ドラマプレミア23『かしましめし』
愛すべき不器用な〝かしまし衆〟と
愛おしい〝あなた〟に届けたい美味いめし
身体に栄養を取り入れる、それが[食]なのだとしたら、[めし]とは、あたたかい栄養を心に取り入れるものを指すのかもしれない。毎日笑って「美味しい」と幸せであれたら良い。けれど、そんな風にハッピーに生きていけるほど、社会は甘くない。甘くない世界だからこそ、私たちには甘ったれることができる場所が必要だ。これは、愛さずにはいられない不器用な3人が、思う存分甘ったれることのできる場所で食べる旨いめしのお話。なんだか、かしましい声が聞こえてきましたよ――
ドラマプレミア23『かしましめし』
-Introduction-
原作は、『サプリ』『&』のおかざき真里の作品で、『FEEL YOUNG』(祥伝社)で大人気連載中の漫画『かしましめし』。美大を卒業後、同級生の自死をきっかけに再会したアラサーの男女3人が、それぞれの人生に悩みながらも、みんなで集まっては賑やかな“おうちごはん”を囲み、やがて一緒に暮らしていくようになる物語。思わず頷いてしまうほどの共感度抜群のセリフと、作中に出てくるおいしいレシピの数々にファンも多い『かしましめし』を実写化したドラマが、現在放送中!
-雨海英治(あまがい・えいじ)-
自死した同級生の元カレ。美大を卒業後、広告代理店のデザイナーとして勤務していたが、営業に回されてしまい、自分のやりたいことがわからなくなってしまう。「ゲイを親にカミングアウトするときは、最後まで“楽しい人生”を演じ続ける覚悟がなきゃダメ」というゲイの先輩の信条を胸に生きている。
雨海英治 × 塩野瑛久
英治は明るい雰囲気を持ちながらも、実は涙もろい部分がある人。一方、僕はそういったタイプではないので、似ている部分は少ないと感じているのですが、不思議と英治の気持ちは分かるんです。スッと僕のなかに入ってくる人間性が彼にはあると思います。
例えばどういった部分で、
スッと感情移入できましたか?
『かしましめし』は、会話のシーンが多く、登場人物たちの発言から「どんな風に生きてきたのか」「どのように考えてきたのか」を予測しやすい脚本になっているんです。英治の言動の根本を理解することで感情移入できたのかな、と思いますし、根本の部分に共感を覚えることが多かった気がします。そのうえで、脚本に描かれていない部分を構築したり想像したりするのも、僕のやるべきこと。映像になるのは一部分かもしれないけれど、『雨海英治』という人間のバックボーンまで丁寧に考えながら撮影をしています。きっと登場人物たちの会話のなかに、視聴者の皆さんも共感できるところがあるんじゃないかな。
塩野さんの紡がれる『雨海英治』が
これからどうなってゆくのか楽しみです。
撮影前に何か準備されたことはありましたか?
今回の脚本にはト書きや心情を表現する部分が少なく、会話がバーッと書かれているんです。その会話のなかから、気になる部分や考えたい部分を抽出しつつ「これはどういった感情なのだろう?」と、何度も読み返したり考えたりしていました。とはいえ、結局現場に立つことでしか分からない部分が必ずあるので、共演者の皆さんとの擦り合わせや監督の意向をきちんと表現できるように、脚本の解析度を高めてクランクインに臨みました。
実際に現場に行かれて、
監督からのリクエストは何かありましたか?
「どこか愛される、そして、愛すべき人になってほしい」というリクエストをいただきました。千春とナカムラも3人の雰囲気を盛り上げてくれるのですが、それ以上にその場を盛り上げたり、雰囲気を和らげたりする役目を担っているのが英治なので、そこを意識しながら演じるようにしています。しかも英治は関西弁の役。「ここでイントネーションが上がるんだ、ここは下がるんだ」など、初の関西弁を模索しながら身に染み込ませているところです。
塩野さん×関西弁も見どころですね!
会話劇が主体となって物語が進んでいく今作ですが、
千春役の前田さん、ナカムラ役の成海さんとは
どういったお話を?
特に3人で「こうしようね」と決めるわけではなく、割とその場の雰囲気でお芝居をしています。お二人が「タメ口で話そう」と提案してくださったこともあり、僕は「あっちゃん」「璃子ちゃん」と呼ばせていただいているんです。現場では『かしましめし』の、あの3人のように和気あいあいと話しています。
初共演のお2人ですが、
お会いする前とお会いした後で
印象が変わった部分はありましたか?
