」と、忘れかけていた〈ガムシャラ〉が胸を叩いた。驚くほど真っ直ぐで、目が開けれないほどに眩しい彼らの夢。その夢への幕が上がる時、ステージライトが『青春』を照らす――!

ミュージカル
『オープニングナイト
~桜咲高校ミュージカル部~
(team Blue)

オープニングナイト

-あらすじ-

超エリート進学校の熱血高校教師テッペイ(横山だいすけ)は、新入生を迎え入れる準備をしていた。入学してきたマイト(武藤潤)は、小さい頃からの夢だった「ミュージカル俳優になること」を学校で実現するためミュージカル部をつくろうと、しっかり者の親友ヒロキ(杢代和人)と共に、部員集めに奔走する。顧問をテッペイに頼むも、テッペイは歌が大のニガテ…。しかし、一目見たときから密かに思いを寄せる保健室の先生ミオ(三倉佳奈)がミュージカル好きであることを知り、つい勢いで顧問を引き受けてしまう。ようやく集まった部員たちも、厳格な学園の理事長(福井貴一)の子どもであるがゆえに自分の夢を打ち明けられないオウタ(大倉空人)をはじめ、妹のサラを溺愛する不良生徒ユージ(瑛)、計算高い食いしん坊のタロウ(中谷優心)、ダンス力抜群のいじめられっ子ソースケ(村上貴亮)と、皆それぞれ悩みを抱えている一癖も二癖もあるメンバーばかり…。創部に大反対する学問至上主義の校長(湖月わたる)と、校長に頭の上がらない教頭(野々村真)が立ちはだかる中、果たしてミュージカル部は舞台初日「オープニングナイト」を迎えることができるのか?メンバーたち、テッペイのそれぞれの結末は…?

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初演から4ヶ月での再演。
次はどんなステージにしたいですか?

大倉空人(以下、大倉):どんなステージにしたい?

杢代和人(以下、杢代):まあでも、前回を超えていきたいよね。

大倉:前回は、役について一から考えて稽古に入る必要があったじゃん。でも今回は、自分の役や舞台について初演の頃よりも理解ができてると思うの。だからこそ物語中での心の変化とか、マイトやヒロキ、オウタの成長をもっと分かりやすく見せていきたいよね。

杢代:うん。一度千秋楽を迎えているからこそ、僕らの感じた感動をお客さんに「伝えたい」って気持ちも倍増してるしね。「あ、この舞台はこんなに人の心を動かすことができるんだ」ってことが分かったからこそ、僕たちの力でさらに良い舞台に仕上げていかなきゃと思う。そこは今回の新たな課題であり、頑張っていきたい部分かな。

大倉:そうだね。今回も大きな会場なので、もっと僕らが熱量出して伝えていかないといけないね。前に前に出していかないと伝わるものも伝わらないし。作中で「ここでしか届けられないものがある」って歌ってるじゃん。本当にその通りだと思うの。「ここでしか届けられなかったな」と思ってもらえる舞台にしたいよね。

武藤潤(以下、武藤):マイト的にもそうですね。一回目を超えていきたいです。

杢代:おい、マイト~(笑)!

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期間を空けて、再度同じ人物を演じるにあたって
なにか考え直したことはありましたか?

大倉:僕の演じるオウタは、父親との関係が上手くいっていない男の子なんですけど、初演の頃は「どうしてオウタは父親に対してこんな態度なんだろう」というのを深く考えすぎて、大事な物を見失っていたんです。オウタくらいの年頃って、単純に反抗期だったり恥ずかしかったりして、親と仲良くできないことってよくあるじゃないですか。それを踏まえて、今回は以前の自分が考えていたオウタよりも「もっとライトに捉える」ということを意識するようにしています。父親と夢、この2つに向けて放たれるオウタの熱さを前回よりさらに表現していきたいです。

LANDOER:確かに、言葉にできない「なんとなく嫌」って気持ちありますよね。

大倉:そうですよね。前回は「なんとなく嫌」っていう、理由をつける必要のないことに理由をつけようとして芝居の中で絡まってしまっていた気がして。オウタの成長の過程を皆さんに届けるためにも、最初と最後の彼の心情をもっと結びつきやすいように分かりやすく演じていきたいと思っています。

