『古川雄大 The Greatest Concert vol.2
-A Musical Journey-』
ご招待するのは〝ミュージカル歴史旅行〟
普通、機会があればあるほど、その人のことが見えてくるのが人間。しかし、古川さんのお話をお伺いする度、作品に触れる度、彼に対する〈不思議〉と〈未知〉が生まれてくる。読み解けない複雑な色、それらが奔放に揺らぐ気を〈色気〉と呼ぶのならば、まさに古川さんは〈色気〉の人。そんな古川さんが「僕の〈核〉を届けたい」と語る『The Greatest Concert』。今回は「ミュージカルの歴史を旅する」と謳った今作について、たっぷりとお話をお伺いしてまいりました。
『古川雄大 The Greatest Concert vol.2
-A Musical Journey-』
－Introduction－
07 年の初舞台以来、着実に力をつけ、18 年には『モーツァルト！』のタイトルロールで帝劇初主演、19 年には『エリザベート』で黄泉の帝王トート役を務めるなど、ミュージカル界の若き雄として注目を浴びている古川。活動の場は近年さらに広がり、今年２月には英国ローレンス・オリヴィエ賞受賞の『シラノ・ド・ベルジュラック』で新境地を開拓。そんな古川初のミュージカルコンサートとして開催された『古川雄大 The Greatest Concert vol.1 -collection of musicals-』。その第二弾となる『古川雄大 The Greatest Concert vol.2 -A Musical Journey-』の開催が、2023 年 2 月に決定。キャリアの核ともいうべきミュージカルに焦点を当てて送る『The Greatest Concert』。“A Musical Journey”と題したこの第二弾では、どんな旅に観客を誘ってくれるのだろう。前回とはまた違った世界観を目指すとのことで、新たな挑戦も含め、期待が増すばかり。
早速の第二弾、
開催のお話を聞いた時の感想を教えてください。
実は第二弾開催の話自体はだいぶ前から聞いていて、僕の体感でいうと前回のコンサートが終わってすぐ、といった感覚だったんです。聞いた時は「もうやらせていただけるんだ！」といった喜びと、「もう少し内容に凝りたいな」といった気持ち、そのための「時間が足りるかな？」という不安が入り混じっていました。今ちょうど打ち合わせを行っている最中なのですが、新しいものが見え始め、不安は消えて楽しみで溢れています。
「内容を凝りたい」というのは
前回の公演を受けて考えたことですか？
そうですね。自分で言うのも何なのですが、前回の公演がすごく良くて（笑）。しっかりとパフォーマンスメインで見せたかと思えば、2幕では少し雰囲気を変えてポップな空気感でパフォーマンスをして、と、唯一無二のバランスを実現できたセットリストだったんです。だからこそ第二弾では、それに匹敵する何かが必要だなと考えていて。前回の公演を受けて膨らんだアイデアをお伝えしながら、皆さんのアイデアも織り込んでテーマを決めていきました。
第二弾は「ミュージカルの歴史を旅する」
と謳われていますよね。
どんな旅になるのか楽しみです。
今回は、これまでの『古川雄大』の歴史を前回よりも膨らませることができたらいいな、と思い、ミュージカルを核としました。ミュージカルの壮大な歴史を追っていく、それを丁寧にお届けすることができたら、皆さんにも喜んでいただけるんじゃないかと思ったんです。正直、今組み立てているものが壮大で「しっかりできるだろうか…」といった不安もあるのですが、前回公演の時と同様、その不安は乗り越えられるはずだと信じて、気楽な気持ちで臨もうと思っています。
ミュージカルの壮大な歴史…
セットリストも
すごいことになりそうですね（笑）。
セットリストを見た時に「まず、ミュージカルの曲をこんなに年代順に集められたことがすごい…」と思いました。どちらかと言うとミュージカルの玄人の方向きなのかもしれませんが、その中にキャッチ―な曲やどこかで耳にしたことのある曲も混ぜているので、ミュージカル自体をあまり知らなくても楽しんでいただけると思います。僕自身は、1、2部併せて3割の曲ぐらいしか歌ったことがなく…正直大変です（笑）。実際に通して歌い始めてから「ブロードウェイの曲の流れの中に、ロンドンの曲が入ると難しいんだな」といった発見も出てきました。曲の色が変わる瞬間をうまく見せていけるように作り上げている最中です。
数々のミュージカル作品、
そして映像作品にもご出演されている
古川さんにとって
『The Greatest Concert』は、
どういった位置づけですか？
前回公演を経て、「定期的にやり続けたい」と思うものになりました。ミュージカルで様々な役を演じさせていただくのと並行して、第三弾、第四弾、と続けていけたらいいな、と。どんどんとパワーアップして、公演ごとの魅力を作っていけるようにミュージカル活動も頑張っていきたいと思います。
古川さんの変化に
触れられる場所でもあるんですね。
今回は、第一弾とはまた違う面が観れたりも？
