【細田善彦】MBS/TBSドラマイズム『マトリと狂犬』常軌を逸した〈正義〉は、歪に輝く〈狂気〉として揺曳するこれは、善悪では語り尽くせない「この世の物語」

細田善彦

【細田善彦】
MBS/TBSドラマイズム『マトリと狂犬』
常軌を逸した〈正義〉は、
歪に輝く〈狂気〉として揺曳する
これは、善悪では語り尽くせない
「この世の物語」

問いたい。悪がいくら無法な悪行を働いても、正義はルールの範疇で戦わなければならないのか。問いたい。もし正義が常軌を逸したら、それは悪へと変質するのか。「昔、悪かったから」と己の所業を正当化する都合の良さも、「俺のせいじゃない」と時代や他人のせいにする傲慢さも、「仕方なかった」と弱さを擁護する被害者ヅラも、傷をつけられた当人からしてみれば、それらは単なる〈狂気〉でしかない⸺。理不尽に埋め尽くされたこの世界で、狂犬の遠吠えが聞こえたなら、そっと顔を向けてほしい。狂った敵に狂い返す、正義を宿した彼らの瞳が悪を見据えているはずだ。

MBS/TBSドラマイズム『マトリと狂犬』

MBS/TBSドラマイズム『マトリと狂犬』
©田島隆・マサシ(秋田書店)/「マトリと狂犬」製作委員会・MBS

裏社会をリアルに描いた話題のコミックス
『マトリと狂犬 ―路地裏の男達―』が
品川ヒロシ監督で実写ドラマ化!

裏社会をリアルに描いた話題のコミックス『マトリと狂犬 ―路地裏の男達―』が実写ドラマ化!西畑大吾、細田善彦、向井理ら豪華キャストが集結し、MBS/TBSドラマイズム枠にて2026年1月20日(火)から絶賛放送中!『マトリと狂犬 -路地裏の男達-』(秋田書店「ヤングチャンピオン」連載)は、『カバチタレ!』『極悪がんぼ』など数々のヒット作を生み出した田島隆の原作で、漫画は『チカーノKEI~米国極悪刑務所を生き抜いた日本人』などで知られる実力派作家・マサシが担当し、2021年より「ヤングチャンピオン」より連載をスタート。麻薬の怖さと裏社会のリアルを描いた話題作が、“禁断の地上波実写ドラマ化”!

-あらすじ-

六本木のクラブで起きた薬物殺害事件。客がコカインの過剰摂取でウエイターを刺し、自らも死亡した。この客に薬を売ったのは、売れっ子子役からの転落人生で、「薬物の売人」をしていた梅沢恭之介(西畑大吾)。この事件を追う麻薬取締官(通称・マトリ)の黒崎徹(細田善彦)は、薬物に対する異常なまでの執念を持っている。いつものように梅沢が、仲間とアパートで麻薬のパケを作っていると、そこにマトリがガサ入れにやってきて…。その場から間一髪で抜け出した梅沢だったが、勘の鋭い黒崎に捕まり、逮捕しない代わりに「俺のSスパイになれ」と脅迫され、梅沢は黒崎の「S」になることに。そんな矢先、警視庁薬物銃器対策課・警部補の葛城彰斗(向井理)に逮捕されてしまった梅沢は、葛城からも「警察のスパイになれ」と命令される。こうして梅沢は、“マトリと警察のダブルスパイ”という地獄の立場に追い込まれていく——。土壇場で信じられるのは誰なのか——。麻薬を巡る狂気と欲望は、さらに深く、そして禍々しく交錯していく!!薬物汚染の闇を暴く、狂気のアクション・エンターテイメントがここに開幕!

マトリ・黒崎徹 × 細田善彦

僕が演じる黒崎は、「マトリの狂犬」と呼ばれている麻薬取締官ですが、演じるうえでは〈狂気〉を意識することはありませんでした。むしろ僕自身は、彼のなかにあるのは“正義一色”だと考えていて。第1話で梅沢に「あんた狂ってるよ」と言われ、「狂ったヤツらを相手にしてんだ。こっちも狂うしかないだろ」と言い返すシーンがあるのですが、そうして狂う瞬間でさえ、黒崎の根底に流れているのは、どこまでも強い〈正義〉だと思い演じていました。

細田善彦

黒崎自身の〈正義〉と〈狂気〉の境界線のなさが、
彼の“底知れない正義感”を確立していたんですね。
一方で、梅沢とのシーンで見せる顔には
どこかコミカルな愛嬌も感じました。

