【広瀬アリス】月10ドラマ『恋なんて、本気でやってどうするの?』人間くさく〝お茶の間〟に寄り添いたい主演×プロデューサーのSP対談

広瀬アリス

月10ドラマ『恋なんて、本気でやってどうするの?』
人間くさく〝お茶の間〟に寄り添いたい
主演×プロデューサーのSP対談

「可愛い」「美味しい」「楽しい」、自分の〈好き〉だけで埋められたキャンバスは、心地好くて自由で安全。誰かの言葉に揺さぶられて自身を見失うこともない。そんな風に生きてきたし、これからだって生きていきたい。けれど時々、自分以外の誰かと一緒に世界をはじめたい朝がある。溢れる涙を自分以外のぬくもりで拭って欲しい夜がある。もし一歩を踏み出して、自分だけのキャンバスに他人の色を加えたとしたら…?その画はきっと、優しく温かく彩られるはず。独りのキャンバスに描かれた「恋なんて、本気でやってどうするの?」という大きな文字を、月曜10時にときめきの色で塗りつぶして――

対談相手:米田 孝プロデューサー (関西テレビ)

関西テレビ制作部所属。2017年フジテレビ系『僕たちがやりました』で初プロデュース。その後、『健康で文化的な最低限度の生活』、『まだ結婚できない男』、『竜の道 二つの顔の復讐者』などを手掛ける。

月10ドラマ『恋なんて、本気でやってどうするの?』

-あらすじ-

桜沢純(広瀬アリス)は、仕事も趣味も充実しているから恋なんていらない、がポリシーの27歳。ある日純は、街中でふと目にとまったフレンチビストロ『サリュー』で一人ランチを楽しむ。その店は、イケメンのギャルソン・長峰柊磨(松村北斗)目当てに女性客が殺到する人気店なのだが、食べるのが大好きな純は柊磨に目もくれず、シェフの岩橋要(藤木直人)が作った料理に舌鼓をうち、仕事柄使っている食器のチェックにも余念がない。後日、親友2人と女子会で再び店を訪れた純は、初めて柊磨の顔面偏差値の高さに気づく。しかし、色めき立つ主婦の清宮響子(西野七瀬)とアパレル店員の真山アリサ(飯豊まりえ)をよそに、純は柊磨にまったく興味を示さない。それどころか、「私の人生に恋愛みたいな不確定要素はいらない」と豪語し、2人をあきれさせる。ところが、そんな彼女に興味を持った柊磨の“ある言葉”に、純は思わずドキッとさせられて…。そんな中、純は会社の元先輩で、今はネイルサロンを経営している中川岬希(香椎由宇)から、営業の坂入拓人(古川雄大)が転勤先のシンガポールから戻ってくると聞かされる。拓人は高校時代の部活の先輩で、入社後に偶然再会した、純のかつての“推し”だった――。一方、コンビニ店員の克巳(岡山天音)は、パパ活中のアリサを目撃してしまう…。

-桜沢 純-

食器ブランド『相良製陶』の洋食器デザイナー。大事な展示会の仕事を任されるなど若きチーフとして上司からの信頼も厚いが、一方では、アラサーでありながら恋愛経験ゼロ。その上、結婚どころか恋愛への興味もゼロ。

広瀬アリス

今回、米田Pが純役を広瀬さんに
オファーした理由を教えてください。

米田孝P(以下、米田P):広瀬さんにオファーをした理由はたくさんありますけど、本人の前で言うのは恥ずかしい(笑)。

広瀬アリス(以下、広瀬):私もいま、めちゃくちゃ恥ずかしいです(笑)。

米田P:まず、広瀬さんのお芝居が間違いないというのはずっと観てきて知っていましたし、とにかく彼女は圧倒的に誰からも好かれている。桜沢純のキャラクターって、演じる人やお芝居のアプローチによっては観る人をイライラさせてしまう側面があると僕は思っているので、広瀬さん自身の愛される人間性をすごく重視していたんです。純が奥に秘めているものや抱えている想い、そういった表には出てこない彼女の奥行きを感じてもらえるキャラクターにしたくて。広瀬さん演じる純には、その奥行きがスパッと見えると思ったのが大きなオファー理由です。あと、実は『わろてんか』で演じられていたリリコ役がすごく好きで「いいな~」と思っていて。その後『知ってるワイフ』を観て、純役を広瀬さんに決めました。

広瀬:えー!ありがとうございます!

米田P:あともう一つ、僕が個人的にご縁を感じた話があるんですけど、実はすごいタイミングで広瀬さんにお会いしたことがあって(笑)。この作品の話を広瀬さんにオファーして「いざ明日、(広瀬さんの事務所の)社長にお話に行く!」と、ドキドキしていた日にある舞台を観に行ったら、まだ面識のない広瀬さんがたまたま隣に座っていたんです(笑)!

