【舞台】7ORDER
~BOY meets GIRL~
「これは、僕らとあなたの物語」
原案に込めた〈本音〉を語らう
7ORDERスペシャル座談会
静かな興奮が漂う劇場で、彼らに出逢った瞬間をいまでも忘れていない。自身の名を投影した役に命を吹き込んだ、6年前の『舞台7ORDER』。あの日から今日まで、彼らは一体どんな空の下で物語を紡いできたのだろう。はじまりを感じるやさしい雨、希望の爆弾を見せてくれる青空、様々な空と音を味方につけて歩んできた、現在地(ここ)までの日々。それぞれの6年間を持ち寄り奏でるメロディーは、虹薫るはなむけの歌にきっとふさわしい。別れではなく、尊い分かちを。分岐点に立った彼らの物語の幕が上がるまで、あと少し――
【舞台】7ORDER ~BOY meets GIRL~

-Introduction-
本作の主⼈公は、7ORDERのメンバー6⼈。彼ら⾃⾝が考案した原案をもとに、今作で脚本・演出を務める川名幸宏が⼀つの作品として描き出します。笑いあり、驚きあり、そして今の7ORDERが伝えたいメッセージが込められた物語を、等⾝⼤の姿でお届けします。ファン待望の舞台公演となる本作は、彼らの成⻑と新たな挑戦が詰まった特別な作品になること間違いなし。ぜひ劇場で彼らの姿を⾒届けてください。
“7ORDERのはじまり”を、
いまの僕らでもう一度
LANDOER:なぜこのタイミングで舞台をするに至ったかを教えてください。
安井謙太郎(以下、安井):今回、 顕嵐が7ORDERを卒業することが決まり、「何かしらのカタチでファンの皆さんと時間を共有する場所が欲しいよね」といった話から舞台をすることになりました。もちろんライブの案もあったのですが、これから顕嵐が俳優活動に進むということ、7ORDERのはじまりが6年前の『舞台7ORDER』だったこともあり、舞台のほうがストーリーに幅が出るんじゃないかという話になって。物語を通じて、何か残せるものがあればいいなと思いながらつくっているところです。
LANDOER:舞台は久しぶりのメンバーの方もいらっしゃいますよね。
諸星翔希(以下、諸星):僕は最後が『Oh My Diner』(2020)なので、5年ぶりになります。
安井:結構そういう人多いよね?顕嵐と萩ちゃん以外は、舞台久しぶりじゃない?
LANDOER:正直、舞台をやられるのは意外でした。
安井:狙い通りです(笑)。ライブだと、きっと皆さん予想できちゃうと思って。意外性をもたせたかったんです。


まさかの取材日で発覚した
真田佑馬、欠席事件——⁉
LANDOER:舞台の物語は、7ORDERの皆さんで原案を考えられたとお聞きしました。 安井さんのお宅に集まって考えられたのだとか。
安井:そう。全然帰ってくれなくて…。
諸星:謙ちゃん、話し合いの最後のほう、帰ってほしすぎてソファーに埋まってたよね(笑)。
萩谷慧悟(以下、萩谷):正直、あの議論の終わるところはなかったよ(笑)。やっさんがソファーに埋まってくれなかったら、僕たちも帰れなかったと思う。僕、知らないですもん。あの議論の終わり方(笑)。
LANDOER:どんなふうに意見を出して議論を進められたんですか?
萩谷:最初から「オムニバス形式にしたい」というのだけは決まっていて、そのために「どういった内容にする?」というところからスタートしました。オムニバスにする場合って、いろいろなシーンをつくる材料が必要じゃないですか。その材料の買い出しからはじめていったイメージです。
安井:みんなで「こんなシーンがあったらいいよね」といった案を出していったのですが、そのシーンはほとんどなくなっています…(笑)。
萩谷:深夜テンションで出しちゃっていたからね(笑)。

