映画『OUT』
〝自分流〟を探求し、
OUT級の魅力を爆発させた一本
斬人メンバー3人のスペシャル鼎談
必死で飲み込んだ言葉も、グッとこらえた拳も、歯を食いしばって無理やりつくった笑顔も、生き抜くためにやったこと。心に滾った感情は、大人らしく隠して生きる。「だって大人だから…」そう呟く背中から「あー、ごちゃごちゃうるせぇ!」と、声がする。OUTな奴らが生きる場所では、大人だから、とか、人として、とか、自分を隠すための言い訳は通用しない。「負けたくない」と燃やす〈情熱〉が、今を生きる自分の燃料になってくれることを彼らは知っているから――
映画『OUT』
『ドロップ』の品川ヒロシ監督最新作
累計発行部数650 万部を突破するヤンキー漫画『OUT』(秋田書店「ヤングチャンピオン・コミックス」刊)が待望の実写映画化!監督・脚本は『ドロップ』で大ヒットを打ち出した品川ヒロシ。原作は、品川ヒロシの中学からの友人・井口達也の青年時代を詰め込んだ実録物語。“狛江の狂犬”と恐れられた伝説の超不良・井口達也が、少年院から出所した。地元から遠く離れた叔父叔母の元、焼肉店・三塁で働きながらの生活を始めるが、保護観察中の達也は、次喧嘩をすれば一発アウトだ。そんな彼の前に現れたのは、暴走族「斬人キリヒト」副総長の安倍 要。この出会いが達也の壮絶な更生生活の始まりだった。暴走族の抗争、新しい仲間・家族との出会い、守るべきものができた達也の進む道は── 。
長嶋圭吾役・與那城 奨(JO1)
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目黒修也役・大平祥生(JO1)
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沢村 良役・金城碧海(JO1)
映画『OUT』撮影に向けて
與那城奨(以下、與那城):まずマンガをめちゃくちゃ読み込みました。僕の演じた『長嶋圭吾』はあまり話さない役だったこともあり、情報がマンガからしか読み取れなかったんです。
大平祥生(以下、大平):僕も同じく、マンガを頼りに「どういったキャラクターなんだろう?」と、人物像を掴むところからはじめました。あとは、アクションの経験がなかったので、YouTubeでボクシングなどの初歩的な動きを調べて。ただ、観てはみたものの「教えていただいたほうがはやいな」と(笑)。
金城碧海(以下、金城):僕はもともとマンガを読む習慣がなかったのですが、原作がマンガ作品ということもあり『沢村良』を演じるにあたって、しっかりと原作を読み込みました。加えて『OUT』はアクションシーンの多い作品だったので、アクションの練習や演技の練習も入れていただきながら撮影に臨みました。
他のメンバーが甘酸っぱい青春を送る一方で、
人間くさい青春を謳歌した作品
與那城:JO1の他のメンバーが高校生役をしているタイミングで、僕らも高校生役をやらせていただいて。
大平:そうだね、タイミング的には同じだよね。
與那城:汐恩(鶴房汐恩)や瑠姫(白岩瑠姫)が学園を舞台とした作品で青春を過ごしているなか、僕らは棒を持って殴り合いをしていたので、現場が終わってメンバーのところに戻るたびに「一応同い年なんだよ?」と、報告していました(笑)。「瑠姫が絵の具で遊んでいるときに、僕らは木刀振ってるんだけど、こういう役必要ない?」などと聞いたりして(笑)。
大平:世界線がぜんぜん違うから(笑)。
個々で積み上げ、考えた“撮影までの日々”
大平:監督からは(クランクイン前)特に何も言われてはなかったですね。
與那城:お会いしたのが、オーディションのときと衣装合わせのときくらいだったんです。その次にお会いしたのは、もう現場で。
大平:何かお話をして役作りをした、というよりは、個々で筋トレや練習をして準備をしたって感じでしたね。
與那城:なかなか時間が合わなかったこともあり、僕たちは僕たちでやれることをやって撮影に臨んだという感じで。碧海からは「アットホームだよ」という話は聞いていました。