広瀬:そうそう(笑)!その時はお話もしたことなかったので、私は米田さんだとまったく分かっていなくて。

米田P:だから挨拶もできないですし、全然舞台の内容も入って来なくて(笑)。ただ隣から「あはは!」という笑い声が、ものすごく聞こえてくるという(笑)。

広瀬:あはは(笑)!面白い舞台だったので(笑)。

米田P:その時点で、勝手に一人でご縁を感じていました(笑)。

広瀬アリス
広瀬アリス

広瀬さんと同じ世代の純。
現場に入るまで、
どのように純を読み解かれていかれましたか?

広瀬:とにかく恋愛ドラマが初めてすぎて、本読みで他のキャストの方の雰囲気を見て現場で純を作っていけたらいいな、と思っていました。撮影の最初の方は女子会や1人のシーンが圧倒的に多かったので、そこで純のベースを作っていくようにしていました。

LANDOER:先ほど米田さんが「純は“観る人をイライラさせてしまう要素もある”」と仰っていましたが、広瀬さんはその辺をどう考えられていましたか?

広瀬:嫌な、というよりは“強い女性”だとか“自立している女性”だと思ってもらえればいいな、と思っていました。台本を読んだ時点で、人によっては「何だこの子」と思われてしまう子だということはすぐに分かったので、それも踏まえたうえで、北斗くん(松村北斗)演じる柊磨との出会いを通して、どんどん表情や感情が豊かになっていく純を表現したいと思いました。この作品はラブストーリーというのがもちろん軸にはあるけれど、人間の成長物語みたいな部分もあるんです。

LANDOER:一話で私たちが純に抱くイメージが、話数を重ねるにつれて変わっていきそうですね。

広瀬:話数を重ねるにつれて、柊磨に対して純の心がどんどんほぐれていくんです。私自身、急に柊磨みたいな人が自分の目の前に現れたら、純と同じように「分かりやすくこんなに危険な人物にいってはいけない!」と、絶対に警戒すると思うんですけど(笑)。でも、そう分かっていながらも人としてすごく惹かれてしまうのが柊磨の魅力なんですよね。こう、隙が見える人といいますか。

米田P:柊磨って〈魔力〉が必要で、あの台本のセリフをただ言うだけでは絶対に出せないものがあって。松村北斗さんは、その出せないものをすごく出せる方。

広瀬:出す。

米田P:出しますよね。

広瀬:出します。

米田P:僕はもう、本読みの前から柊磨は松村北斗さんをイメージして台本を読んでいたんです。で、本読みの時に松村さんがセリフを言った瞬間、広瀬さんが「そこに柊磨がいた」と言ってくれたのが僕としては良かったなと思って。

広瀬:もう一言目からめちゃくちゃ柊磨だったんですよ。「お、柊磨」って(笑)。本当に柊磨がそこにいると思ったんです。

LANDOER:お互いがどんな風に自身の役を作って来ているのか分からない本読みの段階で、すでに“柊磨”だったんですね。

広瀬:そうなんです。本読みってある意味ぶっつけで、例えそこで各自が考えてきた役のプランが少し違ったとしても本番までに修正すればいい場なんですけど、柊磨はその時点ですでに出来上がっていてびっくりしました。性格云々の話ではなく、柊磨の持っている雰囲気が北斗くん自身とリンクしていたんですよね。

米田P:そうそう。役者さんってもちろんお芝居の腕前もあるし、顔の綺麗さや可愛さもいろいろあるんですけれど、やっぱり〈佇まい〉なんです。その人が持っている空気感が大切で。さっきの広瀬さんの話も、彼女自身の人間味を含めた空気が“広瀬アリス”を作っているし、その空気が桜沢純に繋がって役を作り上げていくんですよね。キャスティングをする身としては、その人の持っている空気感が大事だと思っているので、そこが今回はお2人ともバチコーン!とハマったんです。

広瀬さんと松村さん、お2人のタッグが楽しみです。
では、この作品で米田Pが“描きたいこと”と、
広瀬さんが“表現したいこと”を教えてください。

米田P:僕が描きたいのは“人間くささ”。恋愛ドラマはやっぱり人間くさくありたいんですよね。人間のどうしようもなさや理屈に合わないことをしちゃう衝動、欲望に抗えない想いなど、そういうところが描けてこそドラマは面白いと思っていますし、恋愛って人間くささの最たるものだと思っているんです。恋愛という軸を使って、いままでと全然違う生き方を始める登場人物たちや、人の感情の面白さを愛おしく感じてもらえたらいいな、と。そのうえで顔を突き合わせて気持ちをぶつけ合うこと、そしてその先に見えるものがふんわりと伝わってくれたらいいな、と思います。

広瀬:私は純が成長していく姿や、柊磨と出会うことで表情と感情が豊かになっていく姿をどんどん見せていきたいと思っています。一話では「恋愛なんていらない」と言っているので、純と同じように恋愛に全然前向きじゃない方も観やすいと思いますし、いま恋愛をしている方には共感できる女子同士のぶっちゃけトークのシーンもありますし。幸せに導いているのか、不幸に導いているのかよく分からないような女子っぽい会話も出てきます(笑)。

