【小芝風花 × 吉原光夫】『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』「もう一度、きみに会いたい」互いの〈勇気〉を信じ続ける、ナギとガス100年の恋人を演じたふたりのスペシャル対談

小芝風花×吉原光夫

【小芝風花 × 吉原光夫】
『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』
「もう一度、きみに会いたい」
互いの〈勇気〉を信じ続ける、ナギとガス
100年の恋人を演じたふたりのスペシャル対談

明日は君に会えるだろうか―···。毎晩、奇跡の瞬間を待ちながら眠りにつく。涙の雨から希望の灯火を守り、諦めの雪をかき集めては鼓舞の雪だるまを作り、「遠くに行ってしまったきみに、もう一度出逢う日が来る」そう信じる自分を、信じ続けてきた。変わらず進む時計の針や、当たり前に過ぎていく人々の日常。自分以外の時間の不変さに傷つきながら、ここで〈待つ〉ことを選んだ。だって、「信じたい」と思えるきみに出逢えた日から、もう奇跡ははじまっていたのだから⸺。

『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』

『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』

-イントロダクション-

あの大ヒットアニメーションが
スクリーンに帰ってくる!

⽇本アカデミー賞受賞、国内動員196万人の大ヒットを記録したオリジナルアニメーション『映画 えんとつ町のプペル』。原作累計発⾏部数は異例の80万部を突破し、歌舞伎、バレエ、ミュージカルなど広がり続ける「プペルワールド」の映画最新作がついに公開!前作同様、製作総指揮・原作・脚本を西野亮廣、監督を廣田裕介、アニメーション制作をSTUDIO4℃が担当。前作で遠くに⾏ってしまった大切な友達・ゴミ人間のプペルに、少年ルビッチがもう⼀度出会うまでの物語。世界を魅了した“信じる⼼”が再び贈り出す、感動の冒険ファンタジー。

-あらすじ-

あるところに、壊れていないのに
11時59分で止まっている
不思議な時計台がありました――

大切な親友・ゴミ人間のプペルを失い、悲しみに暮れていた少年・ルビッチ。しかし、信じて待つことを諦め、前に進みだそうとしていた彼はある日、時を支配する異世界“千年砦”へと迷い込んでしまう。時を刻まなくなった時計は処分されるこの世界で壊れてないのに、11時59分で止まっている不思議な時計台があった。ルビッチが元の世界に戻る唯一の方法は、「止まってしまったこの時計台を動かす」こと――。新たな相棒の異世界ネコ・モフと共に時計台の謎を追うルビッチはやがて、100年間約束を信じて待ち続ける男・ガスと出会い、人に化けた植物ナギとの叶わぬ約束の物語を知る。ルビッチがもう一度“信じる勇気”を取り戻したとき、ハロウィンの夜に奇跡が起こる。

人に化けた植物の精霊
ナギ CV:小芝風花

×
千年砦の時計師
ガス CV:吉原光夫

小芝風花×吉原光夫

『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』
×
小芝風花 吉原光夫

LANDOER:アフレコを通して小芝さんが感じた、本作に込められたメッセージの魅力を教えてください。

小芝風花(以下、小芝):前作で描かれていた「自分を信じる」ということ、そして本作で描かれている「相手を信じて待つ」ということ。言葉にするとありふれて聞こえるけれど、実際にそれを体現できる人ってなかなかいないと思うんです。自分に自信がもてなかったり、「周りがこう言っているから」と周囲と比べてしまったり、情報にあふれたこの世界で自分自身がブレてしまうのはよくある話で。でも、そんな迷いのなかでも、本作の登場人物たちは信じることをやめない。みんなから嫌な顔をされているプペルを「僕にとってきみは最高の友達だよ」と、信じ続けるルビッチもそうですし、いつ現れるかも分からないのに「約束したから」と、ナギを信じて100年も待つガスもそうですし。彼らのまっすぐな姿を見て、私自身、相手を信じることの大切さを教えてもらいました。

