【一ノ瀬颯】フジテレビ『いちばんすきな花』〝異なる〟を受け入れるやさしいキッカケはそれぞれの花への〈想像力〉

一ノ瀬 颯

フジテレビ『いちばんすきな花』
〝異なる〟を受け入れるやさしいキッカケは
それぞれの花への〈想像力〉

どんなに賑やかな場所にいようと、どんなに楽しい瞬間を過ごしていようと、私たちはひとりで立っている。誰もが〈独り〉を感じながら、〈ひとり〉で闘いながら、〈一人〉として生きようと必死な毎日だ。だからこそ「話をしようよ」と声をかけたい、かけられたい。理解できないこと、認められないこと、「分からない」で終わらせていたこと、それらに触れて聞こえた声こそ、〝私だけの咲き方〟の産物。きっと、この花を見た誰かが微笑んでくれる――「いちばんすきな花だ」と。

フジテレビ
『いちばんすきな花』

フジテレビ『いちばんすきな花』

年齢も性別も過ごしてきた環境も違う4人の男女が紡ぎ出す、
見る者の心を静かに揺さぶる新たな時代の“友情”の物語。
同時にそれは、“恋愛”も“友情”もぜんぶ含めた“愛”の物語。

この物語の主人公は潮ゆくえ(うしお・ゆくえ/多部未華子)、春木椿(はるき・つばき/松下洸平)、深雪夜々(みゆき・よよ/今田美桜)、佐藤紅葉(さとう・もみじ/神尾楓珠)という別々の人生を送ってきた4人の男女。そんな年齢も性別も、育ってきた環境も全く違う4人がある日、「唯一心を許せた異性の友達が、結婚を機に友達では無くなってしまった」、「結婚を考えていた彼女を、彼女の男友達に奪われた」、「友達になりたいだけなのに、異性というだけで勝手に恋愛と捉えられてしまう」、「友達の友達もみんな友達と思っていたが、気付けば本音を話せる相手はいなかった」と、それぞれの日常のなかで“友情”や“恋愛”にまつわる人間関係に直面してしまいます。境遇だけでなく、考え方も全く違う彼らが、ふとした出来事を機に巡り会い、“友情”と“恋愛”というテーマに自然と向き合っていくことになるストーリー。それまで別々のものだった4人の物語がいつしか重なり合い、1つの物語となっていきます。4人の間に生まれる感情、そして4人を取り巻く人々との間に生まれる感情を丁寧に描きつつ、“本当に大切なものは何なのか”が紡ぎ出されていく、新たな時代の“友情”の物語であり、同時に“恋愛”も含めた“愛”の物語。くすっと笑って、ふわっと泣ける。愛すべき登場人物たちを優しい気持ちでずっと見つめていたくなる、そんな優しいドラマです。

-春木楓役-

椿の弟。実家を出て暮らしている兄とは打って変わって、実家暮らしを続けながら、親が営んでいる花屋『フラワーショップはるき』の手伝いをしている。周囲から“いい人”だと言われている兄の姿を見て、実際は会社でもプライベートでも“都合の良い人”に思われているのではと少し心配している様子。そんなこともあり、婚約者と別れた兄の様子がいつも気がかりなようで…。

一ノ瀬 颯

『いちばんすきな花』
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一ノ瀬颯

ドラマで描かれているのは、みんながそれぞれ思っていても口に出してこなかった踏み込んだ思いの数々。正直、放送がはじまる前までは「どれだけの方が共感できるのだろう?」という気持ちもあったんです。ただ、放送がはじまってたくさんの方から「共感する」「分かる」という感想が寄せられているのを見て「こんなに多くの人が感じている思いだったんだ」と、実感しました。いままでのドラマとは違う新しい題材に「GO」を出された制作陣の皆さんの感覚がすごいと感じます。

“家族”という立場から椿(松下洸平)に関わる楓。
楓をどのようにつくっていかれましたか?

楓は生まれたときから椿と一緒に生きてきた人ですし、 兄弟って実は親子より知っていることが多い関係でもあると思うんです。誰よりも椿のことを知っている一方で、考え方や価値観などは違う部分もあって。そういった“楓らしさ”を意識しながら、兄のことを心配しつつも干渉することはなく、いい距離感で見守っている関係をつくろうと思いました。とはいえ兄弟なので、花が好きだったり、家族が大切だったりと共通点もあるのですが。実は台本の段階で僕が描いていた椿と楓の関係は、撮影現場で少し変わっているんです。

一ノ瀬 颯

一ノ瀬 颯

そうなんですか!
具体的にはどのように?

