【本郷奏多】ドラマ『アイのない恋人たち』良いことも、うまくいかないこともまるっとすべて〝恋の産物〟だから恋って面白い

本郷奏多

ドラマ『アイのない恋人たち』
良いことも、うまくいかないことも
まるっとすべて〝恋の産物〟
だから恋って面白い

恋なんてしていないほうが幸せだ。自分のペースを乱されることもないし、心がグラつくこともない。連絡ひとつ返ってこないだけでモヤモヤすることも、わざと予定を空けて “突然”に構える必要もない。そんなふうに「~ない」と、自分に言い聞かせている時点で、きっと〈恋〉を意識している。崩される均衡も、予測できない一日も、幸せな〈恋〉の産物。でも〈恋〉をするために必要なアイ、私はちゃんともってる――?

日10ドラマ『アイのない恋人たち』

日10ドラマ『アイのない恋人たち』

あらすじ

2024年の東京を舞台に
恋愛偏差値が低いワケあり男女7人が織り成す愛の物語

アラサー男女7人が、それぞれにワケアリな恋愛観や家族の問題を抱えながらも出会い、触れ合い、愛し合おうとする物語。7人は恋愛にまるでいい思い出がなかったり、過去に大きな失恋を経験したりと、それぞれの理由により恋愛と距離を置き恋人もいない状況。SNSやアプリで繋がりやすくなったこの時代だからこそ感じる、孤独、不安や苦悩と向き合う日々。そんな彼らが求めるのは「人とのつながり」、言い換えれば「愛」でしかない。「愛がない」「見る目(eye)がない」「自分(I)がない」。それぞれにアイが欠けている者たちによるラブストーリー

淵上多聞

真和(福士蒼汰)の高校の同級生で現在は一流食品会社の企画開発部に勤務。爽やかな笑顔と柔らかな物腰で、女性からの好感度は決して低くないが、女性と付き合ったことが一度もない。相手に合わせすぎて恋愛まで発展しない「自分(I)がない男」

淵上多聞 × 本郷奏多

本作のキャラクターのなかで「僕と一番違うかも」と、感じる部分が多いのが多聞でした。真和(福士蒼汰)、雄馬(前田公輝)、多聞の男性キャスト3人それぞれが「愛がない」「見る目(eye)がない」「自分(I)がない」と、3つのアイをもっていないのですが、どちらかというと僕は、多聞のもっていない「自分(I)」をもっているほう。自分の〈意志〉もありますし、周りに合わせて無難な回答をすることもないので。ただ、多聞の「恋愛にメリットを感じない」という部分には共感しました。

同年代の共演者の方が多い本作。
撮影現場はいかがですか?

福士蒼汰くんと前田公輝くんと一緒のシーンが多く、2人と仲良く撮影させていただいています。福士くんとは7、8年ぶり、公輝くんとは3、4年ぶりの共演だったので、撮影初日はこれまでの時間を埋め合わせるようにたくさん盛り上がりました。撮影に行くのがとても楽しみな日々です。

本郷奏多

仲良し3人の会話劇の魅力は
お3方の雰囲気がにじみ出ているがゆえ、
なんですね。
実力派同士の皆さんですが、
会話劇のお芝居はいかがですか?

本線から大きく逸脱するようなアドリブはないものの、「こういう風に読むんだ」と、2人のセリフの読み方に刺激をもらっています。特に公輝くんはそういったタイプで、「同じ文面を渡されたとして、僕にはその言い方で話す引き出しはなかったな」と、気づかされることが多いんです。その環境がとても刺激的ですし、それによって生まれる空気感を楽しんでいます。

そういったセリフを受けて
本郷さんのお芝居も瞬間的に変わったり?

そうですね。お芝居って“相手のものを受け取って、どう感じてどうアウトプットするか”だと思うので、毎回刺激をもらいながら楽しくお芝居をさせていただいています。僕は成海璃子さんとのシーンも多いのですが、成海さんもベテランの役者さん。安心と信頼があるのはもちろん、成海さん演じる栞と多聞の心情がゆれ動くシーンが増えていくなかで、一緒にお芝居を組み立てていくのもとても楽しいです。

日10ドラマ『アイのない恋人たち』

これから先の見どころにもなりますね。
ちなみに、本郷さんの印象に残っている
多聞のシーンはありますか?

