映画『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』
これは〝令和の青春映画〟
芝居の世界でPLAYし続ける
プレイヤー2人のスペシャル対談
「あの頃の高校生は」とか「○○年前は」とか、過去語らいはもういらない。時代が変われば、情熱の源泉が変わる。源泉が変われば、流れが変わる。いろいろなものが爆速で移り変わる現代で、激流を乗りこなして生きている〝若い世代〟は、すこぶる逞しい。勝つとか、負けるとか、大事なことはそこじゃなくて、どんだけ楽しく真剣に〝遊べる〟か。一度きりの人生、楽しんだモン勝ち。いまこの瞬間をPLAYしよう。さぁ、キックオフ!
映画『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、
どーでもよくて』
実話にインスパイアされた
【eスポーツ】初の劇映画!
不満はないけれど、なにかが足りない。そんなどこにでもいる10代男子がひょんなきっかけから【eスポーツ】全国高校生大会に挑むことに。同じ学校に通いながらオンライン上で集合・解散、学年も性格もバラバラの3人組がモニターを越え、勝ち負けをも超えたその先で、目にした景色とは―――。【eスポーツ】を題材にした日本初の劇映画である本作は、徳島の高等専門学校を舞台に実在した生徒をモデルに描く青春映画。本音を語らず微妙な距離を保ついまどき世代を、時に笑いを誘いながら等身大に映し出す。それぞれが悩みを抱えながらも、この一瞬一瞬を全力で“PLAY”する姿はすがすがしく、観る者の心にも爽やかな風が吹き抜けることだろう。今をときめく奥平大兼と鈴鹿央士というふたりの若手有望株を主人公に、数々の青春映画の傑作を世に送り出してきた古厩󠄀智之監督がメガホンをとった。また企画・プロデュースは、「サクラ大戦シリーズ」等を手がけ、ゲーム界のレジェンドと称される、広井王子。
-あらすじ-
勧誘ポスターに興味を持った翔太(奥平大兼)は、このポスターを作った張本人で1学年先輩の達郎(鈴鹿央士)に連絡を取る。1チーム3人編成の<ロケットリーグ>出場をもくろむ達郎は、人数合わせとしてたまたま席が近かった亘(小倉史也)を残り1枠にロックオン。なかば強引にYESを取り付けてチームが成立!はじめは全く息の合わなかった彼らだったが、次第に競技に魅せられ、東京での決勝戦を目指す……。
郡司翔太役
奥平大兼
×
田中達郎役
鈴鹿央士
『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、
どーでもよくて~』
×
奥平大兼 鈴鹿央士
奥平大兼(以下、奥平):もともとゲームがとても好きなので、『e-スポーツ』を題材とした映画をキッカケに、ゲーム界がさらに盛り上がるかもしれないと思うと、一ゲームファンとして、この映画に出演できてとても嬉しいです。
LANDOER:台本を読まれてみて、どんな感想を抱かれましたか?
