ドラマ特区『あせとせっけん』
「ふと香る」を大切に
役に贈る〈自身〉という名の”せっけん“
その人自身の“におい”を大切にしながら香りを溶かしてゆく“せっけん”。それはまるでアイデンティティと芸術品の合体のよう。佐藤さん演じる名取香太郎は、そんな「その人の“におい”」を最高に輝かせる商品開発プランナー。彼の“創作物”に手向ける愛情は、佐藤さんの役への愛情そのものでした。「自分の演じる意味を添えてゆく」、そんな風に役に自身を溶かし続ける佐藤さんは、いったい名取にどんな“せっけん”をギフトしたのか。その“せっけん”は、甘い香り?爽やかな香り?それとも…?
ドラマ特区『あせとせっけん』
-イントロダクション-
化粧品&バス用品メーカー『リリアドロップ』で商品開発プランナーとして働く、名取香太郎(佐藤寛太)は、香りの嗅ぎ分けを得意とする、究極の“においフェチ”。ある日会社の廊下で、とっても気になる“におい”に出会ってしまう。そのにおいに導かれるように近づいていくと、そこにいたのは…経理部で働く、八重島麻子(大原優乃)だった!重度の汗っかきで小さい頃に「汗子」とからかわれた経験がある麻子は、汗やにおいにコンプレックスを感じていて、人目をはばかるように、こっそりトイレでデオドラント製品を使うことが日課。ある日、念入りににおいケアをし、廊下を歩いていると…突然、香太郎からにおいを嗅がれー!?「あなたのにおいにビビッときました」と言われた麻子は、不審に思い、その場を立ち去ってしまう。その後も、香太郎は幾度となく麻子の“におい”を追い求め続け、商品開発のプレゼンのために「1週間嗅がせてほしい」と言われた麻子はその勢いに負け、協力することに。そして香太郎は、本当に毎日麻子のにおいを嗅ぎにくるようになり…。一方麻子は香太郎の商品開発への真っ直ぐな思いと、健気な姿に次第に惹かれるようになり…。香太郎もまた“におい”だけでなく、麻子自身の魅力に気づきはじめ、ひょんな出来事から一夜を過ごしてしまい―!?“におい”で繋がる究極のフェチラブストーリーが始まるのだった。
-名取 香太郎-
29歳。究極の“においフェチ”であり、その香りが何か瞬時に嗅ぎ分けられる。化粧品&バスメーカーの『リリアドロップ』で商品開発部として働いていて、持ち前の「鼻利き」で重宝されており、仕事っぷりも評価されている。何事にも真っ直ぐで、嘘がつけない性格。麻子の“におい”に興味を持ち、毎日嗅ぎたいと思っている。
監督・渋江修平 × 役者・佐藤寛太
僕ら役者が自分の役を大事にしているのはもちろん、監督も原作漫画を読みながら「次のシーンにこのカットを入れたいんだよね」や「この体勢が欲しい」と、原作へのリスペクトを持たれているのだと感じる場面が多い現場です。そこに加えて、自分にしか撮れない画をずっと考える監督なので、原作にない展開に面白い表現をつけられたりもするんですよ。ついていくのに必死ですが、楽しいです。原作すべてをそのままドラマ化することはできないからこそ、オリジナルの表現でアプローチしていくのが渋江監督らしさだと思います。きっとこの先「渋江ワールド」というものを確立されて、求められていく監督になられるんだろうな、と感じています。
渋江監督の織り成す『あせとせっけん』
そして
名取に佐藤さんのエッセンスが
加わっていくのが楽しみです。
僕、撮影が進んでエンディングへ向かっていく中で、僕自身の考える男女の価値観を名取として作品に加えていきたいと思っているんです。原作や脚本をそのまま演じてしまうと、むしろ名取の良さが間違って伝わってしまうと感じることもあるので。実際いまも、セリフひとつでも「あ、これ、名取分かってないな」と思う部分があったら、自分が納得するまで監督に意見を伝えるようにしています。
共演者の方のみならず、
監督とも現場で
しっかりセッションされているんですね。
そうですね。思ったことは絶対に言うようにしています。「このセリフの言い方だったら、前半で謝っていた意味がないですよね」など、セリフを言う中で感じた意見は監督に伝えて、そのうえで監督が僕の意見を採用してくださる時もあれば、狙いとズレてしまうから「セリフ自体を変えましょう」となる時もあって。とにかく感じたことがあれば放置せずにしっかりと伝えて、実際にそれをやってみる。で、最後は監督に任せて監督の撮りたいと思っているものに身を委ねる。今回の作品ではそんな風に積極的に意見を伝えさせてもらっていますね。
名取といえば“香り”を生み出す才能の持ち主ですが、
演じるうえで“香り”とはどう向き合いましたか?