あはは、嬉しいです。全話を通して、梅沢の部屋に黒崎が突然現れるシーンが何度かあるのですが、そこでの登場の仕方は、現場で品川監督と松下監督にアイデアをいただきながら撮影をしていました。先週放送(3/3)された第6話でも、梅沢にぐっと顔を近づけて登場してみたり(笑)。完成したドラマの黒崎の姿を見ていると、「本当に梅沢のことが好きなんだろうな」と感じます。親もおらず、ただ麻薬を撲滅することだけを考えて生きてきた彼の前に現れた、『梅沢恭之介』という面白い人間。ずっと寂しい生き方をしてきたからこそ、梅沢との出逢いを楽しんでいるように見えるんですよね。

手を組むはずのない2人の関係性、
さらには警視庁の葛城との関係性も面白いですよね。

僕自身、このドラマを観ていて不思議なのが、薬物の売人である梅沢はいけないことをしているはずなのに、黒崎と葛城という「狂犬」を前にすると、なぜか彼がまともな人間に見えてくるですよね。品川監督は「登場人物は、みんな狂犬だ」とおっしゃっていたのですが、まともさで言えば「黒崎が一番まともなのでは…?」と僕は考えています(笑)

MBS/TBSドラマイズム『マトリと狂犬』
©田島隆・マサシ(秋田書店)/「マトリと狂犬」製作委員会・MBS

本作は「捕まえる側=正義」、
「捕まる側=悪」ではなく、
マトリと警視庁、それぞれの立場を用いた
〈悪〉が生まれてくるのも見どころだと感じます。

そうですね。ただ、全てのキャラクターが「必死に生きている」という点は共通していて。たとえば、高校生で両親を亡くし「麻薬を撲滅したい」という強い信念を抱いた黒崎が、警察ではなくマトリに行き着いた過程からも、その「必死さ」が読み取れる気がするんです。葛城のように警視庁の薬物銃器対策課に配属されるには、まず警察官になる必要がありますが、厚生労働省管轄のマトリ(麻薬取締官)であれば、国家公務員試験に合格するか、薬剤師免許を取得するか、いずれかの方法で目指すことができる。もちろんどちらも非常に難関ではあるものの、「一刻も早く自らの手で悪を討ちたい」という黒崎の覚悟を考えると、「だから彼はマトリを選んだのか」と腑に落ちる部分もあって。第4話で「おとり捜査ができるのはマトリの特権」という話が出てくるのですが、そういった情報もこの作品を通して初めて知りました。

細田善彦

細田善彦

たしかに、麻薬取締官と
警視庁薬物銃器対策課の違いなど、
本作を観ながら勉強になることが
とても多かったです。

黒崎は『マトリ』という仕事に強い誇りをもっている人間なので、作中で「警察か?」と聞かれて「違う、マトリだ」と答えるシーンには、かなり魂を込めました。彼のマトリとしてのプライドを表現できる場面が限られていたため、出せるチャンスでは、その熱量をできるだけ強く出したいと思って。ぜひ、注目して観返していただけたら嬉しいです。

以前、品川監督は、アクションをご自身で
指導される方だと伺ったことがあるのですが、
本作でも品川監督の演出や
ご指導は効いていましたか?

まさに本作もそうでした。監督が実際にアクションのお手本を見せてくださって、「俺がこのくらいできるんだから、よろしくね」と。その度に「頑張ります」としか言えなくて…(笑)。ただ、監督自身が動きやすい動作やカッコいいアクションを熟知していらっしゃるので、現場ではすぐに動きが決まっていきましたし、すごく助けられました。

細田善彦

Dear LANDOER読者
MBS/TBSドラマイズム『マトリと狂犬』
From 細田善彦

黒崎としては、いい意味で第5・6話と暴れさせていただいたので、彼の「狂犬ぶり」を楽しんでいただけていたら嬉しいです。そして、ここからはさらに梅沢とのコンビネーション感が色濃くなっていきます。梅沢に心を開いた黒崎が、この先どうなっていくのか。ぜひ、期待して最後までご覧ください。

細田善彦

細田善彦

ほそだ よしひこ

3月4日生まれ。
役を纏い一層、表現を経て二層、
主観と客観の細察を更新し続けるDOER

MBS/TBSドラマイズム『マトリと狂犬』
MBS 毎週火曜24:59~ / TBS 毎週火曜25:28~
原作:田島隆・マサシ
   『マトリと狂犬 —路地裏の男達—』
   (秋田書店「ヤングチャンピオン」連載)
監督:品川ヒロシ 松下洋平
脚本:服部隆 品川ヒロシ 脚本監修:田島隆
出演:西畑大吾 細田善彦 / 森田想 九条ジョー
   木村祐一 少路勇介 山谷花純 山下永玖
   平埜生成 趙珉和 / 深水元基 本宮泰風
   向井理

MBS/TBSドラマイズム『マトリと狂犬』
©田島隆・マサシ(秋田書店)/「マトリと狂犬」製作委員会・MBS

Staff Credit
カメラマン:井出眞諭
ヘアメイク: 平林純子(2°F)
インタビュー・記事:満斗りょう
ページデザイン:Mo.et