【野村麻純】大河ドラマ『光る君へ』可愛らしさと面倒くささが共存する「さわ」「まひろ」への憧れと友愛をしたためた〝書き写し〟

野村麻純

大河ドラマ『光る君へ』
可愛らしさと面倒くささが共存する「さわ」
「まひろ」への憧れと
友愛をしたためた〝書き写し〟

言葉は〈種〉。誰かへ贈った、その人を想う〈種〉が、タイミングや時間という栄養を含んで〈花〉となる。芽を出すかは分からないし、もしかするとそのまま忘れ去られてしまうかもしれない。それでも、自分の贈った言葉が咲いた時、綺麗であたたかな〈花〉であってくれ、と願わずにはいられない。だって、それほどまでに大切な出逢いだったから。この先に記された言葉たちは、愛をもって言葉を届け、受け取った、実直なふたりの君の光る物語。

大河ドラマ『光る君へ』

大河ドラマ『光る君へ』

躍動せよ!平安の女たち!男たち!
創造と想像の翼をはためかせて女性 紫式部

主人公は紫式部(吉高由里子)。 平安時代に、千年の時を超えるベストセラー『源氏物語』を書き上げた女性。彼女は藤原道長(柄本佑)への思い、そして秘めた情熱とたぐいまれな想像力で、光源氏=光る君のストーリーを紡いでゆく。変わりゆく世を、変わらぬ愛を胸に懸命に生きた女性の物語。

-さわ-

大河ドラマ『光る君へ』

まひろ(吉高由里子)の友人。藤原為時(岸谷五朗)が母親の世話をしていたことをきっかけに、まひろ(吉高由里子)に出会う。

大河ドラマ『光る君へ』
さわ× 野村麻純

まず台本を読んで思ったのは、さわは感情の起伏がとても激しい人だということ。文字だけで見ると「何で暗くなっているの!?さっきまであんなに楽しそうだったのに!」と思うような場面が多く、撮影に入るまでは、描かれていない部分のさわの心情や、彼女の感情のアップダウンをどう表現したらいいのか、正直不安だったんです。クランクインの前に、所作指導などで監督とお会いできる機会があったので、その際に、不安だった部分についてしっかりとお話をさせていただき撮影に臨みました。いざお芝居をはじめてみると、意外とすんなりさわの気持ちが分かってきて、とても不思議な感覚になったことを覚えています。加えて、手間がかかるけれど、なんだか憎めない〈親心〉のようなものも芽生えてきて(笑)。さわの可愛らしい面倒くささを、素直に楽しみながら演じられたかな、と思います。

野村麻純

これまでも様々な役柄を
演じてこられた野村さんですが、
今回のように
「演じてみたら、意外とすんなり入れた」という
不思議な感覚とは、
あまり出会わないものなのでしょうか?

そうですね。現場に入って、「自分が想像していたものと違う芝居になったな」という経験は、これまでにもあったのですが、今回に関しては“平安時代の女性”といった要素も大きく、他の役柄以上に、どう演じたらいいのか分からない不安が大きかったんです。だからこそ演じているうちに、まるで現代人のように“等身大”で生きるさわの在り方に意外性を感じて。さわの感情の起伏や突発的な行動って、恋愛にしろ、友達関係にしろ、思春期の女の子によくあるものだと思うんです。自分自身の感情すらコントロールできない年齢だから、爆発して周りの人に当たってしまったり、自分から急に離れてしまったり。そう考えた時に「あまり深く考えこまないほうが、さわの気持ちを出しやすいんじゃないか」と、思ったんですよね。“平安時代の女性”といった部分を除いてしまえば、現在を生きている私たちと何ら変わりない女の子だな、と。

野村麻純

野村麻純

素直に感情を爆発できる思春期の時間って
思い返すと、不器用ながら
尊いものだったりしますよね。
さわがまひろからの手紙を書き写していたことに、
彼女の抑えきれないまひろへの〈愛〉を感じました。

さわのあの行動は、私自身演じていて「なんだこいつ、可愛いな」と思いました(笑)。さわは教育を受けられる環境に恵まれなかったため、周りのみんなが話している内容についていけず、疎外感を覚えることがすごく多かった子なんです。そんなさわにとって、今まで触れることのなかった世界を教えてくれたまひろ様は、大好きな憧れの人。第16回で、「私のことは放っておいてください」と、自分からまひろ様を突き放したものの、本心ではまひろ様に追いつきたかったんですよね。その方法として、まひろ様からの手紙を書き写していた、そんな彼女の健気さがとても可愛らしいと思いました。

野村麻純

さわの文字に関しては、
どのような指導がありましたか?
また、特徴はありますか?