LANDOER:吉原さんは2021年のミュージカル『えんとつ町のプペル』でもプペルの世界に触れていらっしゃいますが、本作をご覧になって感じたことを教えてください。

吉原光夫(以下、吉原):本作のテーマは〈待つ〉ですが、最近は待つこと自体がご法度になっているような気がします。交通機関を長く待つことも減りましたし、どこに行くにも予約が当たり前の世の中ですし。そんななか、子どもと一緒にいると〈待つ〉ことしかできない瞬間が多いんです。そもそも「急ぐ」という概念が子どもにはないので、彼らが何かしている間、僕は〈待つ〉しかないんですよ。でもそれって、実はとても大事で贅沢な時間なんじゃないかと感じていて。来るか分からない誰かとの約束や、届くか分からない手紙を待ち続けること——昔はそういった“果たされる瞬間までの期待感”を楽しむ余裕があったと思うんです。この物語を通して、「もう一度、君に会うために待ち続けること」の大切さを、あらためて考えさせられました。

『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』
©西野亮廣/『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』製作委員会

描かずとも、語らずとも伝わる
ありのままの“人間味”と“甘酸っぱさ”が
ふたりの魅力

LANDOER:〈待つ〉というテーマのキーパーソンである、ナギとガスを演じられたおふたりですが、ご自身の役を演じるうえで意識されたことはありましたか?

吉原:先ほど、別媒体のライターさんから「ガスは生々しかったですね」という言葉をいただいたのですが、それを聞いて「たしかに!」と思いました。ガスとナギの関係性を築くにあたって、西野(西野亮廣)さんも僕も慎重に動くことを意識していたからこそ、あの生々しさが生まれたんじゃないかと思っています。酔った勢いでナギに声をかけるけれど、次の日にはちゃんと謝ったり、ふざける一面を見せたりしながら、彼女との距離を順序よく詰めていく『ガス』⸺ そんな、彼の“人間らしさ”が伝わるように意識して演じていました。

LANDOER:たしかに。アイデンティティが確立された、一人の大人のふるまいが色濃く描かれていると思いました。小芝さんはいかがでしたか?

小芝:ナギとガスは終始言い合いを繰り広げている役柄でしたが、いざ映像を観てみると、気恥ずかしさゆえに素直になれないふたりの“本当の想い”がしっかり伝わってくるシーンになっていて感動しました。わざと甘々にしたり、キュンとした表情を入れたりしなくても、お互いの恋心相手を想う空気がところどころにあふれていて素敵だな、と。ふたりの強い〈絆〉を感じていただける物語が完成したと思います。

『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』
©西野亮廣/『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』製作委員会

LANDOER:おふたりの掛け合いのトーンも、とても素敵でした。

小芝:最初のほうは、吉原さんのカッコいい声と自分の声が並んだときに、「私の声、キンキンして聞こえないかな。子どもっぽくなりすぎていたらどうしよう…」と不安だったんです。西野さんからは「元気よく!」というオーダーをいただいていたのですが、うまくバランスを取れているかが分からなくて…。でも、そこはさすが西野さんでした。アフレコ中、上手に導いてくださったおかげで、ふたりの関係性が魅力的に映るトーンに調整されていて安心しました。

吉原:実は僕も、そのバランスを意識していました(笑)。小芝さんとお芝居できることはもちろん光栄だったのですが、やはり年齢差があるので「どうしようかな」と考える部分もあって。いま思うと、最初はお互いがアジャストしようとしすぎて、少しふわっとした着地になってしまっていたのかもしれません。その後、僕自身は西野さんとディスカッションを重ねていくうちに、殻を破ってガスに臨むことができました。いま小芝さんのお話を聞いていて、「きっと小芝さんも最初は僕に合わせて、大人っぽいローギアで来てくれていたんだな」と、当時の答え合わせができた気がします。

LANDOER:アフレコの収録現場では、よく「画と自分たちの声のシンクロ率が計りづらい」と聞きます。

小芝:そうなんです。「本当に大丈夫かな?」って、ずっと気になっていました。

吉原:自分の声って、自分じゃあまり分からないんですよね。なので、そこはもう監督に委ねるしかないんです。幸い西野くんとは付き合いが長いので、「甘々なラブストーリーにはしたくない」という彼の方向性はキャッチできていて。その狙いを踏まえたうえで、それぞれが描く〈想い〉をすり合わせながらクリエイティブしていった印象です。

小芝風花×吉原光夫

ギャップ旋風が、
スクリーンを超えてときめきを吹かせる⸺

LANDOER:お互いが演じられたナギとガスはいかがでしたか?