杢代:僕は自分が男子高校生ということもあり、スッと役に入ることができました。現役高校生だからこそ演じられる「リアルなお芝居をお届けできたらな」と思いますね。そんな僕にもね、真面目なシーンがあるんですよ。

大倉:そんな僕にも(笑)。

杢代:潤くんと2人でのシーンなんですけど、そこのシーンは心がかなり動かされるシーンなので、前回よりさらに魅せていきたいと思っています。

大倉:本番中、2人で泣いちゃってたもんね。

杢代:そうなんですよ。

武藤:あ~!

大倉:え、忘れてないよね?絶対忘れちゃダメなシーンよ?

武藤:あのシーン、いいよね。

大倉:大丈夫?あのシーンちゃんと残ってる?

武藤:ちゃんと残ってるよ!次はヒロキを号泣させられるくらい頑張ってみようと思います。

大倉:泣き終わった2人、かっこよかったよ。「良かったよ」って言いながら次の位置に向かっていく感じ。

武藤:…。

大倉:大丈夫?本当に覚えてる(笑)?

杢代:覚えてるよね?恥ずかしいんだよね(笑)?

大倉:あ、そういうお年頃か~(笑)。

武藤:違うわ(笑)!覚えてますよ!しっかり(笑)!マイトに関して言うと、彼はいろんな逆境に立ち向かっていく勢いのある男の子なので、「大人の意見に負けねーぞ」という意思をもっと前面に出していけたらいいな、と思います。マイト自身、過去にいろいろあった人なんですけど、そこも含めて観ている人に彼のことを分かってもらいたい。そういった考え方になったのは前回からの大きな変化ですね。

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お三方は『原因は自分にある。』として
一緒にステージに立たれていますが
まったく違う舞台に共に立つ仲間を見て
いかがでしたか?

杢代:僕はステージとはいえどライブとは全く違う舞台で緊張していたんですが、この2人がマイトとオウタ役で心強かったです。ミュージカルの知識もなければ、舞台に立ったこともない。そんな自分の新しい挑戦に、共にやって来た仲間と一緒に挑むことができるのは純粋に嬉しかったですし、頼もしかったです。分からないことも聞けましたし、一緒に考えることもできたので2人がいてくれて本当に良かったな、と思います。

大倉:僕が2人とミュージカルの舞台に立ってみて思った、ライブの時との一番の違いは「歌い方」。歌声の違いがすごく新鮮でしたね。ゲンジブのライブ中は「あ、カッコつけてるんだな~」と(笑)。

杢代:みんなそうだよね(笑)。

武藤:まさに僕も同じことを言おうとしていました(笑)。普段僕らが歌っている楽曲とは違うジャンルの曲を披露している2人を見るのは新鮮でした。

確かに「歌声」は見どころの一つですね!
歌い方の違いで苦戦したところはありましたか?

大倉:自分たちの癖を直して、違いを見せるのが本当に大変でした。いつも通り歌っていちゃダメなので。それが一番大変じゃなかった?

武藤:以下同文。

大倉:以下同文(笑)。ただ、普段の僕たちの楽曲ってあまり馴染みのない言葉や難しい言葉が歌詞に入っているんですけど、ミュージカルの曲は自分の想いがそのまま音にのっているような歌詞なので、きっとゲンジブの曲より意味が伝わりやすいんです。歌う身としても「お前が必要だ!」「俺はこれがしたい!」など、真っ直ぐな言葉で構成されているので歌詞の読み取りもしやすくて。ただ、慣れない歌い方で伝えるのが難しかった…(笑)。 

杢代:僕はお芝居して、歌って、お芝居に戻る、を繰り返すのが難しかったです。芝居を続けながら「そこにただ歌があるだけ」という意識に持っていくまでに苦戦しました。

大倉:あぁ、分かるわ~。

杢代:セリフを言うように歌を歌うのって難しかったよね。

武藤:分かる。しかも僕、舞台の最初に歌うんですよ。いつもそこの歌い出しがめちゃくちゃ緊張します(笑)。

大倉:本当の最初だもんね。あの時、潤くん何考えてるの? 