真田佑馬(以下、真田):実はその打ち合わせ、僕はいなかったんです。
LANDOER:そうなんですか!?
真田:そうなんです。ちょうどその日、風邪を引いてしまっていて。そうしたら今日、インタビューを受けているときに、僕がいなかったことにみんな初めて気がついたんですよ(笑)!
萩谷:そうそう(笑)。別の媒体の取材を受けているときに「みんな、やっさんの家にどうやって行ったのか」という話になって。顕嵐は舞台期間だったから遅れて来たよね、他のみんなは車で…と話していたら、ふと「あれ?でも車って4人乗りじゃない?」となり…。一人ずつ確認をとっていったら、さなぴーが車に乗っていなかったことに気づいたんです。ただ、そのタイミングになっても「さなぴーは打ち合わせにいた」と確信していたので、「さなぴーに聞いてみよう!」って(笑)。
真田:「さなぴーどうやって来たの?」じゃなくて、僕はいなかったの(笑)!
LANDOER:みんなでいることが当たり前になっていたからこそですね(笑)。
安井:そうなんです(笑)。その日の打ち合わせは、とりあえずみんなの頭の中を机の上に並べて、入れ替えてみたり、意見を言い合ったりして終わりました。そこから今日まで、読み合わせをしながらアップデートしていっている、って感じですね。


【舞台】7ORDER ~BOY meets GIRL~ に込めた
個々の“大切な一色”
LANDOER:皆さんが意見を出すときに、各々に大切にしたこと、アップデート段階で大切にしていることを教えていただきたいです。
萩谷:舞台の話をはじめたのが昨年の10月頃で、ちょうど「YES!FES! by 7ORDER×ナタリー」とツアーの間だったのですが、そのときから「別れ話のような、しんみりする舞台にはならないようにしよう」と話していて。とはいえ、僕のなかでも明るくやりたい気持ちと、伝えたいリアルな想いが交錯していました。リアルな話ばかりになってしまうと地味になる、でも派手にすると嘘になる。そこのバランスをとるために、いまは脚色を入れたり、ぶっ飛んだシチュエーションを入れたりして、うまく調整しながらつくることを大切にしています。
阿部顕嵐(以下、阿部):僕らの根底にあるエンタメ精神「来てくれる人に楽しんでもらいたい」という気持ちは、僕はもちろん、全員が大切にしていると思います。そのうえで、やりたいことをやろうという感じです。今回、タイトルに「BOY meets GIRL」と付けたのも「別れじゃなくて、これまでの日々、そしてこれからの未来に出逢いがある」といった、観てくださる皆さんに〈希望〉を届ける物語にしたかったから。6人体制の最後に、あえて“出逢いの物語”をやるところが僕ららしいんじゃないかな、と。全員、しんみりするのは苦手なので、しっかり面白おかしく物語を紡いでいきたいと思っています。アドリブのシーンは、きっと毎日汗をかきながら挑みます(笑)。
諸星:顕嵐が卒業するにあたって舞台をすることになったわけですけども、きっとこのタイミングがなかったら、僕はこの先も舞台をやっていなかったと思います。というのも、実は数年前に自分のなかで舵を切って「やりたいことに集中しよう」と決めた分岐点がありまして。それが今回、こういったタイミングで舞台に出演させてもらうことになり、「機会に恵まれたなぁ」と思いました。自分の人生は、これからもこんなふうに揺さぶられていくんだろうなって。だからこそ、僕がこの作品に参加するうえで感じた「目の前の瞬間を大事にしたい」という気持ちを、作品にも込められたらいいなと思っています。正直、お芝居上で会話をするのはむずがゆい部分もあるのですが(笑)、そんなむずがゆさも、これから稽古を重ねて出てくる変化も、瞬間瞬間をちゃんと大事に感じ取っていきたいです。