奥平:ゲームが魅力の作品であることはもちろんなのですが、僕はこの作品を“青春映画”として観たときに「現代らしい映画だな」という印象を受けました。今の高校生世代にとっては普通のことが、親世代の方の目には新しい価値観として映るような気がして。
鈴鹿央士(以下、鈴鹿):僕ももともとゲームが好きなので、お話を聞いたとき「『e-スポーツ』の映画だ!やった!」と思いました。この映画は、イマドキの高専生がただゲームをして大会を目指して頑張る、といった物語ではなく、一見楽しそうに生活している一人ひとりが、実は何かしらのネガティブを抱えている物語でもあるんです。そんな3人の高専生が一生懸命に頑張る姿を届けたい、と思いながら『チーム・アンダードッグス』のひとりとして撮影に臨みました。
自由に楽しく、イマドキに。
“難解”だけど苦しくはなかった役づくり
奥平:クランクイン前の衣装合わせのときに、監督が翔太について少しお話してくださったのですが、それ以外は基本的に自由に演じさせていただきました。監督が「若い世代の感覚をお芝居にも出してほしい」と言ってくださったので、自由に楽しく自分たちの感覚を取り入れていけたように思います。
鈴鹿:僕が演じた達郎は、一番“勝ち”に執着している子でした。「勉強は正解すればいい」「ゲームは勝てばいい」そういった“正解”にしか、価値を見出せない子といいますか。その価値観を崩すことなく、翔太や亘と関わってゆく達郎を演じるのは難しかったのですが、不思議と“難解”なのに苦しくはなくて。きっとそれは、大兼が言ったようにみんなが自由にお芝居をしていたからなのかな、と思います。
“失うことを得る人”と
“人を人として見ていない人”、
監督が生み出した凸凹な組み合わせ
奥平:監督には「翔太は“失うことを得る人”」と言われました。最初は「どういうこと?」と思ったのですが、翔太を演じていくうちに「確かに」と感じる部分がだんだんと出てきて。翔太って、何かを失ったとしても、決して自分のマイナスにはしない子なんです。この映画で翔太を演じるにあたって、彼のこの在り方が僕はとても大事だと思っていて。『郡司翔太』として生きるうえで、いちばん意識したところかもしれないです。
LANDOER:確かに。翔太っていつでも未来を見ているイメージです。
奥平:実際にそれをずっと意識し続けていたというわけではないのですが、翔太にとって大きなターニングポイントとなるシーンでは、その意識を大切にするようにしていました。僕にとっての翔太は“とにかく優しい子”だったので、「優しくあろう」と思いながら、いい意味で彼の適当さが垣間見える部分も意識して。もしそれが監督のイメージと違っていたら、きっと言ってくださるはずだと思い、監督を信じながら自由に翔太をつくっていきました。
鈴鹿:達郎は、監督から“人を人として見ていない人”と言われました(笑)。常に人を見下す見方をしてしまっていて、学校の先生に対しても、ゲームが自分より下手な人に対しても、無意識に見下した態度をとってしまいがちなんです。けれど、そんな達郎に一緒に戦う仲間ができて、彼らと目標に向かって進んでいくうちに、彼自身が閉ざしてきたものや、見ようとしなかったものに視点が向くようになる。そんな風にできたらいいよね、と監督と話したのを覚えています。
LANDOER:達郎は2人と出会うことで、すごく刺激を受けているように感じました。
鈴鹿:達郎の〈変化〉に関しては考えました。限られた時間のなかで、ゲーム初心者の翔太や亘をどこまで許すことができて、どのあたりから見守ることができるようになるのか、そのグラデーションに関しては、一度全体を見たうえで細かく考えるようにしていて。ただ、どんなに考えていたとしても現場で絶対に変わっていくので、各場面での、達郎の“今の時点の〈変化〉”を意識していました。
自由度をさらに高めた
お互いの“想像できない芝居”
鈴鹿:大兼は毎テイクが新鮮なんです。繰り返しの作業になることなく、まるで毎テイク、その瞬間からその人の人生がスタートしているような。役が“生きていること”がとても伝わってくるので、すごいな、といつも思っています。
LANDOER:奥平さんの芝居に感化されて、鈴鹿さんのお芝居にも変化があったり?
鈴鹿:「頑張ろう!」と思えました。撮影中、芝居で引っ張ってくれたのはもちろん、僕が困っているときに言葉をくれたこともあって。すごく助けられました。
LANDOER:頼もしいですね。奥平さんはいかがですか?