小芝:とにかくガスはカッコよかったです。最初は、酔っぱらってどうしようもない感じで近づいてくるにも関わらず、ズルいほどカッコいいんですよ。個人的には、イヤリングを返す、返さないのやりとりがすごく好きで。普段はおちゃらけているのに、仕事となると一気に凛とするギャップとか、しっかりした声かと思いきや、ナギを見つけた瞬間に優しく変わる声色とか…。「女子はたまらんやつだなぁ」と思いながら観ていました(笑)。

吉原:僕は最初、ナギの声を聴いたとき「すごく大人っぽい声だな」と思ったのを覚えています。それもある種、普段の小芝さんのイメージとのギャップだったと思うのですが、もう画を見る前からナギにピッタリな声だと思いました。

小芝:ガスの声がすごく大人でダンディーだったので、恋心を抱く役として「子どもっぽく見えすぎたらどうしよう」と、緊張していたんです…!ナギのおてんばな一面が強く出すぎてしまったら、大人と子どもみたいになってしまうんじゃないかと心配で(笑)。吉原さんにそう言っていただけて、ホッとしました。

吉原:今日、お互いの初日の戸惑いを聞くことができてよかったです(笑)。

小芝風花×吉原光夫

作り手の“あの日”から生まれた本作
完成したのは、
すべての人に共鳴する「新たな物語」

LANDOER:本作は、西野さんの体験が深く反映されている作品ですが、役作りや物語の解釈について、西野さんご自身とお話しされて印象的だったことはありますか?

吉原:僕の場合は、制作の段階から「この物語は西野さんと梶原(梶原雄太)さんの話」だと聞いていたので、「一体どうやってプペルの世界観に落とし込むんだろう?」と思っていたのですが、見事に作品に昇華されていて驚きました。自分の体験を入れた物語って、どうしても独りよがりになってしまったり、現実に引っ張られたりしがちじゃないですか。でも本作はそれらを払拭して、きちんと“新しいお話”として成立していて。一観客としても、物語をすんなり受け入れることができました。

小芝:私は、アフレコの直前に西野さんと梶原さんのお話が基になっていることを聞いたんです。もちろんプレッシャーもありましたが、「そんな大切な作品で、ナギという重要な役を任せていただけたんだ!」と、作品に懸ける気持ちがより強くなりました。アフレコ初日に西野さんと初めてお会いして、物語や役の説明を伺ったとき、鳥肌が立つほど身が引き締まったことを覚えています。

小芝風花×吉原光夫

「信じたい」と願える出逢いは“奇跡の産物”
勇気を出して
〈待つ〉選択を信じ抜く

LANDOER:「遠くへ行ってしまった人を待ち続ける」というのは、相手を信じることであると同時に、自分を信じることでもあると思います。この作品を経て、あらためて〈待つ〉ことに対して、おふたりのなかに新しく芽生えた想いはありますか?