最初は“ザ・男兄弟”をイメージして、兄のことを心配しながらもあえて軽く接しているように演じてみたのですが「もう少し優しく」と指示をいただいて、作中のような思いやりの強い兄弟像が完成しました。あくまで楓は椿の弟なので、兄と弟で印象が離れすぎないことを意識しつつ、もともと自分のなかで描いていた『春木楓』の軸をぶらさないように演じています。

松下さんと一ノ瀬さんの物腰の柔らかさも、
兄弟関係に浸透している気がします。

そうだと嬉しいです。松下さんは、生方さん(生方美久)の脚本の特徴的な言い回しをとても自然にご自身に落とし込まれていて、「本人なんじゃないか」と思うほど作品のなかで自然に生きていらっしゃるんです。初めてご一緒したのが一話の撮影後の時期だったのですが、多部さん(多部未華子)が「椿が松下さんにしか見えない!」とおっしゃっていて、僕もとても納得したのを覚えています(笑)。

一ノ瀬 颯

そんなエピソードが(笑)。
春木兄弟の現場はどういった雰囲気ですか?

松下さんが積極的に関わりにきてくださって助けられています。クランクインの撮影が椿の結婚が破談になったことを聞くシーンだったのですが、正直、一日で“家族”という関係値をつくりあげて比較的重い話を聞く場面の撮影に不安もあったんです。ただ、撮影前に松下さんと共通の知り合いの方が松下さんと僕にお互いの話をしてくださっていて、勝手ながらどこかお会いしたことがあるような感覚で撮影に臨むことができました。現場で僕の話に興味を傾けてくださり、僕としては“本当のお兄ちゃん”のような感覚でご一緒させていただいています。

あたたかい関係値が現場でも続いているんですね。
兄弟での撮影が進んでいる最中だと思うのですが、
役としては、楓は椿をどのように見ていますか?

いい人すぎる兄を心配しつつも、ある程度諦めている気がしています。楓は自分が干渉して、椿をどうこうしようとは思っていないんだろうな、と。ずっと近くで見てきたからこそ、椿の優しさの起因が“いい人”にあることは分かっていますし、そんな兄が好きでもあるので。“いい人”が兄の生きづらさの一因になってしまっていることは感じつつも、「ありのままの兄を受け入れてくれる人に出会ってほしいな」と思っているんですよね。なので、椿が3人と出会えたことにいちばん喜んでいるのは、もしかすると楓なのかもしれません。

一ノ瀬 颯

出会いって、奇跡のような宝物ですもんね。
仕事柄、たくさんの出会いがあると思うのですが、
人間関係で意識していることはありますか?

“自分から話しかけて仲良くなる”ですかね。「せっかく一緒にお仕事をすることになったのなら、仲良くなりたい!」と思うタイプなんです。最初から最後まであまりお話しすることなく、現場の期間だけ一緒に仕事をするって少し寂しいじゃないですか。できる限り僕なりの誠意を見せたいと思いますし、「一緒に仕事して良かったな」と思っていただける人でありたいと思うので。そのために何かするというわけではないけれど、結果的に自分も相手もそう思える現場を過ごせるように、という意識はしています。

ご縁を大切にされる姿、素敵です。
本作に関わるなかで、
“人と人”について考えられたことはありますか?

「自分と異なる性格の人が集まることって、意外と居心地の悪いものじゃないのかも」と思いました。ゆくえ、椿、夜々、紅葉、4人の姿を見ていると、性格が異なるからこそ理解しようとしたり受け入れたりしようとする、その過程で新しい発見ができることもあるのかな、と思ったんです。いままで自分が理解できなかったことを「分からない」で終わらせるのではなく、相手が何を考えているのかまで想像してみる、その努力をしよう、と考えるようになりました。言葉や行動を額面通りに受け取りすぎずに、一歩踏み込んで考えられるような自分でありたいと思います。

一ノ瀬 颯

Dear LANDOER読者
ドラマイズム『いちばんすきな花』
From 一ノ瀬颯

僕自身、4人の主役たちを見て「いろいろな価値観の人がいるんだな」と、感じました。普段自分が仲良くしている人って、割と似たような考え方や価値観をもっている人が多いと思うんです。だからこそ仲良くなるのだとも思いますし。ただこの作品について考えていると、いままで理解できなかった人の行動だったり、未解決だった疑問だったりが「こんな考え方でこうなったのか」と、見えてくる気がして。一視聴者として「観ている人みんなが優しくなれるドラマなんじゃないかな」と感じます。より多くの方に『いちばんすきな花』の優しさが広がってくれたら嬉しいです。

一ノ瀬 颯

一ノ瀬 颯

いちのせ はやて

4月8日生まれ。
小さく揺れる花に気づく〈繊細さ〉と慈しむ〈やさしさ〉、
あたたかな綻びが一つの心に宿るDOER

フジテレビ『いちばんすきな花』

フジテレビ『いちばんすきな花』
毎週木曜よる10時放送

出演:多部未華子 松下洸平 今田美桜 神尾楓珠
   齋藤飛鳥 一ノ瀬颯 白鳥玉季
   黒川想矢 田辺桃子
   泉澤祐希 臼田あさ美 / 仲野大賀 ほか
脚本:生方美久
主題歌:藤井 風『花』
(HEHN RECORDS/UNIVERSAL SIGMA)
プロデュース:村瀬 健

Staff Credit
カメラマン:友野雄
インタビュー・記事:満斗りょう
ページデザイン:古里さおり