お見せできると思います。お越しいただくお客様の多くは、普段から僕のことを応援してくださっている方々だと思うのですが、もし僕のことを知らない方がいらっしゃっても楽しんでいただける公演になるんじゃないかな、と。前回よりもお芝居の時間が増えたり、一つの作品として確立されたテーマがあったり、割と作りこまれている部分が多いのが今回。第一弾とはまったく違う『古川雄大』を観ていただけるよう頑張ります。
古川さんご自身が第二弾コンサートの中で
楽しみにしていること&挑戦したいことは
何かありますか？
前回は歌っている時間が多く、前半はトークなしでミュージカルの曲に触れ続けたこともあり、改めて“歌う楽しさ”を再認識することができたんです。今までミュージカルで歌ってきた感覚とは少し違う感覚で歌えたといいますか。今回は“歌い込んでいない曲が多いからこそ”の楽しみが発見できるんじゃないかとわくわくしています。挑戦は、ハンドマイクではないことと、今まで歌ったことのない曲を歌うこと、そして、演出の涼介さん（桜木涼介）が思い描いているものに僕がどれくらい対応できるのか、ということ。挑戦した先での新たな出会いを期待しています。
演出の桜木涼介さんとのタッグはいかがですか？
涼介さんとは、小池先生（小池修一郎）の作品でよくご一緒させていただいていて、「ご自身の構想をきちんと持ちつつ、他の人の意見を汲んでくれる寛大さもある方だな」という印象を持っていました。常に先生の隣にいて、先生の言葉を受け止めてすぐに修正できる技術を持っている方でもあり、僕はとても信頼しているんです。今回ご一緒できることが嬉しいですし、すでに涼介さんの中ではイメージが出来上がっている気がしたので、そのイメージを描き出せるように頑張らないと、と思っています。
それぞれ意見を出して
公演を作られていると思うのですが、
その中でも「これだけは」という要素や
大切にしたことはありますか？
テーマに関しては都度変わってもいいと思っているのですが、要素として“他と違うもの”を必ず入れたいとはお伝えしています。コンサートだからといって単に歌ってトークするだけの構成にはしたくない、と。例えば前回でいうと40分間トークなく歌いながら、作品の要素を織り交ぜて会場を作品の世界で支配する、といった今までにない演出をしたんです。「とにかく普通じゃないものを作って、他のコンサートとは差別化したい」という軸を大切にしていましたし、これからも大切にしたいと思っています。
ミュージカル作品を飛び出した
タッグにも注目ですね。
豪華ゲストの皆様とのステージも楽しみです。
前回中止になってしまった時に出演を決めてくれていた大ちゃん（渡辺大輔）も昆さん（昆 夏美）も出演してくださるので、とても楽しみです。「僕のコンサートに来ていただくのだから、ちゃんとトークを頑張らなきゃ」と、日々考えているところです（笑）。どのゲストの方にも楽しんでいただけるよう、もてなす側として最大限のおもてなしを目指して頑張ります。
ゲストの皆さんに演出面のお話はされましたか？
まだちゃんとは話せていないのですが、ゲストの皆さんは僕と関係値のある方ばかりなので、観に来てくださる方々の中にも「この歌を一緒に歌って欲しい」といった期待があると思うんです。そういった期待にもできる限り応えていきたいと思っています。前回以上に作りこむ今回だからこそ、ゲストの方の力もお借りしつつ…（笑）。毎公演違うものになりますし、来てくださった方しか観ることのできない〈特別感〉もしっかり味わっていただけるコンサートになるんじゃないかな、と思います。
Dear LANDOER読者 From 古川雄大
『古川雄大 The Greatest Concert vol.2
-A Musical Journey-』
ミュージカル自体をあまり知らない方は「こんな曲もあるんだ」という新鮮な気持ちになっていただけるショーになると思います。気になった曲があったら調べていただいて、是非、その作品に足を運んでいただけたら嬉しいです。熟知されている方であれば「なるほど、あの曲か」と曲と歴史をリンクさせて楽しめるようなセットリストになっていると思うので、普段とは違う目線から楽しんいただけたら、と思います。様々な時代の様々な曲たちを、涼介さんが一つの作品としてまとめあげてくださっている『古川雄大The Greatest Concert Vol,2』。新しい世界を皆さんに楽しんでいただけるよう頑張ります。
古川雄大（35）
ふるかわ ゆうた
1987年7月9日生まれ。
言葉や感情を“単色的”に捉えることなく、
緩やかなグラデーションの海をゆったりと泳ぎ味わうDOER
『古川雄大 The Greatest Concert vol.2 -A Musical Journey-』
（東京）日本青年館ホール：2023年2月17日（金）～26日（日）
出演者：古川雄大 ほか
ゲスト：明日海りお 上原理生 大野拓朗 木下晴香
昆 夏美 平野 綾 三浦涼介 渡辺大輔（50音順）
演出・振付：桜木涼介
Staff Credit
カメラマン：作永裕範
ヘアメイク：永瀬多壱（VANITES）
スタイリスト：根岸豪（THE Six）
インタビュー・記事：満斗りょう
ページデザイン：古里さおり