あっちゃんは、バラエティー番組などで拝見していた姿と変わらない方です。すごくおちゃめで、興味が湧いたことはどんどん質問してくれますし、優しい一面もたくさん持たれていて、あっちゃんのおかげで楽しく撮影ができていると感じます。璃子ちゃんは以前からずっとお芝居を拝見していた方で、プライベートな部分のイメージがそこまでなかったのですが、実は意外な一面をたくさんもたれていて。一度、何かの話の延長で『おジャ魔女どれみ』の話になったんです。その時、一番テンション高く『おジャ魔女カーニバル!!』を歌っていたのは璃子ちゃんでした(笑)。お二人とも先輩なのですが「可愛いな」と思う部分をたくさん持たれている方たちです。
3人の仲良しカットも楽しみです。
同時に、グルメシーンも見どころだと思うのですが
どういったドラマになっていますか?
原作のおいしい料理たちが、ドラマ内でもおいしく描かれています。しかも、実際においしいんです!11時台のドラマなのですが、お腹が空くこと間違いナシのグルメドラマになっています(笑)。ただそれだけではなく、各々のヒューマンドラマがしっかりと敷き詰められていて、その描き方もすごくリアル。まるで、千春、ナカムラ、英治の3人がそこにいるかのように感じていただけるんじゃないかな、と思います。“自分”という人間のあり方を、周りの環境や恋愛、仕事などにもまれながら、時に悩んで笑って探していく。みんなが生きている生活が垣間見えるドラマなので、観てくださる皆さんに3人が愛されたら嬉しいです。
3人の会話のなかにある言葉に
共感することがたくさんありそうですね。
そう思います。僕自身、台本を読んでいる段階で刺さる言葉だったり、共感する言葉だったりが散りばめられていました。ただ、3人が意識を向けているのは意外と“外の世界”なんです。かけがえのない友人で、同居人で、心を許せる3人がメインの物語だからこそ、各々が“外の世界”で関わっている人たちとのコミュニケーションの大切さが浮き彫りになるといいますか。「こういう状況でこう言われたら、こう返すしかないよね」と思うような場面、何気なく繰り広げられている会話が誰かの心に刺さっていること、そういったシチュエーションがドラマになることで、「人間の心って繊細なんだな」と感じられると思いますし、自分と照らし合わせる方もいらっしゃると思います。自分は平気でも、他の人にはグサッとくる会話かもしれない。だからこそそういった意識を忘れないように、と、思う場面も多いんじゃないかな、と。
ご実家でクレープ屋さんをやられている
塩野さんですが、
[食]と聞いて印象的な
エピソードは何かありますか?
小さい頃、親がいつもお土産でクレープを持って帰ってきてくれていたんです。僕はいまだにそのクレープの味がいちばん好きで。過去を振り返ると、良い時もそうは思えない時も、いろんな[食]を体験してきたな、と思います。それは僕に限らず、みんなきっとそうなんじゃないかな。楽しい瞬間、悲しい瞬間、そして懐かしい瞬間、様々な記憶に結びついているのが[食]だと思いますね。
Dear LANDOER読者
From 塩野瑛久
ドラマプレミア23『かしましめし』
3人のキャラクター性が色濃く出ている今作。その3人を演じる俳優陣も、それぞれ良い意味でバラバラな性格だと感じることが多いです(笑)。それがきっと作中の千春とナカムラと英治に通じているんだろう、と思いながら撮影をしています。僕たち3人の、バラバラで個性的な部分が皆さんにも伝わって欲しいと思いますし、このドラマが「あの人をご飯に誘ってみようかな」と思うようなキッカケになってくれたら嬉しいです。
ドラマプレミア23『かしましめし』
毎週月曜よる11時6分~
テレビ東京、テレビ大阪、テレビ愛知、テレビせとうち
テレビ北海道、TVQ九州放送
出演:前田敦子 成海璃子 塩野瑛久 / 渡部篤郎ほか
監督:松本佳奈 ふくだももこ
脚本:玉田真也 今西祐子
Staff Credit
カメラマン:作永裕範
ヘアメイク: 磯野亜加梨
スタイリスト: 山本隆司(style³)
インタビュー・記事:満斗りょう
ページデザイン:古里さおり
Item Credit
ジャケット ¥308,000-
ニット ¥232,000-
パンツ ¥209,000-
シューズ ¥143,000-
共にAMIRI
(問い合わせ先)
アミリ / スタッフ インターナショナル ジャパン クライアントサービス
Tel:0120-106-067