吉原:何においても「信じること」が大切なのだと思いました。信じるものがないと勇気も出せないし、待つこともできない。そう考えると、〈待つ〉をテーマとした本作の根底にあるのは、やっぱり「信じること」なんですよね。いまは、ソースやデータがなければ信じられない時代になってきているけれど、漠然と「この人を信じる」というような、自分が信じたいものを信じられる力ってすごく強いと思うんです。それを感覚的に教えてくれるのがこの作品だな、と。とはいえ、説教くさい物語ではないので、子どもたちは「面白かった!ルビッチ可愛かった!」といった感想を抱くはず。それでもいい。ただ、この物語に触れた経験が、これからの人生において大きな意味をもつ気がします。

小芝:私自身、交友関係が広いタイプではないのですが、人との関わりが希薄になりつつある現代において「信じたい」と思える人に出逢えること自体、とても尊いことだと思うんです。「この人のためなら待てる」「この人のためなら我慢できる」⸺ そう思える人との出逢いは、この先も大切にしていきたい。本作を観て、その気持ちをあらためて感じることができました。あと、私はすごくせっかちで、自分でやったほうが早いと思ったことはパパッと済ませちゃうことが多いのですが、先ほどの取材で、吉原さんと西野さんがお子さんのお話をされているのを聞いて、「人を信じて待つこと」の大切さについて教えてもらいました。「周りのお子さんはできていることが、自分の子どもだけまだできていないときでも、子どもを信じて待つ」というお話だったのですが、そんなふうに誰かを信じて待つことって、たとえ親子関係でなくとも意外と身近にあるものだよね、と。私も自分でパパパッとこなすのではなく、周りの人を信じて、託したり待ったりしながら、 “人との関係”を大切にしたいなと思いました。

Dear LANDOER読者
『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』

From 小芝風花

本作は画がとても細かく美しいので、映画館の大スクリーンで観るとその迫力に驚いていただけると思います。『えんとつ町』や『千年砦』の街並みも、すみずみまでハッキリと見えるはず。ぜひ、劇場で観ていただきたい作品です。

From  吉原光夫

映画というのは、映画館で観るために作られている作品なので、チケットを買って劇場へ足を運び、他の作品の予告編の後、スクリーンが徐々に大きくなっていくのを感じながら、「いよいよ始まるぞ…!」と期待に心躍るリッチな時間を過ごしてほしいなと思います。ぜひ、この作品の“最初の発表の場”である映画館で、本作を観ていただけたら嬉しいです。小芝さんの歌声も、劇場の良い音響でご堪能ください。

小芝風花

小芝風花

こしば ふうか

4月16日生まれ。
〈芝居〉を通して四季を語り、
一輪の表現を『物語』とともに送りだすDOER

吉原光夫

吉原光夫

よしはら みつお

9月22日生まれ。
偏りのない瞳で『物語』を見つめ、
根底に息づくメッセージに〈光〉を当てるDOER

『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』
2026年3月27日(金)ロードショー

出演:永瀬ゆずな 窪田正孝 / MEGUMI
   小芝風花 吉原光夫 土屋アンナ 山寺宏一
   藤森慎吾 伊藤沙莉 / 東野幸治
   錦鯉 / 森久保祥太郎
製作総指揮・原作・脚本:西野亮廣
監督:廣田裕介
音楽:富貴晴美 キャラクター原案:福島敦子
プロデューサー:田中栄子 福山亮一 森コウ
原案「チックタック ~約束の時計台~」にしのあきひろ著(幻冬舎)
主題歌:「えんとつ町のプぺル」ロザリーナ(ソニー・ミュージックレーベルズ)
アニメーション制作:STUDIO4℃
アニメーション制作:STUDIO4℃
配給:東宝 CHIMNEY TOWN

『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』
©西野亮廣/『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』製作委員会

Item Credit
(小芝さん)
ブラウス ¥18,700
スカート ¥20,900
ブランド共にStola./ストラ
問い合わせ先:Stola./ストラ
電話:03-4578-3431
HP:https://stolajp/
(吉原さん)
衣装協力:Yohji Yamamoto POUR HOMME
問い合わせ先:ヨウジヤマモト プレスルーム
電話:03-5463-1500

Staff Credit
カメラマン:YURIE PEPE
ヘアメイク:(小芝さん)富永智子
      (吉原さん)和田しづか
スタイリスト:(小芝さん)伊里瑞稀
       (吉原さん)伊島れいか
インタビュー・記事:満斗りょう
ページデザイン:Mo.et