MBSドラマ特区『世界で一番早い春』
「ことばに説得力を宿して」
過去と今を繋ぐ台詞に丁寧に寄り添った、
とあるキーマンの春の記憶
「もしあの日に戻れたら」きっと誰もが一度は唱えたことがあることば。そして後ろに続くのは、自身の後悔を達成に変えるための願いたち。進み続ける時間を生きる私たちは、もう二度と来ない「あの日」に想いをはせてしまうけれど、もし「あの日」のどこかに、自分が見た事実と違う何かが埋もれていたとしたら···?見落としたものや見つけられなかった事実が、今に繋がっていたとしたら···? タイムスリップするだけじゃ変えられない時間の慣性力。〈想い〉の強さを武器に過去の真実へ立ち向かう彼らが見つける本当の春とは、一体どんな姿なのか――?
MBSドラマ特区『世界で一番早い春』

-Introduction-
今、一番切ないタイムスリップラブストーリー
―あの時の後悔、もしやり直せるならあなたはどうしますか―
何度でも先輩を助けたい!その想いが全てを変える!
全世代に刺さる≪タイムスリップラブストーリー≫が誕生!
主人公の漫画家・晴田真帆。彼女には、10年前に亡くなった高校のマンガ部の先輩・雪嶋周が描いた漫画の設定をもとに、自分の作品として漫画を描いていたという秘密があった…。そして、今も彼女の心には「ある後悔」が残っていた。もしも人生をやり直せるなら、この作品を雪嶋先輩に返して、自分の力で漫画を描き上げてもらいたい…!そう考えていた真帆の身に、ある夜、不思議なことが起こり…。高校時代にタイムスリップした真帆は後悔を胸に、“先輩に作品を返す”ため、もう一度高校時代を「やり直す」ことに――!
-嵐景政(あらし かげまさ)-

出版社に勤める、真帆の編集担当。
10年前は、真帆と高校の同級生でもあった。
大倉さんにとって
初の「タイムスリップ」を題材とした作品ですが、
撮影に挑むうえで
何か工夫されたことはありましたか?
クランクイン前に原作を3周ほど読んで撮影に挑みました。僕が演じる嵐は、彼の台詞で物語が進んだり新たな気づきを与えたりするキャラクターなので、ことばに説得力をもたせるためにも自分でちゃんと理解しないと、と思って。そのおかげもあってか、時間軸の変化や起こる事件の理解に関してはそこまで苦労していません。どちらかというと撮影の順番のほうが大変で…(笑)。1話と3話を撮って、次に5話のシーンを撮って…と順不同で撮影をしているので、嵐は今どのくらいタイムスリップの状況を把握しているのか、などの整理が必要なんです。常に撮影シーンの前後の物語をチェックして、ワンシーンワンシーン丁寧に整理させていただきながら撮影しています。

高校時代の嵐と大人になった嵐。
両方を大倉さんが演じられるのも楽しみです。
演じ分けについて考えられていることはありますか?
原作で描かれている高校時代の嵐は割とクールなイメージが強いのですが、目の前で起こった物事を素直に受け取って、焦りや驚きをちゃんと顔に出す人でもあるんです。クールだけど素直…この要素をどう演じようかと、富田(富田未来)監督、北川(北川瞳)監督ともお話させていただいた結果、“人見知り”というところに落ち着きました。人見知りゆえに外から見ると落ち着いた印象をもたれるし、視点によっては冷たくも見えてしまいがち。だけど、仲良くなったら砕ける一面もある。そういったところで嵐の可愛さを見せられたらいいなと思っています。一方で、大人になった嵐はカチッとスーツを着て、漫画家・真帆(吉田美月喜)に敬語で寄り添い、仕事にすごく熱心に取り組んでいるイメージ。真帆が担当編集の嵐に対して言及している「(編集者の嵐が)板挟みになって、漫画家を守ってくれた」というような台詞があるのですが、それがまさに彼の仕事への姿勢と漫画家に対する愛、真面目な人間性を表していると思っていて。原作では嵐が仕事のなかでペコペコと頭を下げている描写もあったりするので、そういった姿を見ると、高校時代の人見知りやシャイな面は成長とともに薄れていっているのかなとも思います。

