決して素手では触れたくない
〈恐怖〉に心惹かれる貴方へ
-Introduction-
第74回ベルリン国際映画祭正式出品/
第60回百想芸術大賞4冠受賞
2024年韓国No.1大ヒット!
6.30時点/KOFIC調べ
墓に隠された恐ろしい秘密を掘り起こすサスペンス・スリラー
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『パラサイト 半地下の家族』を超えて韓国で約1,200万人を動員、『犯罪都市 PUNISHMENT』『インサイド・ヘッド2』を抑えて7週連続で第1位を記録し、2024年No.1大ヒット!第74回ベルリン国際映画祭でワールドプレミアとして上映、世界133か国で公開が決定し、第60回百想芸術大賞で監督賞/主演女優賞/新人男優賞/芸術賞を受賞するなど、海外で熱狂と快挙が報じられた超話題作!風水師サンドク役に、『オールド・ボーイ』で映画賞を総なめにした演技派俳優チェ・ミンシク。巫堂ファリム役に、「トッケビ ~君がくれた愛しい日々~」で社会現象を巻き起こした人気女優キム・ゴウン。葬儀師ヨングン役に、『コンフィデンシャル/共助』で存在感を見せつけた個性派俳優ユ・ヘジン。巫堂ボンギル役に、「ザ・グローリー ~輝かしき復讐~」で一躍注目を集めた若手俳優イ・ドヒョン。監督・脚本は、『プリースト 悪魔を葬る者』『サバハ』で観客を魅了してきた鬼才チャン・ジェヒョン。超豪華キャストとジャンル映画監督がタッグを組み、世界中を震撼させたサスペンス・スリラーが遂に日本上陸!
-Story-
何かが出てきた
巫堂(※1)ファリム(キム・ゴウン)と弟子ボンギル(イ・ドヒョン)は、跡継ぎが代々謎の病気にかかるという奇妙な家族から、桁違いの報酬で依頼を受ける。すぐに、先祖の墓が原因だと気づき、お金の臭いを嗅ぎつけた風水師サンドク(チェ・ミンシク)と葬儀師ヨングン(ユ・ヘジン)も合流する。やがて、4人はお祓いと改葬を同時に行なうが、掘り返した墓には恐ろしい秘密が隠されていた…。
(※1)巫堂ムーダン:霊に仕え、吉凶を占ったり、お告げをする事を職業とする人。
主に女性を指す(出典:国立国語院標準国語大辞典)。
伊藤さとり’s voice
世界的大ヒット作『インサイド・ヘッド2』を押さえて韓国で2024年No.1ヒットを記録した映画『破墓/パミョ』とは一体、どんな作品なのか。そして何故、そこまで人を惹きつけるのか。これは間違いなく人間心理のひとつ、「怖いもの見たさ」が働いた結果と言える。
その心理は『オールド・ボーイ』(2003)で知られる名優チェ・ミンシクにまで影響を及ぼしている。何故ならば、彼を60代にして初めて[サスペンス・スリラー]というジャンルに挑ませてしまったのだから。ではそこまでして「見たい」「演じたい」と思った映画には何が含まれているのだろうか。
まずは巫堂という女性シャーマンと、風水師と葬儀屋が登場する「怪しさ」だろう。特に巫堂が持つ不思議な能力とお祓いという儀式は「自分に危険が及ばなければ見たい世界であり、関わりたくないが興味をそそられる儀式」でもある。しかも原因が、古い墓を掘り起こしたことで恐ろしい事件が巻き起こるという展開は、まさにフィクションだから楽しめる[パンドラの箱]的物語だからだ。
更にホラーは苦手だが、『セブン』(1995)のようなスリラーは見られるという人も多い。このように人間は、適度な心拍数からの興奮を好む傾向が強く、そこに未知なる力が働くファンタジーが入ればより好奇心を掻き立てられるのだ。それが自分たちにとっても身近な「先祖の墓」となれば自分ごとのように物語に引き寄せられるのはごく自然なことだ。
確かに自分たちの先祖がどんなことをしてきたのかは、年月が経てば経つほど忘れ去られてしまう。けれど紐解けば、そこには東洋の歴史も刻まれており、時代によっては日本と韓国の繋がりも浮き上がってくる。げんに本作では、古典怪談「耳なし芳一」を彷彿させる文字が顔に描かれた彼らが墓場へと向かう姿も映し出されていたり、日本史好きな人ならばニヤけてしまう日本的なカラクリが潜んでいるのだ。
まさに綿密に練られた脚本。これを気に入ったチェ・ミンシクが中心に居ることで重厚感ある物語になり、ベテラン演技派俳優との共演で、更に若手俳優が活き活きとした演技を見せ、躍動感ある映像としても大満足となった韓国映画『破墓/パミョ』、これが監督オリジナル脚本というのも恐るべきことだ。