武藤:マイトと同じように入学式の時の自分を思い出してる。小学校や中学校の入学式で感じていた「これからどんな生活が待っているんだろう」ってワクワクした気持ちを。「楽しくマイトになりきって歌っています!」…と、断言したいけど実際はすごい緊張しています…(笑)。

杢代:僕、隣で聞いてるんですけど、潤くん独特の緊張感がありますもん。で、一言目歌った瞬間にほぐれる、みたいな。

武藤:僕が歌い出した瞬間から舞台が始まるんですよ。前回、何度公演しても緊張がほぐれることはなかったですね。特にゲネプロの時はマックスで緊張したなぁ(笑)。

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舞台の先陣をきるのは緊張しますね!
タイトルでもある『オープニングナイト』は
「舞台初日」という意味ですが

初めて自分が舞台に立った日のことを
覚えていますか?

大倉:僕は6年前にEBiDANの研究生としてライブステージに立たせてもらったのが最初。当時はステージに立てることがとにかく楽しくてしょうがなかったです。今は「ここにMCがあるからこうしよう」とか「ここはこうやって歌おう」とか、6年前より考えることが多くなった気がします。あの頃は本当に何も考えずに「ただただステージに立って好き勝手やって満足して帰る」みたいな感じだったなあ。緊張なんてまったくしなかったし、ただ楽しかった記憶です。

LANDOER:逆にいまの方が緊張するんですね。

大倉:そうですね。いろいろと考えることが増えてきて。歌割りやMCなど、あの時は知らなかったことをどんどん知っていくうちに緊張するようになりました。いまはもうド緊張です(笑)。

杢代:僕もEBiDANの研究生としてのライブが初めてだったんですけど、僕の場合は最初からめちゃくちゃ緊張していました(笑)。初めてのステージに出る前に、スタッフさんから僕の写真がツイートされている投稿の「いいね」の数を見せられたんです!で、「え、ちょっと待って。こんなにいいね数あるの!?」と思いながらステージに出たので、プレッシャーやら何やらで緊張しまくっていて…。いまだから言えるけど、当時は隣の小学生の子のフリを見ながら踊っていました(笑)。

大倉:分かる~!最初見るよね(笑)。

杢代:見る見る(笑)。

武藤:僕はギリギリまでマイクを持った状態でのパフォーマンスの練習をしていましたね。歌いながら踊るのってすごく難しくて。基本マイクは左手に持つんですけど、当時はそれがあまり分かっていなくて…

大倉:いまでも分かってないよね(笑)?

武藤:いまでも分かってないとか言うなよ(笑)!でも本当に、当時はリハの時すらマイクがなかったので大変でした。

経験を経て、
どんどんプロになってきたということですね。

今回の作品で共演者の皆さんや現場で
学んだこと、または学んでいることはありますか?

大倉:僕は福井さん(福井貴一)と親子役で一緒に歌う場面が多いんですけど、福井さんってリズムの取り方や声の強弱、アクセントの付け方が本当にお上手なんです。隣で歌わせてもらいながら、近い距離で福井さんの歌い方を学ばせてもらっています。

LANDOER:本当にお父さんみたいですね。

大倉:お父さんから学ぶ感じですね。稽古中はもちろん、舞台上での佇まいも「カッコイイ!」と思うことが多いので、福井さんの仕草をいつも観察しています(笑)。福井さん自身も「オウタ、こうやった方がいいんじゃない?」や「俺がこうしてオウタがこう返したら、お客さんからはこう見えるよ」といったアドバイスをくださるので、本当にお世話になっています。

杢代:僕はだいすけさん(横山だいすけ)です。だいすけさんとは稽古初日からご一緒する場面が多かったんですけど、最初、僕からだいすけさんにお話を聞きに行く余裕がなかったんです。でも、だいすけさんが来てくださり「お芝居を続けるイメージで歌を歌うんだよ」と教えていただきました。「歌を歌おう」と思って歌うと声量が出づらくなるけれど、「セリフの延長線上にピッチがあって、メロディーがあるだけ」と、だいすけさんに教えていただいたイメージを持って歌ったら上手く声が出るようになったんです。「声を出す時のイメージでこんなに変わるんだ」ということを学ばせていただきました。