人見知りの方は
人のことをとてもよく見ているイメージなので、
嵐のタイムスリップに関する分析が
鋭い理由が分かった気がします。
理由としてそれもあると思います。しかも彼はもともと小説好きなので、物語をつくって考えるのが好きなんじゃないかと思うんです。「もしかしたらこうなのでは…!」という仮説がたくさん思いつくんだろうなぁ、と思いながら演じています。
編集者という職業にもぴったりですね。
時間軸の変化がある本作に臨むにあたって、
芝居に関して工夫した点があれば教えてください。
先ほども言ったように、本作は嵐の台詞で物語が進む場面が多いので、一つひとつのキーワードを立たせたり、視聴者の皆さんが理解しやすいようにことばをおいて話したりと「台詞の発し方」への工夫を意識しています。ゆっくり話すからか、僕自身も台詞に感情が繋がりやすくて。きちんと整理しながらお芝居ができている気がするので、今から映像で観るのが楽しみです。とにかく嵐の“今”を、ちゃんと生きることを大切にしながら演じています。


タイムスリップなど
〈時間〉をキーワードとする作品を観ると、
より強く「巻き戻せない時間の大切さ」を感じます。
大倉さんは〈時間〉の大切さについて
考えるキッカケとなった出来事はありますか?
たくさんあります!原因は自分にある。(以下、ゲンジブ)の活動をしていると、特に〈時間〉の大切さを感じることが多くて。僕たちゲンジブはデビューして数ヶ月で世界がコロナ禍になってしまい、デビューをしたものの2年間活動ができないという期間を経験しているんです。当時は個人のSNSも開設していなかったので、人前に立てないうえに、今のようにいろんな発信ができる場所もなくて…。あのもどかしくて不安な期間があったからこそ、今こうして人前に立てていることのありがたさをすごく感じますし、「僕たちはこの先こうしていきたい」という想いも人一倍強いように感じます。そういった意味でも“今”という時間を大切にする気持ちは、僕に限らずメンバー全員とても強いです。
今が大切だと刻まれているがゆえに、
本番に強いんですね。
ライブからもその想いが伝わってきます。
メンバーみんな口を揃えて、「ライブは本当に大切」といつも言っているんです。ファンの皆さんの生の声を聴くことができる時間、そしてその空間を何よりも大事にしているグループなので、僕らのその想いを皆さんが受け取ってくださっているのかな、と思ったりもします。

Dear LANDOER読者
MBSドラマ特区『世界で一番早い春』
From 大倉空人
個人的に物語の前半は、真帆がタイムスリップを通して「雪嶋先輩(藤原樹)のこういうところが好きだったんだ」と、自分の先輩への気持ちをあらためて思い返す場面に心打たれる回だと思っていて、そこに僕演じる嵐が登場することで、未来と過去の繋がりが見えてくる展開――まさにタイムスリップならではの展開に変わりはじめると思っています。真帆が嵐にいろいろなことを打ち明けた理由や、自分をあまり出さない嵐が、なぜマンガ部と自分の過去のためにタイムスリップをしようと決意したのかなど、各々の気持ちの変化や心情も含め楽しんでいただける前半になっていると思うので、ぜひ前半話でキャラクターの理解度を深めていただいて、最終話にむけて進んでいく登場人物たちを見守っていただきたいなと思います。ここからさらに登場人物も増えてきますし、新たに発覚する事実や、進むにつれて立ちはだかる壁も出てきます。壁にぶつかりながらも前を向く真帆と嵐を、そばで応援して支えていただけたら嬉しいです。


MBSドラマ特区『世界で一番早い春』
MBS:毎週木曜 深夜24:59~
(※他、放送時間は公式HPをご確認ください)
出演:吉田美月喜 藤原樹(THE RAMPAGE)
大倉空人 ほか
原作:川端志季『世界で一番早い春』(講談社「Kiss」所載)
脚本:ニシオカ・ト・ニール、
松本美弥子、桐乃さち
監督:富田未来、北川瞳
制作プロダクション:The icon
製作:「世界で一番早い春」制作委員会・MBS
Staff Credit
カメラマン:YURIE PEPE
ヘアメイク:SUGA NAKATA(GLEAM)
スタイリスト:中瀬 拓外
インタビュー・記事:満斗りょう
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