自分の〈夢〉が
「人を幸せにする」と信じる貴方へ
－STORY－
夢見ることを禁じられた町で
ウォンカは夢を叶えることができるのか？
「いつか世界一のチョコレート店を作る」という母（サリー・ホーキンス）との約束を胸に、チョコレートの町にやってきたウィリー・ウォンカ（ティモシー・シャラメ）。だが、この町で美味しいチョコレートを売ろうものなら、町を牛耳るチョコレート組合3人組（ピーターソン・ジョセフ、マシュー・ベイントン、マット・ルーカス）の妨害に遭うのが常。そう、ここは夢見ることを禁じられた町なのだ。そんなこととはつゆ知らず、早速街角で自慢のチョコレートを売り始めるウォンカ。彼のチョコレートは一口食べれば美味しさのあまり宙に舞ったり、風船みたいに膨らんだり、髪の毛がフサフサになったりと、愉快でハッピーなものばかり。またたく間にウォンカのチョコレートは評判を呼ぶが、すぐに組合に目をつけられ、彼は警察に捕まってしまう。釈放され宿に戻ったウォンカにさらなる災難が待っていた。がめつい宿屋の婦人スクラビット（オリヴィア・コールマン）に騙され、多額の借金を背負わされてしまったのだ。借金返済のためウォンカは、地下のランドリー工場で30年間働かされることに。しかし、そこで彼は孤児の少女ヌードル（ケイラ・レーン）や一風変わった宿の住人らと出会い意気投合。彼らもウォンカの夢に協力することになる。一方、オレンジ色の小さな紳士ウンパルンパ（ヒュー・グラント）も出現。彼とウォンカの間には何やら因縁があるようで、こちらも一波乱の予感…。そんななか、組合に気づかれないよう、こっそり魔法のチョコレートを売り続け、ついに念願のチョコレート店開店にこぎつけたウォンカたち。だが彼らを快く思わない組合3人組と警部（キーガン＝マイケル・キー）の謀略によりウォンカはすべてを失い、町を追い出されてしまう。母との約束は？仲間との誓いは？果たして、夢見ることを禁じられた町で、ウォンカは夢を叶えることができるのか!?
伊藤さとり’s voice
映画界はもちろん、ファッション業界にも引っ張りだこの美形俳優ティモシー・シャラメ。とはいっても演技も素晴らしく、『君の名前で僕を呼んで』(2017)ではアカデミー賞主演男優賞にノミネートされ、『DUNE／デューン 砂の惑星』(2021)のようなSF映画から『ボーンズ アンド オール』（2022）のようなアートホラーにもぴったりハマる向かう所敵なしの俳優だ。
そんな彼の最新作は、ジョニー・デップとティム・バートンがタッグを組んで大ヒットを記録した『チャーリーとチョコレート工場』(2005)の新たなストーリーとも言える『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』だ。この映画でティモシーはジョニー・デップが演じたウォンカの若かりし頃を演じている。しかも世界に先駆け日本で12/8に公開となる本作は、原作モノだった前作とは違い、完全オリジナルストーリーとなる。
今作はチョコレート職人のウォンカがお店を開こうとチョコレートの町にやってくるが、彼の才能に嫉妬する権力者たちからさまざまな妨害を受けつつも、夢を叶えようと奮闘する物語だ。しかもプロデューサーが『ハリー・ポッター』シリーズのデイビッド・ヘイマンなので、ファミリーに見てもらいたいという思いが色濃く作品に出ており、魔法や歌、ダンスが劇中に溢れかえっている。その理由にウォンカはまるで魔法使いのように様々な効果をもたらすチョコレートを生み出し、チョコレートが飛ぶだけでなく、彼自身も風船で空を飛ぶのだ。まさに夢のような映像マジックの中で、ティモシー演じるウォンカや登場人物が歌い踊るというゴージャスなエンターテイメント作品になっている。
他にもティム・バートン版でインパクトある登場の仕方をしたウンパルンパが今作でも登場する。ティム・バートン版は原作のイメージを重視したウンパルンパだったが、なんと今回は英国のラブコメ俳優として名を轟かせたヒュー・グラントがウンパルンパ役で登場。もちろんウンパルンパは小さなサイズなので、VFXを駆使して一度聞いたら忘れられない歌と共に画を賑わせてくれるのだ。
そんな華やかな映像の中で、引き立つのがウォンカという青年の純朴さと打たれ強さ。彼は大好きなお母さんの教訓を胸に生きている。どんなに酷い目に遭おうとも諦めずに解決策を見出すウォンカ。それは母親が教えてくれた「素敵なことは全て夢から始まるの」という言葉を信じ、“自分の夢”は、きっと人を幸せにすると信じて疑わないからだ。げんに彼は、お金儲けではなく、面白くて夢溢れるチョコレート作りにしか興味がない。こんなにピュアで真っ直ぐで前向きな主人公が織りなす物語は、間違いなく人を幸せにし、どんな夢も誇っていいと教えてくれる作品だった。
映画『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』
2023年12月8日（金）全国ロードショー
監督・脚本：ポール・キング
製作：デイビッド・ヘイマン
原案：ロアルド・ダール
出演：ティモシー・シャラメ、ヒュー・グラント、
オリヴィア・コールマン、 サリー・ホーキンス、
ローワン・アトキンソン
配給：ワーナー・ブラザース映画
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