僕、TED Talks(※TED主催の講演を配信しているサービス)を観るのが好きなんですけど、そこで香りの効果についての興味深い情報が多く出されているんです。例えば「人間は一兆通りの匂いを嗅ぎ分けられる」という論文が書かれてたり、鼻だけでなく皮膚や肝臓といった器官も匂いと呼べるものを感じ取っているという情報があったり…。作品が決まってからは、そういった情報を積極的に調べるようにしていましたね。普段、僕自身は香水をあまりつけないタイプなので、名取が作っている物が“せっけん”で良かったです(笑)。香水の香りより、その人自身から感じる“生活感のある香り”が好きなんですよね。
確かに“せっけん”は
あくまで“その人自身の匂い”に
色を添えるものですもんね。
そうなんですよ。その“におい”に関する好みは名取とも通じているんです(笑)。原作で、名取が麻子さんの生活をイメージして「布団に潜った時に香りに包まれるような優しいせっけんを作りたい」と意気込む場面があるんですけど、その想いって“その人自身のにおい”を大切にしているからこそ、じゃないですか。そういった彼の物事に情熱を注ぐ方向性には学ばせてもらうことが多いですし、自分もモノづくりをする仕事をしている身として「いいな」とも思います。僕、名取みたいな男友達がいたら優良物件すぎて全女子友に紹介したいですもん(笑)!ただ、ちょっとおかしいから最初はみんな「あぁ…」と引いてしまうと思うんですけど、中身を知るにつれてきっと好きになると思うな~(笑)。
Dear LANDOER読者
about『あせとせっけん』
この作品の見どころは、絶滅危惧種なんじゃないかと思われるほど純粋でお互いのことが好きすぎるカップルが、徐々に心を通じ合わせながらも「好き」という気持ちだけでは上手くいかないことに立ち向かっていく姿です。すれ違ったりぶつかったりしながらお互いのことを大事に大事にゆっくりと歩み寄る2人が本当に愛おしいですし、演じている僕自身も「一生、名取香太郎を演じていきたい!」と思うくらい毎日幸せな気持ちにさせてもらっています。そして、純粋なラブストーリーとはいえどオトナのラブコメなので、2人のオトナのシーンも楽しんでいただきたいですね。一生懸命で真っ直ぐな麻子さんを「誰か助けてあげて!」と思うところに名取が颯爽と現れるので、気持ちよさも味わっていただける作品になっていると思います。是非、見どころの詰まったあっという間の30分間を楽しんでください!
佐藤寛太(25)
さとう かんた
1996年6月16日生まれ。
青々とした自由を胸いっぱいに吸い込み、
屈託のない一歩で作品に力強い足跡を刻むこむ25歳
ドラマ特区『あせとせっけん』
MBS 2022年2月3日(木)初回放送スタート
tvk毎週木曜よる11:00~ほか
出演:佐藤寛太 大原優乃 ほか
原作:山田金鉄 監督:渋江修平 熊谷祐紀
脚本:モラル 井上テテ 池亀三太
Staff Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:KANA(allure)
スタイリスト:Masahiro Hiramatsu(Y’s C)
インタビュー・記事:満斗りょう
ページデザイン:吉田彩華