【安井謙太郎】東映ムビ×ステ『死神遣いの事件帖 月花奇譚4th single『Growing up / 爛漫』7色の虹が歌う、一輪の華へのラブソング

安井謙太郎

東映ムビ×ステ
『死神遣いの事件帖 月花奇譚
4th single
『Growing up / 爛漫』
7色の虹が歌う、一輪の華へのラブソング

役を通して届く言葉と、音楽を通して聴こえてくる情意。私たちは、キャンバスに描かれた他人の人生を見つめては、自身を重ね、時に疑問を抱きながら、物語の世界に心地好く沈んでゆく。そうして創り手の〈意図〉を想像し、自分の人生に織り込むように作品を味わうのだ。『死神遣いの事件帖 -月花奇譚-』に描かれたのは、ひとりの少女の過去。過去に咲く一輪の華は、どんな形を成して私たちに届けられるのか――十蘭として、安井謙太郎として、静かに咲いた華に寄せた想いと、主題歌に込めた〈意図〉の築きをお伺いしてまいりました。

映画『死神遣いの事件帖 -月花奇譚-』

映画『死神遣いの事件帖 -月花奇譚-』

-STORY-

時は、将軍家光の治世。だが、太平であったはずの江戸の町は、“腐乱人”という名の亡者たちによって混乱に陥っていた。墓場から蘇った“腐乱人”は生者の肉を求めて町民を襲い、噛まれた者は“腐乱人”に変貌し、正気を失う。次々と増殖する“腐乱人”の恐怖。脅かされる人々の暮らし。そんな中、久坂幻士郎(鈴木拡樹)と死神·十蘭(安井謙太郎)は、記憶を失った少女(清宮レイ)と出会う。「ひとつ、お願いしたい。私が誰なのか、探してもらえないだろうか」そう依頼された2人は、自分の名も思い出せない少女に「ハナ」と名づけ、彼女の過去を探りはじめる。不穏なる笛の音。忍び寄る妖術師·空真(北村諒)の影。そして、“腐乱人”に込められた憎悪と怨念。幻士郎と十蘭は、庄司新之助(崎山つばさ)ら鬼八一家と力を合わせ、空真の陰謀に立ち向かう。拡大し続ける呪いのパンデミックを、蘭斬刀が、今、断ち切る…!

-十蘭-

久坂幻士郎と契約を交わした死神。契約者以外にその姿は見えない。例外として死期が近づいている者はその姿を見ることが出来る。真面目な性格で、幻士郎のちゃらんぽらんな姿に怒ることも多い。普段は幻士郎自作の傀儡に忍び込んでいる。幻士郎が黄泉の国に行った後は、再び暗躍する百目鬼(陳内将)を止めるため一時的に庄司新之助(崎山つばさ)とコンビを組んだ。

安井謙太郎

十蘭 × 安井謙太郎

一作目の映画『死神遣いの事件帖 -夜曲傀儡-』と、舞台『死神遣いの事件帖 -鎮魂侠曲-』を経て、再び十蘭を演じさせてもらったのですが、感覚的には舞台中に十蘭がしっかりとできあがったような印象があって。前作の映画の時にはあまりなかった十蘭の人間味が、舞台のストーリーを生きたことで増したんです。今回はその“人間味のある十蘭らしさ”を繋げることを意識して芝居をしていたように思います。前作よりも遊びのある芝居ができたので、十蘭をさらに愛おしく思っていただけたら嬉しいです。

その瞬間の演技を撮影する映像作品と、
何度もひとつの芝居を深堀してゆく舞台作品とでは
同じキャラクターでも理解度が変わるものですか?

端的に言うと舞台のほうが理解度が深くなる気もするのですが、だからといって映像作品での理解度が浅いか、と言われるとそうでもなくて。映像作品だと、その時にしか出ない瞬発力によって役の理解がグッと深まることもあると思います。映像作品ってキャスト側も出来上がるまでどんな映像になっているのか分からないんですよ。プロの皆さんが彩ってくれた完成作を観て初めて「こうなったんだ」と思うことも多くて。そういった段階を重ねて、キャラクターを理解していくこともある気がしますね。舞台に関しては、共演者の方と毎日違う対峙を繰り返して「今日はこんな感じでくるんだ」と考えたり感じたりすることで、自分のキャラクターはもちろん、他のキャラクターの理解を深める面白さがあると感じます。

安井謙太郎
安井謙太郎

映画と舞台、同じ役を同じキャストが演じているのも
ムビ×ステならではですよね。
何やら撮影はものすごく寒かったとか…

もう、めっちゃくちゃ寒かったです(笑)!十蘭に関しては、下に着こめるような衣裳デザインだったのでまだ良かったけれど、幻士郎の衣裳は本当に寒そうで…(笑)。前作の撮影の時もすごく寒かったので、それを踏まえて今回は監督が電気毛布を買ってきてくださっていたんですよ。幻士郎役の鈴木拡樹くんは、撮影ギリギリまでその毛布にくるまっていました(笑)。

今作も京都の太秦映画村での
撮影だったとのことですが、

京都の寒さは厳しいですもんね。

盆地という地形も相まって、かなり寒かったです(笑)。京都の映画村って伝統的なものがいくつか残っているのですが、そのうちの一つに映画村特有の暖のとりかたがあって。普通、撮影現場で暖をとるとなると電気のヒーターなどが主流なんですけど、映画村では炎が中で燃えている缶カンのようなもので暖をとるんです。それを見たハナ役の清宮レイちゃんが「焼き芋しましょうよ!」と提案してくれて、みんなで焼き芋をしたのが良い思い出です(笑)。

安井謙太郎

寒いがゆえの、あったかい思い出ですね(笑)。
他のキャストの方との思い出はありますか?

思い出というよりお芝居で感じたことなのですが、陳内将さん演じる百目鬼が今回も素敵だったな、と。陳内さんって提示されているキャラクターの情報を、ご自身の中で10倍、100倍に広げて現場に来られる印象があるんです。今回の撮影では1日しか撮影日が被らなかったのですが、舞台の時にずっとご一緒させていただいていて、僕自身刺激を受けたんですよ。「あ、このセリフを言いながらこんな仕草をするんだ」や「このセリフを言う前に、そういった出方をするんだ」など、自ら繰り出すお芝居が本当にすごくて…。自分で考えてきて、みんなの前で演じて、その反応を見ながら調整していく、そうやって作られた百目鬼は、陳内さんの努力の賜物だと感じていました。

Dear LANDOER読者
From 安井謙太郎
映画『死神遣いの事件帖-月花奇譚-』

今作も、幻士郎と十蘭コンビのドタバタ感を楽しんでいただける作品になっていると思います。そんな2人の間に現れる『ハナ』という一人の少女の存在。物語のキーパーソンとなるハナの存在を通して、今まで見たことのなかったような幻士郎と十蘭の表情が出てくるのも見どころです。“腐乱人”というゾンビのようなものが出てきたり、特撮ヒーローのようなCGが盛り込まれていたり、エンターテインメント性が充実しつつも、作品としては大人が観ても胸に来るものがある物語になっているので、幅広い世代の方に観ていただきたいと思います。