【杢代和人】「一人じゃない」と前を向く彼の背中に宿るのは〝支えてくれる人の存在〟と〝芝居欲〟

DRAMA LAND
2022.02.24

日本テレビ『卒業式に、神谷詩子がいない』

－あらすじ－

夢も希望も目標もない、複雑な家庭環境や中学時代のトラウマから明るい未来を思い描けずにいた神谷詩子。大手スーパーの御曹司で、頭脳明晰。何でもそれなりにこなし、友達と騒ぐことがあってもどこか冷静で俯瞰している史也。2019年春、高校入学。2人が出会い、大きな転機が訪れる。詩子のダンスをきっかけに意気投合した史也ら、6人は、自分たちを「ファンファーレ」を名付け、共に時間を過ごす。一緒にダンスを踊り、夢を語り合い、かけがえのない仲間になっていく。そんな彼女たちの青春を脅かす数々の見えない敵。失われた時間、広がる心の距離、誰にも言えない“秘密”。時に衝突し、時に通じ合う、6人の高校生の友情、恋愛、夢の物語。そして2022年、ある春の日、迎えた卒業式。高校最後の大切な日に、詩子はいなかった。その時史也は…一体、詩子に何があったのか――

－小林真斗－

美意識の高いジェンダーレス男子。
全ての人に平等に優しく、穏やか。
親が整備工場を経営している。

『卒業式に、神谷詩子がいない』× 杢代和人

この作品はZ世代にエールを向けた作品。いまの高校生の1～3年間の高校生活が描かれているドラマです。他のドラマと違ってコロナ禍でマスク生活が余儀なくされたところや、文化祭や卒業式がこれまでとは違う形でしか実施ができなくなってしまったところもリアルに描かれているので、Z世代の皆さんに共感してもらえる作品になっていると思います。

メインである6人の高校生、
ひとり一人にも注目ですね。

そうです。家庭環境がまったく違う6人それぞれが、違う悩みを抱えながらも“楽しい瞬間”を本気で楽しむ、というリアルな高校生の姿を観ていただけるはずです。物語って、どうしても悩みや苦しんでいることに焦点を当てていることが多いと思うんです。でもリアルって決してそうではなくて。悩んでいることがあっても、友達と一緒に騒いでいる時は悩みなんて忘れてしまうほど心から楽しんでいるんですよ。そういった楽しい掛け合いのリアルさを観て「あれ、この6人って本当に同級生なんじゃないの？」と思っていただけたら嬉しいです。思わず見入ってしまうような作品なっているので、是非、共感しながら僕らと一緒に楽しんでください。そしてなぜ『卒業式に、神谷詩子がいない』のかも考察してもらえれば、と思います。

作品のコメントで、高校生のリアルな心の葛藤を
「自分と照らし合わせた」と仰っていましたが、
現役高校生の杢代さんご自身にも葛藤が？

ありました。学生をしながら仕事をしていると、学校へ行けない日ももちろん出てくるんです。で、ある時、僕が朝から仕事へ行くために電車に乗ったら、電車から降りてくるすごく楽しそうな高校生たちとすれ違って。その瞬間、何故かものすごく泣きそうになってしまったんですよ。「もし仕事をしていなかったら、あんな風な自分の姿があったのかな？」とか「どっちの人生が幸せなんだろう」とか、いろんなことを考えちゃったんだと思うんですけど。でもそれって、僕みたいな環境じゃなくても「“高校生”を生きている誰もが感じることなのかも」とも思って。大学受験をするのか、夢を追いかけるのか、楽しいと思うものを続けていくのか、いまの僕らって、先は見えないのに選択肢だけはたくさんあると思うんです。だからこそ悩んでいる具体的な部分は違っていても、秘めている悩みの方向性は一緒なのかなと思いました。

確かに学生時代の時のほうが
“本心”を話せなかったりするんですよね。
その状況から脱却したキッカケと
これからについて思っていることを教えてください。

その葛藤を抜けられたキッカケは「自分は一人じゃない」と思えたことですかね。僕らの活動って、外から観た時に注目されるのは演者だけなんですけど、その後ろには何十人、何百人、ファンの方を含めたら何千人って数の人がいてくれるんですよ。『原因は自分にある。』のメンバーも含め、その人たちの想いを背負って“杢代和人”が観られているのだと感じた時に「もっとこの仕事をしたい」と思うことができたんです。きっと一人だったら、僕辞めちゃっていると思います。これからも支えてくれる人の存在を感じながら、この仕事を頑張っていきたいです。