武藤:僕らはみんなミュージカルの経験がなかったので、皆さんからいただくアドバイスの一つひとつが本当に勉強になりました。「ここはこうしたほうがいいよ」と、稽古の合間や休憩中に皆さんが教えてくださるんです。常に学ぶことがあって、新たな発見もできる。そんな楽しい現場でお芝居ができてありがたいです。

杢代:「僕たちからも声をかけていいんだな」と思わせてくださる優しいベテランの皆さんに助けていただいて。本当に温かい現場です。

Dear LANDOER読者 about
『オープニングナイト
~桜咲高校ミュージカル部~

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From 大倉空人(オウタ)

オウタの見どころは、作品の最初と最後における父親との関係性と心の変化です。オウタは最初はクールに振る舞っているし、父親の想いにも納得しているように見せているんですけど、実際は父親の意見に納得できていない子なんです。だけど抗えず、自分の夢を否定されて諦めようとしているところにマイトがやって来て。「オウタはこれからどうなるんだろう?」と思っていただきつつ、彼の成長も見守っていただけたら嬉しいです。そして、舞台の魅力は「ここでしか届けられないものがある」ということ。青春を感じることのできる舞台になっているので、僕らも「The 青春」の熱量をしっかりと皆さんに伝えていけるよう頑張ります。

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From 杢代和人(ヒロキ)

僕の演じるヒロキはもともとミュージカルに興味のない子。別にやりたいわけじゃないけど、親友のマイトに心動かされて「じゃあ手伝ってやるよ」という気持ちでミュージカルに関わっていく…という、観ている皆さんに一番近いキャラクターなんじゃないかと僕は思っていて。だからこそ「マイトの夢でこれだけの人が動くんだな」と感心するヒロキに共感してもらうことが、この舞台での僕の役目だと思っています。あとは時折、男子高校生らしいツッコミを入れる笑えるシーンもあるので、良い意味で舞台のアクセントになれたら嬉しいです。舞台の見どころとしては「夢を持つことの凄さ」を感じて欲しい。夢を追いかけている人ってめちゃくちゃカッコイイですし、いろんな人の心を動かしてその夢を実現させていく姿には、人を感動させる力があると思うんです。今回の舞台を観て、そういった「夢を追いかける凄さ、楽しさ」を感じ取っていただけたら嬉しいな、と思います。

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From 武藤潤(マイト)

エンターテインメント性のある部活動を全廃部にしている学校に、ゼロから「ミュージカル部を作りたい!」という強い想いを持って入学してきたマイト。舞台を通して、いろんな課題や壁を「どんどん乗り越えて行こう!」と動くマイトの“熱量”と出会った皆さんに、「夢に向かう勇気」を届けられるような作品にしたいと思っています。あとは、桜咲高校には僕ら3人以外にも個性豊かなキャラクターがたくさんいるので、是非そこにも注目して欲しいですね。この作品を観て、自分自身の青春時代を思い出していただけたらと思います。感動と笑いの詰まった舞台です。是非観に来てください!

オープニングナイト

ミュージカル
『オープニングナイト
~桜咲高校ミュージカル部~

新国立劇場 中劇場:
2021年10月29日(金)~11月7日(日)全12公演
(うち、team Blueは6公演)

出演:横山だいすけ 三倉佳奈 
福井貴一 野々村真/
武藤潤 杢代和人 大倉空人(原因は自分にある。)
瑛 中谷優心 村上貴亮 / 湖月わたる

脚本・演出・振り付け:岸本功喜
作曲・音楽担当/小島亮太

詳細は公式HPにて

2021 10月

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Staff Credit
カメラマン:YURIE PEPE
ヘアメイク:佐藤法子 
スタイリスト:加藤佑里恵(藤衣裳)
インタビュー・記事:満斗りょう
ページデザイン:吉田彩華