奥平:央士くん、そして亘役の小倉さん(小倉史也)の2人は、僕には思いつかないことが見えている人たちだと思っていました。今回、自由度が高いなかで、あまり経験したことのない撮影方法で撮るシーンがあったりと、いつも使っている頭だけじゃ分からない部分が割と多かったんです。そんなときに央士くんが「ここはこうしよう」といった、アイデアをすごく出してくれて。お芝居を見ていても、僕とは違うベクトルでいろいろと考えていることが伝わってくるので、すごく面白いんです。僕が「ここ、きっとこう来るだろうな」と、想像していた芝居とまったく違うことをしてくれるおかげで、リアルに“自由”でいられた気がします。央士くんのそういった芝居を素直に尊敬していますし、今回共演できたからこそ見つけられたことです。
鈴鹿:ありがとうございます(照笑)。
奥平:いえいえ、こちらこそありがとうございます(照笑)。
東京では経験できない
素敵でやさしい撮影中のオフ時間
奥平:ずっと徳島県の阿南市で撮影をしていたのですが、オフの日に「せっかくだから徳島市に行ってみたいな」と思って、電車に乗ったことがあったんです。その乗車が初めての経験だらけで(笑)。まず交通系ICが使えないので、切符を買わないといけないんです。で、切符を買って改札へ行ったら、今度は切符入れがなくて(笑)!「どうすればいいんだろう…」と、思っていたら駅員さんがカシャンッと器具で切符に穴を開けてくれて。
LANDOER:確かに、東京ではなかなかできない素敵な経験ですね。
奥平:電車の座席も不思議で、向かい合っている席があったり、一辺がすべて座席シートのような席があったり、少しだけタイムスリップしたような気持ちになりました。車窓から田んぼ道が見えていて、それもまた綺麗で。僕、ちょうどそのときにジブリのサントラを聞いていたのですが、「ジブリの世界に来たのかな?」と、錯覚するほど世界観がマッチしていて(笑)、面白くて落ち着く時間でした。
鈴鹿:僕は、ホテルから歩いて5分くらいのところに喫茶店を見つけて、ずっとそこに入り浸っていました。喫茶店のおばちゃんが僕が店に入ると「今日も珈琲?」と、声をかけてくれるようにもなって(笑)。
LANDOER:すっかり常連さんですね(笑)。
鈴鹿:そうですね(笑)。その喫茶店の隣が郵便局だったのですが、お昼時になると郵便局の方がランチにいらして地域の方たちといろんなお話をされるんです。その光景を見て「こうやって社会や地域ってできているんだな」と、考えました。東京にいるとなかなかそういった関わりって築きづらいと思っていて。人とふれあって生きていくことの大切さを思いながら珈琲を飲んでいたのが、思い出のエピソードです。
Dear LANDOER読者
『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、
どーでもよくて~』
お気に入りシーン
From 奥平大兼
僕、『チーム・アンダードッグス』で集まる以外のシーンも結構好きなんです。僕が演じた翔太でいうと、同級生の仲いい友達と遊んでいるシーンや、翔太に想いを寄せる紗良(花瀬琴音)と一緒にいるシーンのような。何気ないシーンなのですが、撮影場所の徳島県の風景とも合わさって綺麗な日常が映し出されているんですよね。作品後半になるにつれて、彼ら、彼女との関係も翔太の大切な一部になっていくので、そういったところも観ていただけたら嬉しいです。
From 鈴鹿央士
大きくなってしまうのですが、ゲームプレー中のシーンは見どころだと思います。撮影の時点では、画面が緑だったり、パラパラ漫画みたいなものだったりで、僕ら自身「どうなってるのかな」と、気になっていたんです。完成した作品をスクリーンで観たときに、ゲーム画面のカッコよさや高揚感、臨場感がものすごく全面に出ていて「めちゃくちゃ良い!」と、テンションが上がりました。
映画『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』
2024年3月8日(金)
TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開!
出演:奥平大兼 鈴鹿央士
山下リオ 小倉史也 花瀬琴音
斉藤陽一郎 唯野未歩子 冨樫 真 山田キヌヲ/三浦誠己
監督:古厩智之
Staff Credit
カメラマン:田中丸善治
ヘアメイク:速水昭仁 (CHUUNi)(奥平)
梶原浩敬(Stie-lo)(鈴鹿)
スタイリスト:伊藤省吾(sitor)(奥平)
永瀬多壱(VANITES)(鈴鹿)
インタビュー・記事:満斗りょう
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