先ほども言ったように、さわは勉強をする機会に恵まれなかったため、当然、文章を書いたこともないんです。なので、他の登場人物たちよりも筆の下のほうを持っていたり、鉛筆のような握り方で筆を持っていたりして。撮影に関しては、目の前にあるまひろ様からの文を、とにかく綺麗に書き写すことだけを考えて臨みました。私が書き写した書を見て、先生が「初心者あるあるの字の流れ具合だね」と(笑)。初心者っぽさがさわの文字に繋がったので、結果良かったと思っています(笑)。

野村麻純

文字含め、さわとまひろ様の凸凹な人柄が
観ていてとても愛おしかったです。
野村さんの目には、
ふたりの関係性はどのように映りましたか?

まひろ様は“人のために動ける方”で、さわが半ば強引に押しかけても、それをすべて受け止めてくれる懐の広さがある方。ただ、自分の気持ちをなかなか言葉にすることができず、書にしたためることで表現をしている方でもあるんです。一方さわは、まひろ様が表に出すことのできない感情をすべてさらけ出してしまう子。これだけでも分かるように、ふたりは本当に正反対のキャラクターなんです。きっとお互いが自分と違うからこそ、一緒にいることで、初めての経験や気持ちに出会える関係なんだと思います。さわからすると、まひろ様は知る由もなかった勉学や世界に出会わせてくれたかけがえのない人。まひろ様からすると「こんなに感情が爆発する人がいるんだ!」と、発見を与えられた人がさわなのかな、と。補い合う、とは少し違うかもしれないけれど、その凸凹さが、ふたりの関係性の魅力だと思いました。

野村麻純

Dear LANDOER読者
大河ドラマ『光る君へ』
From 野村麻純

大河ドラマの大きな要素でもある、たくさんの登場人物との出会いと別れが描かれている本作。紫式部こと、まひろが成長していく物語の1ピースとして、私も参加させていただきました。回を重ねるごとにそれぞれの想いも重なっていく作品になっていると思うので、是非、こぼすことなく一話から観ていただけたら嬉しいです。まひろの最初を知ることで、「あの時に感じた気持ちが、まひろにこの行動を起こさせるんだ」と、後々の物語との繋がりを感じることもできると思いますし、「もしあのキャラクターが今ここにいたら、まひろにこう声をかけるだろうな」といった楽しみ方もできると思います。主人公とともに、物語に没入できるのが大河ドラマの醍醐味。目を離さず、まひろの人生を見届けてください。

野村麻純

野村麻純

のむら ますみ

10月10日生まれ。
時に淡く、時に瑞々しく、
無邪気に変化する至純の表情がやわらかに光るDOER

大河ドラマ『光る君へ』

大河ドラマ『光る君へ』
[総合]日曜 午後8時/再放送 翌週土曜 午後1時05分
[BS・BSP4K]日曜 午後6時
[BSP4K]日曜 午後0時15分

キャスト:吉高由里子、柄本佑、黒木華、
     吉田羊、高畑充希、
     佐々木蔵之介、岸谷五朗 ほか
作:大石静(脚本家)

Item Credit
トップス ¥26,400、
(中に着た)キャミソール ¥33,000、
スカート ¥31,900
ブランド名:UN3D. / アンスリード
問い合わせ先:UN3D. 青山店 / アンスリード青山店
電話番号:03-3404-5503

サンダル ¥24,200
ブランド名:CAMPER / カンペール
問い合わせ先:株式会社カンペールジャパン
電話番号:03-5412-1844

イヤーカフ ¥17,600
ブランド名:SARARTH / サラース
問い合わせ先:サラース カスタマーサポート
アドレス:customer@sararth.com

Staff Credit
カメラマン:小川遼
ヘアメイク:尾口佳奈
スタイリスト:浅井 彩津希
インタビュー・記事:満斗りょう
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