基本的に多聞は人当たりもよくて、柔和で、というキャラクターなのですが、実は結構変なヤツなんです(笑)。自分のキャパをオーバーしてしまうと、感情を出して言いたいことを全部言いはじめたり、酔っぱらったときにスイッチが外れてしまったり。物語が進むごとに、多聞のヘンな瞬間が徐々に出てくるので、演じていて楽しいです。きっと観てくださる皆さんにも楽しんでいただけるシーンになっていると思います。

脚本は数々の人間ドラマを描いてきた遊川和彦さん。
台本を読まれて、どんな感想を抱かれましたか?

今回は主に7人のキャラクターたちを中心に話が進んでいくのですが、7人それぞれにすごく〈人間味〉があるんです。架空のキャラクターではなく、登場人物一人ひとりがちゃんとこの世界を生きていて、それぞれが悩みをもっている。そういった〈人間味〉あふれるキャラクター表現が「さすがだな」と思いましたし、それこそが、作品の魅力的な面白さにも繋がってくるのだと感じました。各話の最後に7人ひとりずつのワンシーンが入ってくるのですが、その瞬間の心情がみんな同じ心情になっているのも、このドラマの面白さのひとつ。いままでにあまり観たことのない構成と、人間関係が絡まることで出てくる、たくさんの良いこと、大変なことに、僕自身毎回つづきが気になっています。僕らキャストは台本を一話ずつもらっているのですが、現場で「次どうなっちゃうんだろうね」と、みんなも話していて。キャスト全員、しっかりと引き込まれているようです(笑)。

本郷奏多

展開にわくわくしますね(笑)。
恋愛モノに出演されるイメージがあまりない
本郷さんですが、
今回の“恋する”役づくりで
何か意識されたことはありますか?

たしかに恋愛モノの作品はあまりお話をいただかないジャンルだったので、オファーをいただいたときに「本当ですか?」と、お聞きしました。それで詳細を聞いてみたら「恋愛に興味がなく、恋愛なんて面倒くさいと思っている役柄です」と教えていただいて、「そういうことか」と(笑)。改めて何か準備をするというよりは、ナチュラルな自分の考えで臨める役柄だったので、特に準備はせずに演じています。

Dear LANDOER読者
日10ドラマ『アイのない恋人たち』
From 本郷奏多

多聞は最初、「恋愛に何のメリットがあるの」と言っているのですが、物語を重ねて栞と近づいていくうちに、頑張って恋愛に足を踏み入れていきます。それによって良いこともあれば、うまくいかないこともたくさん出てきて。けれど、「うまくいかないことも含めて“恋愛の醍醐味”なんだ」と、徐々に考えが変わっていくんです。そんな多聞の姿を通して、皆さんにも届く気づきがきっとあるはず。僕自身、物事の判断基準をメリット・デメリットや損得においてしまうことがあるのですが、作品を通して「うまくいかない部分も含めて、素敵なものだよね」と思えたらいいな、と思いますし、そんな風に見せていけたらいいな、とも思っています。

本郷奏多

本郷奏多

ほんごう かなた

11月15日生まれ。
“彼らしさ”が心地よい一方で、
心をかき乱すほど変調な「自分だけの音」を奏でるDOER

日10ドラマ『アイのない恋人たち』

ABCテレビ
日10ドラマ『アイのない恋人たち』

出演:福士蒼汰
   岡崎紗絵 本郷奏多 成海璃子
   前田公輝 深川麻衣 佐々木希
脚本:遊川和彦

Item Credit
セットアップ Caruso

Staff Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:VANITÉS 永瀬多壱
スタイリスト:髙橋美咲(Sadalsuud)
インタビュー・記事:満斗りょう
ページデザイン:古里さおり