TBS金曜ドラマ『最愛』
いくつもの〈愛〉が漂う
物語の真実から、もう目が離せない
激流のように流れてゆく毎日の中で、私たちは儚くも〈変化〉を遂げる。時に〈成長〉とも呼ばれるそれは、どこか切なさを秘めていて。15年前、とある田舎町で起こった謎の事件。変わりゆく月日を経ても、決して〈変化〉することのない「姉弟愛」に身を捧げる高橋さんにお聞きした『朝宮優』のお話と、『最愛』に命を吹き込む現場のお話。その激流に巻き込まれたら、きっともう戻れない――
TBS『最愛』
-あらすじ-
殺人事件の重要参考人となった実業家・真田梨央(さなだ・りお)と、梨央の初恋の相手であり事件の真相を追う刑事、そして、あらゆる手段で梨央を守ろうとする弁護士の3人を中心に展開するサスペンスラブストーリー。2006年、梨央が青春時代を過ごしていたのどかな田舎町で失踪事件が起きた。15年後、時代を牽引する実業家となった梨央の前に事件の関係者が現れたことにより、当時の記憶とともに封印したはずの事件が再び動き出す。過去の失踪事件が現在の殺人事件へと繋がっていく…その事件の真相に迫る姿を完全オリジナルで描く。『アンナチュラル』『MIU404』のプロデューサー・新井順子と演出・塚原あゆ子、そして2013年1月期放送の『夜行観覧車』、2017年4月期放送の金曜ドラマ『リバース』で2人と組んだ奥寺佐渡子と清水友佳子の脚本による完全オリジナルの濃密なサスペンスラブストーリー。
-朝宮 優-
梨央(吉高由里子)の弟。2007年から梨央と共に東京で暮らしていたが、2012年に『僕は人を殺した』という手紙を残し、失踪。月に1度、無事を知らせる葉書を梨央に送るも、所在は不明。失踪後は生田誠(いくたまこと)と名乗り、後藤の指示で会社の情報や梨央の素行を探る「情報屋」として素性を隠して生きてきた。
『最愛』× 高橋文哉
正直、1話の台本を読んだだけでは僕の役どころが分からなかったので、撮影前に先の話数の台本を読んで(自分の役、話の展開を)すべてを把握したうえで役作りをしました。「この人に対してはこういう態度をとるよな」「この場面でこの人はこういった態度になるかな」と、自分で『優』の感情を想像しつつ、現場で監督に相談させていただいて。撮影中は「もうちょっとこうでもいいよね」とアドバイスを頂きながらお芝居に挑ませていただいています。
現場で相談しながら作り上げられているんですね。
そうですね。自分でもそれなりには作っていってはいるんですけど、やっぱり現場で監督に見ていただいて「もっとこうしよう」という意見を頂いたりもするので。現場でお話しながら『優』を作り上げているイメージです。
高橋さんは『先生を消す方程式。』などで
少しニヒルに見える役も演じられていますよね。
第一話では優もニヒルに見えましたが、
優はどんな子だと感じられていますか?
第6話まで観ていただけると分かると思うのですが、優は深掘れば深掘るほど普通の子なんです。最初はミステリアスで「なんだこの子は」と思われるような子なんですけど、どんどんと話が進むにつれて優の深層の部分にある「姉ちゃんのことが大好きな普通の男の子」が出てきて。その前提を意識しながら「優は何のためにこの仕事をしていて、何のためにこの人と一緒にいるのか」を紐解いて、自分に落とし込んで演じるようにしています。だからこその新しい難しさや、地方特有の言葉の難しさもあるんですけど…。僕としては、現在の優は昔の優がそのまま大人になった子だと感じていますね。
具体的にどういった部分が“新しい難しさ”でしたか?
第一話で無表情だった子が、話数が進んで「姉ちゃん!」と呼びかけるくらいの差を出してくるんですけど、その優のテンションを、ワンシーンワンシーンというよりは物語全体を通して考えて演じないといけないのが難しかったです。すべての撮影が話数順なわけではないので、優の“ギャップの土台”を作っておかないといけないですし、オリジナル作品として役の幅を全て自分で決められるからこその新たな難しさを感じています。
相手の芝居を受けて
臨機応変に対応することもあったり?
そうですね。相手の方がセリフの言い方や詰められ方を変えて来られたりもするので、その方のお芝居を素直に受け取りながら自分のレスポンスも変えなきゃな、と思っています。逆に僕がアクションを起こすシーンでは、自分なりに「ちゃんと相手に向かって芝居をぶつけること」を心がけていますね。
誰かと対峙をするシーンにプラスして
優の情報屋としてのシーンも
見どころだと思うのですが
“情報屋”特有の難しいシーンはどこでしたか?
タイピングです。僕自身、タイピングがまったくできないんですよ(笑)。なので、タイピングの動画を観たり台本を読みながら打ったりして練習していました。優の場合は片手でキーボードを打つシーンも多いので、そういった体勢でのタイピングも練習しつつ。入力する文字によってスピードやEnterキーを押すタイミングも変わってくるので、そこは「このぐらいかな?」と予想しながら打つようにしています。
Enterキーのタイミング、大事ですもんね(笑)。
同年代の方との共演が多かった高橋さんですが、
先輩に囲まれる現場はいかがですか?
いや~、緊張しますね(笑)。いままでは同じ歳くらいの方が現場に絶対にいらっしゃったんですけど、『最愛』の現場に関しては「切磋琢磨しよう」なんてものじゃないんです。皆さんの実力に僕だけが足りていない状態なので、そこに必死に追いついて、スタッフさんたちにも必死に食らいついて、いまの自分にできる精一杯で役を解釈しながら撮影に挑んでいます。
今回は
『着飾る恋には理由があって』でもご一緒されていた
新井さん、塚原さんの制作チームですが
現場で感じる撮影のこだわりなどがあれば
教えてください。
『着飾る恋には理由があって』の時から、常に撮影にこだわりを持っていらっしゃるのは感じていたんですけど、今回のように作風がまったく違うものになっても、やっぱりアイデアが鋭くて圧倒されています。撮影中もドンピシャなアドバイスをくださるので、やりやすい環境でお芝居させていただけてありがたいです。「こうしたらどう?」という言葉が自分の中で腑に落ちることがすごく多いですし、「こっちの方がいいかな?」という提案もしてくださるので、「こういう時はこっちの方がいいんだ!」と自分の身になっていくんですよ。その感覚が分かるのが楽しいんです。
Dear
LANDOER読者 about『最愛』
きっと6話まで観ていただいたら、この作品のテンション感やスピード感が伝わっていると思うんですけど、これから更にひっくり返されたり、裏の真実やいままで積み上げられてきたものが一瞬で崩れてゆく感覚に陥ると思います。そのスピード感がこれまたすごいので、綺麗な映像とともに楽しんでいただきたいです。僕個人しては、出演者の皆さんのお芝居力も相まってバーッと物語が底上げされているところに、優がどのように関わってくるのかを最終話まで追って観ていただけたら、と思います。
TBS金曜ドラマ『最愛』
出演:吉高由里子 松下洸平 田中みな実
佐久間由衣 高橋文哉 奥野瑛太
/薬師丸ひろ子(特別出演)
/光石研 酒向芳 津田健次郎
/及川光博 井浦新
脚本:奥寺佐渡子 清水友佳子
プロデュース:新井順子
演出:塚原あゆ子 山本剛義 村尾嘉昭
Staff Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:池上豪(NICOLASHKA)
スタイリスト:鴇田晋哉
インタビュー・記事:満斗りょう
ページデザイン:吉田彩華