安井:僕がこの舞台で大事にしているのは、7ORDERの根幹にある“偽りのない想い”です。それを描くために、脚本をお願いする人を指名させてもらったり、自分たちも原案に参加したりと、ワガママを受け入れていただきながら進めさせてもらっています。舞台でお届けする以上は、リアリティーもノンフィクションも、当然、エンターテインメントという包装紙で包む必要があるのですが、根っこの部分は“嘘偽りなく〈真実〉が伝わるカタチ”に落とし込みたいと思っていて。僕自身、原案をつくっている過程で「あ、僕ってこう思っているのかも」と、自分の〈真実〉や〈本音〉を改めて発見する場面があったんです。やっぱり“物語”として振り返ると、客観視ができる分、自分とこれまでの出来事や感情を分離して考えやすいんですよね。個人的には、僕らの〈真実〉に対する“主観的な想い”と“客観的な事実”が、良いバランスで入ってくるんじゃないかと感じています。
真田:前回の舞台同様、今回も自分たちの名前が役名になっているのですが、それって「これは僕らの物語だ」ということを一番明確にしているものだと思っていて。通常の役柄であれば多少の嘘をついて演じるけれど、この作品に関しては、セリフの節々に「あ、これ、本当の気持ちだ」と感じる瞬間がとても多いんです。自分が役と交錯する瞬間が多いにも関わらず、エンターテインメントの舞台で自分という名の役を演じる…そんな、矛盾する作業をずっと繰り返している感覚といいますか。その一方で、みんなで作品をつくりながら「こういうときもあったね」「このときは驚いたね」と、自分たちの人生のアルバムをめくっていっているような気もしていて。きっとこの作品は、現在(いま)の7ORDERを確認するため、そして未来の7ORDERを思い描くために、必然的に生まれてくるような作品になるんじゃないかと思っています。
長妻怜央(以下、長妻):今回、コミカルなシーンがすごく多いのですが、僕自身、コミカルなシーンを真剣にやることで生まれる面白さが大好きなので、そういった面白いお芝居を大切にしたいなと思っています。みんなとのお芝居もとても楽しみです。

僕が好きなみんなの芝居
By 長妻怜央
長妻:僕がみんなの作品を舞台や映像で観させてもらっていて思うのは、萩ちゃんはキャラクターをつくりこむことが上手。今回も『萩谷慧悟』ではない役で出るシーンがあるので、そこのお芝居がすごく楽しみです。顕嵐はとにかく喉が強い。できればたくさん叫んで欲しいなと思います(笑)。モロッシーはやさしい。普段からやさしさが全面に出ているからこそ、内に秘めているシーンなどは観ていてグッとくるんです。安井くんは、この間本読みをしたときのセリフの話し方がすごく自然で、「これはお芝居なのか?お芝居じゃないのか?」と分からなくなって。そういったお芝居をこれから見られるのだと思うと、一緒に稽古をしていくのがすごく楽しみな気持ちです。さなぴーはツッコミが本当に面白い!本読みの段階から、アドリブを入れてくるんですよ。きっとそれが本番で出てきたとき、受け取る僕たちも「おぉ!」って楽しくなるんだろうなって。みんなの個性が感じられそうで、今からワクワクしています。
諸星:さなぴーって“ツッコミながらボケる”っていう最強のワザを使うからすごいんだよね。
安井:ながつは7ORDERのなかで一番みんなの作品を観ているので、そういった意見を聞けるのが面白いです。是非、ながつが言ったポイントも、見どころのひとつとして劇場で楽しんでもらえたらと思います。
7ORDER
恵雨が紡ぐ“創造”と“メロディー”で
鮮やかな虹を架け、
あらゆるBorderを越えてゆく6名のDOER
「バンド」と「ダンス」、2つのパフォーマンス・スタイルを自由に行き来し、唯一無二のエンターテインメントをセルフプロデュースするアーティスト。個々でも俳優、声優、映画プロデューサーなど音楽以外でも積極的な表現・創作活動を行なっている。






【舞台】7ORDER ~BOY meets GIRL~
日本青年館ホール
2025年5月23日(金)~5月31日(土)
脚本・演出:川名幸宏
原案・企画・プロデュース:7ORDER

Staff Credit
カメラマン:興梠真穂
ヘアメイク:大島千穂/大島智恵美
インタビュー・記事:満斗りょう
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