金城:僕は品川組の皆さんと一緒にお仕事をさせていただいていたので、2人には「皆さん優しいから、かたくなる必要はないよ」と伝えていました。
品川監督の心を打った、
品川組への〈愛〉と〈情熱〉
金城:実は僕は、猛烈なアピールで今回の作品に出させていただいたんです。2人は予定通りオーディションに参加していたのですが、僕はとにかく「オーディションに行ってみた」という(笑)。
大平:本当にそうだよね。行ってみた、って感じだったね(笑)。
金城:品川さんに「碧海くん、またいるんだ」と、笑われました(笑)。でもそのぐらい出たい気持ちがあったんです。僕のその気持ちを品川監督が「そういう人を映画に出したい」と、受け取ってくださり出演することができました。
繰り出される技たちは、
それぞれが必死で見つけた“自分流”
與那城:品川監督は本当に親しみやすい監督で、僕たちにもたくさん話しかけてくださって。アクションも「一旦やってみて」と、僕たちのアクションを見たうえで良いところを残しつつ、細かいところを丁寧に教えてくださるんです。「一回やってみなよ」というスタンスでやらせてくださるので、自分たちの色を出していけました。監督がずっとおっしゃっていたのは「俺ができたらみんなできる」ということ。ただ、「俺がやりすぎちゃうと、みんな俺の形になっちゃうから、一旦みんなの形を見せて欲しい」と。そのおかげで僕らも自由にやらせていただきながら、アクションを学ぶことができました。
大平:基本の流れは品川さんとアクション部の方が作ってくださって、アクション中の形は自分たちで決めていったよね。
與那城:そうだね。技の形は自分流だね。各々で被るシーンがなかなかなかったので、碧海や祥生がどんなアクションをやっているのかが分からなくて。そう考えると、本当に自分だけのスタイルになっている気がします。
スクリーンに映る
仲間たちの“努力の跡”を観て
金城:僕は2人がアクションの練習をはじめた頃を知っているので、そのときのことを思い出しながら作品を観て、2人の成長をとても感じました。加えて、技術的な撮り方や魅せ方で僕たちをカッコよく引き立たせてくださった監督、カメラマンさんなどの技術力にも圧倒されましたね。
與那城:僕は祥生の上達がすごすぎて驚きました。最初は「祥生、それはちょっと違うと思う」と、僕たちが意見していたほどアクション初心者だったんです。でも完成作を観たら「本当に頑張ったんだな」と、感じるほど成長していて。
大平:最初の頃はもう…(ため息)。
與那城:あはは(笑)。いまだから言えるけどね(笑)。
金城:格闘技や喧嘩のときって、こぶしの側面を向けて強く見えるように構えるのですが、祥生の場合は裏こぶしを前に見せていて(笑)。
大平:僕も正解が分からないので「こうでしょ?」と、とりあえず聞いていました(笑)。ちゃんと形になって良かったです(笑)。
與那城:めちゃくちゃ頑張ってたもんな。
大平:奨くん演じる圭吾が孝二役の拓郎くん(長田拓郎)と闘うシーンで、木刀がなくなってしまったときにニヤッと笑うカットがあるのですが、その笑みをキッカケにスイッチが入る感じがとてもカッコよくて。あと、碧海の登場シーン。キャラクターそれぞれラップに合わせて登場するのですが、碧海の動きが綺麗すぎてもはや引いてしまいました(笑)。
與那城:一応それぞれ特攻服に「特攻隊長」や「親衛隊長」と肩書があるのですが、碧海が演じた沢村に関しては「期待の新人」だったんです。それがキービジュアルでかなり前に出ていて(笑)。
大平:(キービジュアルを見ながら)確かに!大きいな(笑)。
金城:ほら僕、品川組2回目だから!
與那城:そんなのあるの(笑)!?
緊張をほぐしてくれたのは、
仲間がいる〈安心感〉
與那城:本当に撮影で被るシーンがなかったので、2人が撮影しているところを見ようにもなかなか撮影中は見れなくて。唯一被ったシーンと言えば、最初のボーリング場のシーンとか?