LANDOER:こと恋愛の話となると、より曖昧な会話が出てきますもんね(笑)。

広瀬:そうですね。「ダメだけどいいんじゃない?」みたいな(笑)。綺麗事ばかりを描かずに、いまの20代後半の女性のリアルさを晒しているところが人間くさくて好きなんです。この作品が憂鬱な月曜日に少しでも前向きな気分や、“キュン”を届けることができたらいいな、と思っています。あとはお腹が空くほど美味しそうなものがたくさん出てくるので、そこも見どころです。

LANDOER:週の初めだからこそ、予告にあった「私は泣く女が嫌いだ」のと言い切る純の凛々しさにパワーをもらいたいと思いました。

広瀬:純ってめちゃくちゃ女らしい王道のヒロインではないんですよ。そんな彼女がどんどんと変化していく姿も見て欲しいですね。

米田P:可愛くなります。

広瀬:あははは(笑)!恥ずかしい(笑)!!

米田P:ちょっと「む~」となりながらも機嫌を直す可愛らしい純が出てきたり、途中“色”に魔物の“魔”と書いて“色魔”にもなったり(笑)。

広瀬:色魔(笑)。最初「どういうこと!?」と思いましたもん(笑)。

米田P:あはは(笑)。でも、広瀬さんの言っている「表情が豊かになる」というのは本当にそうだと思います。最初は強さが前面に出ている純が、柊磨の影響を受けて一皮も二皮もむけていく、そうやっていままで感じたことのなかった感情が純の中にどんどん新しく生まれてくる。そんな風に変化していく姿を見るのがドラマの面白さだとも思うので、是非そこを楽しんでいただきたいと思います。

広瀬アリス

純の成長も含めて、
『恋マジ』を観るのがさらに楽しみになりました。

では最後に、役者とプロデューサー、
作り手として思う“ドラマの魅力”を教えてください。

広瀬:私、「このドラマのために一週間めっちゃ頑張れる」と言われたことがあって。それってすごく幸せなことだと思ったんです。私も「一週間、めちゃくちゃ長いな」と思う時があるんですけど、自分と同じように感じている人の活力になれるんだと思ったら「もっとより良いものを」「もっと観ている人の心を揺さぶりたい」と思うようになりましたし、それこそがドラマの魅力だなって。なんなら、火曜日ちょっと喪失感があるくらいに揺さぶりたいな、と(笑)。

米田P:月曜日の夜に感情揺さぶられすぎて、火曜日ちょっと疲れてる(笑)。

広瀬:そのぐらい高ぶらせたいな、と(笑)。私は演じることでしかそれが出来ないので、全力で自分自身が高ぶったり揺さぶられたりしながら「ワーッ!」となることが、観ている方の気持ちを一番揺さぶることのできる方法なのかな、と思っています。基本的にお芝居の時にはそれだけを考えているかもしれないです。それがイコール「全力で演じる」だとか「泥くさく演じる」という意味合いになっている気がします。

米田P:僕はやっぱりテレビ屋なので、この変わりつつある時代の中でもドラマというものがお茶の間の一番近いところに在りたいと思っていて。僕、“お客さん”とか“視聴者”という言葉が好きではなくて、「お茶の間で観て欲しい」という願いを込めて、届ける先のことを“お茶の間”と必ず言うんですよ。そのくらい生活に根差した存在でありたいとも思いますしね。テレビを観ている何百万、何千万という人たちのたった1%でも、月曜日の夜10時にドラマを観てテンションが上がってくれたら、火曜日には世の中がすごく良くなっているんじゃないかと思うんです。役者、監督、照明など、それぞれが仕事をして一個のものを作り、そうして作った作品を世間様に観てもらえる、それがテレビドラマの醍醐味かなと思います。

LANDOER:チーム戦ですね。

米田P:そうですね。30人、40人も大人が集まって毎日朝から晩まで一緒に同じ弁当食べて、一生懸命ひとつの作品を作り上げていく。でも、それを津々浦々でいろんな方に観ていただけるのはすごくありがたいし楽しいこと。そういった意味でも、このドラマがたくさんの方に届いて欲しいな、と思います。

広瀬アリス

広瀬アリス(27)

ひろせ ありす

1994年12月11日生まれ。
一瞬で場を照らす朗らかな佇まい、
真っ直ぐに役を紡ぐ〈没頭力〉で観る者の世界を揺さぶるDOER

月10ドラマ『恋なんて、本気でやってどうするの?』
2022年4月18日(月)スタート
毎週月曜よる10:00

出演:広瀬アリス 松村北斗(SixTONES)
   西野七瀬 飯豊まりえ 岡山天音
   /小野花梨 安藤ニコ 長田成哉 
   牧野莉佳 三浦獠太
   /戸塚純貴 味方良介 アキラ100% 
   古川雄大 香椎由宇 藤木直人 
脚本:浅野妙子
演出:宮脇 亮 北川 瞳
プロデュース:米田 孝 髙石明彦

Staff Credit
カメラマン:YURIE PEPE
ヘアメイク:塚原ひろの
スタイリスト:椎名倉平
インタビュー・記事:満斗りょう
ページデザイン:吉田彩華