大平:うん、そうだね。
金城:僕、そのときの2人の顔がいまでも忘れられない…(笑)。
大平:めちゃくちゃ緊張してたんです(笑)。
金城:僕は以前にもお世話になったことがあり、スタッフさんやエキストラさんのなかに知っている方が何人かいらして…
與那城:そう!僕と祥生がめちゃくちゃ緊張している横で、碧海だけ余裕だったもん(笑)。
金城:あはは(笑)。2人はずっと台本読んでたよね。
與那城:僕の役はボソッと言うことが多いので、そんなに話すカットはなかったのですが、祥生の役は話すうえにテンポ感も大切な役で。
大平:そうそう。ずっと台本を読んで練習していました。
金城:でも、2人の役の切り替えがすごかったのをとても覚えています。
大平:本当ですか。ありがとうございます(笑)。
金城:奨くんはあまり話さない役だったけど、終わった後はすぐに『與那城奨』に戻っていたね。
與那城:本当は話したがりなのに、役ではあまり話せなかったから(笑)。
大平:なんだかんだ現場に話せる人がいる安心感は大きかったですね。
Dear LANDOER読者
映画『OUT』
From 長嶋圭吾役・與那城 奨
僕の演じた圭吾はあまり話さないタイプなのですが、仲間想いなところが魅力的な人。初めてのアクションということもありいろいろな挑戦もしましたし、僕たち3人が初めて出演した映画でもあるので、皆さんには新鮮な気持ちで楽しんでいただきたいと思います。
From 目黒修也役・大平祥生
僕が演じた目黒は一見おとなしく見えるものの、割と人のことをからかったり、いじったりする人。仲間のことをすごく大事に思っていて、田口(田口 勝/小柳 心)のストッパーになるなど、仲間のために動くことのできる面ももっています。笑いあり、感動ありで、観終わったあとに勇気をもらえる作品になっていると思うので、チェックしてもらえたら嬉しいです。
From 沢村 良役・金城碧海
沢村は「斬人」にすごく忠実な期待のルーキー。そんな表情から一変、大切なお姉ちゃんに見せる〝弟らしい表情〟は彼の見どころのひとつだと思います。みんなに掛け合いを見られるのが小恥ずかしいところなど、姉弟あるあるに共感していただけるはず。そして、後半になるにつれてキーパーソンになっていく姿も楽しんでいただきたいです。作品全体でいうと、迫力のある戦闘シーンやリアルな喧嘩シーンが特徴的な一本。アクションとあわせて、JO1それぞれが演技で見せる表情まで観ていただけると嬉しいです。
與那城 奨
よなしろ しょう
10月25日生まれ。
「大丈夫だ」と安堵を奨める真っすぐな瞳、
映る世界の隅々にまで〈愛〉を行きわたらせるDOER
大平祥生
おおひら しょうせい
4月13日生まれ。
「誰かのために」と心を動かせる繊細さと、
深い優しさのこだまが〈瑞祥〉を引き寄せるDOER
金城碧海
きんじょう すかい
5月6日生まれ。
「掴みとる」という意志がつくる軌跡、
碧玉の研磨を続ける自身をもって〈希望〉を提示するDOER
映画『OUT』
11月17日(金)全国ロードショー
出演:倉悠貴 醍醐虎太郎
与田祐希(乃木坂46)水上恒司
與那城奨(JO1)大平祥生(JO1)
金城碧海(JO1)
小柳心 久遠親 山崎竜太郎
宮澤佑 長田拓郎 仲野温
じろう(シソンヌ)大悟(千鳥)
庄司智春(品川庄司)/
渡辺満里奈 杉本哲太
監督・脚本:品川ヒロシ
原作:井口達也 / みずたまこと『OUT』
(秋田書店『ヤングチャンピオン・コミックス』刊)
音楽:武史(山嵐 / The Ravens)
主題歌:「HIDEOUT」JO1
配給:KADOKAWA
Staff Credit
カメラマン:友野 雄
ヘアメイク:西尾さゆり、河本茜、島田聖香
スタイリスト:齋藤良介
インタビュー・記事:満斗りょう
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